エロです
案外キョンがノリノリで、
変態エロ夫婦な感じです

苦手な人がもしいたら、バックプリーズ←




















































コスプレ実行



「ああ、それにしても、本当に可愛らしいです。よくお似合いですよ!」
げんなりして顔色も悪くなってるだろう俺を前に、古泉は恥ずかしげもなく言ってのけた。
心なしか、顔の輝きが増してさえいるようだ。
この変態め。
「可愛いって褒めてるんですから、もう少し喜んでくださいよ」
「嬉しくねぇのに喜べるか! この変態っ!!」
と罵れば、古泉はにやりと笑って、
「だめですよ。メイドさんがご主人様にそんな口をきいては」
などと言うので、
「ご主人様がメイドに敬語を使うのはありなのかよ」
と言ってやった。
こう言えば、なんと言おうが敬語を止めないこいつのことだ。
引き下がるだろうと思ったのだが、
「ああ、そうですね。そうしないと不自然でしょうか」
と宣ったばかりか、まさかと思い、唖然としている俺に向かって、
「あなたと敬語を使わずに話すのって、もしかしてこれが初めてなのかな」
と囁いた。
その響きに、耳慣れない言葉遣いに、ぞくりとした。
「な…っ、おま…」
ふふ、と忍び笑いを漏らした古泉は、俺の肩に手を置き、俺が逃げられないようにした上で、
「可愛いね」
と言って俺に微笑みかけ、
「さて、主人の言うことに従ってもらおうか」
「っ…!?」
「ほら、ご主人様って呼んで?」
「ご…主人、さま……?」
ムチャな要求にこたえてしまったのはひとえに、俺が思考能力を奪われるほどにショックを受けていたからに違いない。
それくらい、敬語でない古泉というのは衝撃だったのだ。
これまで、何を言おうとも止めなかったし、だから俺も諦めていたってのに、何でこういう時に止めるんだ。
軽いパニック状態に陥った俺に古泉はにんまりと笑い、
「素直でよろしい」
と俺の頭を撫でた。
子ども扱いすんな。
「というか、お前、こんな時だけ、ずるいだろ…!」
「こんな時だけだからこそ、興奮するんだって。それに、コスプレだと思うから出来るわけだし」
なんだそりゃ。
「だから、ご主人様とメイドごっこだと思ったら、出来るんだって。…普段はもう、敬語が普通になり過ぎてるからね」
自嘲するように笑って、
「それより、ほら、僕がご主人様らしく敬語を使ってないんだから、あなたもちゃんとメイドさんらしく敬語で喋らないと。ねぇ?」
ねぇ、じゃねーだろ!
「断じてことわ…」
「じゃないと、酷くしてしまうかも知れないなぁ、なんて」
へらりと笑って言ったが、これはヤバい気がする。
逆らったら本当にとんでもない目に遭いそうな、そんな予感だ。
思わず押し黙った俺に向かって、
「可愛い」
楽しげに笑って古泉は言い、俺はむしゃくしゃしながら、
「可愛くなんかな……ありま、せん」
と返した。
くそ、むかつく。
というか、なんだろうか、この違和感は。
何か妙な気がする。
古泉のこのテンションも、この強引な行動も、おかしい。
何か理由があるように思えた。
俺は怖々、古泉を見つめ、
「……何か、怒ってない……ですか」
と聞いた。
古泉は一瞬驚いたように目を見開き、それから苦笑した。
「参ったなぁ…。どうして気付かれるんだろ」
目の前に俺がいるというのに、独り言のように呟くな。
「ごめんなさい」
笑いながらも一応謝ってくれた古泉は、
「怒っちゃだめだって思ったんだけどね、抑え切れなかったかな」
「俺、なんかし、…ましたか」
「いや? あなたのせいじゃないんだ。ただ、ちょっとね」
と言って古泉は苛立たしげに表情を歪ませた。
聞けば、知人とやらに俺のことを、「跪かせてみたい」とかなんとか言われたらしい。
なんだそりゃ、どうすりゃそんな話になるのかも分からんし、そもそもどういう知人だそれは等とは思うのだが、ツッコミどころが多すぎて突っ込めん。
古泉は難しそうな顔をして、
「ご主人様と言わせてみたい、なんて言われたのが妙に気になってしまって」
と割と本気っぽく呟いたが、
「気に入っての間違いじゃないんですかー?」
呆れながら返せば、
「そうかも」
悪びれもせず、くすっと笑った古泉に、俺はため息をひとつ吐いた。
やっぱり変態じゃねぇか。
「大体、ご主人様なんて今更でしょう」
「え?」
ぽかんとする古泉に、俺は諦めと共に笑みを向け、
「ご主人様とメイドなんて主従関係ではないですけど、家内と主人という関係なら、とっくにそうなってるんじゃないんですか?」
古泉は、まるでそれだけの言葉を理解するのにさええらく時間がかかったようにしばらく黙り込んだ後、何も言えないまま、顔を真っ赤にした。
「あの、それ、って……」
「違いますか、ご主人様?」
にやにやとからかう調子で言ってやれば、抱き締められた。
「違わない。……愛してる。あなただけだ…っ」
酷く熱っぽい言葉に、理性だの自制心だのといった類のものがずるずると融け落ちていく。
ああ、だめだな。
俺もやっぱり変態の仲間か。
「コスプレなんて、これっきりにしてくださいよ?」
そう囁くと、古泉は信じられないと言わんばかりに、
「…それ、今日は付き合ってくれるってこと、だよ、ね…?」
そんな反応に、俺は思わず吹き出しながら、
「…ご主人様が、珍しく、敬語をなしにしてくれるんなら、ですけどね」
言っとくが、本当に大サービスだからな。
二度とあるとは思うなよ。
「一回限りでも十分だよ」
やけに力強く言った古泉が、俺の唇にキスを落とす。
「ご主人様とメイド設定でしてみたいな」
なんて言葉は、甘ったるく囁くものじゃないと思うんだがね。
「…ご主人様の、お望みの通りに?」
「そんなこと言われたら、図に乗るよ?」
「今更でしょう」
俺は古泉の唇に返礼をして、
「ほら、ご主人様。ご主人様の好きにしていいんですよ?」
ごくりと古泉の喉が鳴るのをいい気分で眺めながら、俺はもう一押しとばかりに古泉の手を取ると、
「ここも、」
と古泉の手を自分の真っ平で何の面白味もないはずの胸に押し当てる。
「ここも、」
その手を腰に滑らせて、
「ここだって、」
今度はその手を前に戻し、スカートの上から熱を持ちかけているそれに触れさせる。
「全部、ご主人様だけのものなんですからね」
返事は、性急なまでに余裕のないキスだった。
痛いほどに抱きしめられて、呼吸が苦しくなるほどに唇を貪られて、それでも俺は、そんな風にして古泉を煽れることを嬉しくなんぞ思うわけだ。
古泉はいくらだって、俺のことを好きだと言ってくれる。
態度でも示してくれる。
それでも、ふと、思う時はあるのだ。
本当に俺は古泉の隣りにいていい人間なのかと迷う時が。
本当はもっと、こいつに相応しい誰かがいるんじゃないかと思う時が。
だから、こうして自分の意思で、狙ったことで、古泉を煽れると、それが妙に嬉しく思えるのだ。
意識してないことでそうなる時より、狙った時の方が嬉しい。
古泉の好みを解っているから出来ると思えるせいだろう。
どうすれば古泉を煽れるのか知っている自分に、優越感に似たものも感じられる。
だから俺は、古泉が好むように、いつもなら抑えようとする声を抑えず、鼻にかかった声を立てた。
「ぁっ……ふ……ぅ…」
甘ったるい声で、古泉を煽れたらいい。
そのついでにでも、古泉を好き過ぎて困るくらいの、俺の気持ちが少しでも伝わればいいと思った。
薄く目を開けると、いつも以上にぎらついた目が見えた。
それに、引いたっていいだろうに、俺はむしろぞくりとした。
求められることが嬉しいと知ったのも、古泉と付き合い始めてからだ。
「ご主人様…」
甘えた声で呼んで、古泉を煽る。
まだ残っている理性を全部飛ばしてしまえばいいと思いながら。
「…して、くださらないんですか……?」
「……どうして欲しい?」
聞きなれない常体の言葉に、それだけでぞくぞくする。
俺の方ばかり煽られるようなのが悔しくて、
「ご主人様こそ、何かして欲しいんじゃないですか?」
「……そうだね」
にやりと笑って、古泉は俺の手を取り、膨らみかけているズボンの前に触れさせた。
「たまには、してくれる?」
「お望みの通りに、って、さっきも申し上げたでしょう?」
そう返して、俺は古泉をベッドに座らせるなり、ズボンを寛げてやった。
熱を持ったものを引き摺り出して、そろりと舌先で触れると、それがかすかに震える。
古泉の性格なのか何なのか、古泉は普段、自分はいくらだって俺を悦ばせようとするくせして、俺にはなかなかさせようとしない。
だから、こんなことをするのも珍しいことだ。
俺としても、それこそ、よっぽどハイになってた時でもなけりゃ出来んからな。
そんな経験の浅い俺の、当然のように拙いフェラでも、古泉にはよく感じられるらしい。
「そんなに、一生懸命にしなくてもいいんだよ…?」
と言う声が、優しい。
そんな声で言われて、一生懸命にならずにいられるか。
俺はあごに無理を言わせて、口いっぱいにそれを頬張った。
苦しくないと言えば嘘になるが、それ以上に、古泉の苦しげに詰めた息遣いだとか、ちょっとした震えに気分がよくなる。
もっとよくしてやりたくなる。
「っ……、ん、出る、から……っ」
そう言われて、俺は顔を離した。
ほっとした顔を見せる古泉を見つめて、笑顔で聞いてやったのは、出来心としか言いようがない。
「ご主人様は、どこに出したいですか?」
「…っ、どこ、って……」
興奮に赤みの差した頬を更に赤らめる古泉を追い詰めるように、
「口の中ですか? それとも、顔? 他のどこだって、いいですよ。…好きに掛けてください」
古泉が真っ赤な顔のまま、困ったまま黙りこくるので、俺は仕方なく、
「…掛けてくれないんですか?」
と聞いた。
不満を示す調子を強調すれば、古泉が生唾を飲み込む音がやけに大きく響く。
「ねぇ、ご主人様…」
言いながら、茎を両手で包み込むようにして、軽く扱くと、限界の近かったそれが、勢いよく白濁を吐き出した。
それを伸ばした舌に受け止めて、顔いっぱいに掛けられたそれに、おそらく背徳感染みたものによって強められた快感に打ち震えた。
舌に広がる苦味を、喉に引っかかるような感覚に顔をしかめながらも飲み込んで、
「んっ……濃い…」
と俺が呟くと、
「っ、だ、大丈夫ですか!?」
思わず「ご主人様」から素に戻った様子で、慌てて聞く古泉に、俺は薄く笑って言ってやる。
「いっぱい、出ましたね…」
「っ、………そりゃ、出るに決まってるだろ……っ、あんなこと、言われて、され、たら……」
「一人で気持ちよくなるなんて、ずるいご主人様ですね。……俺のことも、気持ちよくしてください…」
自分だって掛けられて感じたくせに、そう言うと、古泉は素直に受け止めたらしい。
「ん」
と頷いて、俺を抱き寄せた。
顔の汚れを拭うように頬を舐められ、くすぐったさに身をよじれば、そのまま無防備な体をベッドに横たえられる。
「どうして欲しい?」
「……ご主人様の好きにして、ください…」
「だめだよ」
意地の悪い言葉に眉を寄せれば、眉間に寄ったしわにキスされた。
「今日は、して欲しいようにしてあげるから、自分で言って?」
そう言って、ウィンクまでよこすのは、さっき言っただろとでも言いたいのかね。
いっそ解らないフリをしてやりたくなる。
が、ここまで来て逃げるわけにもいかない。
大体、そもそもからしてたまの休みにこいつの部屋に泊まりに来て、しかも準備万端整えて寝室に入った段階でのコスプレ要求だったんだから、俺の方だってしたかったことには間違いない。
ここで逃げても自分への焦らしプレイにしかならん。
俺は確かに変態かも知れんが、被虐趣味は持ち合わせてないつもりだ。
少なくとも、自分で自分に焦らしを強いて悦ぶ趣味はない。
後で殴るかどうかしようと、今の段階での決定を下しながら、俺は手を伸ばし、膝丈のスカートをふわりとまくりあげた。
露になったものは興奮のあまり濡れているんだろう。
空気の動きにつれて、ひやりとした感覚がした。
羞恥を堪えながらいくらか脚を開き、
「俺にも…して、ください…」
「喜んで」
楽しげに笑った古泉は、さっき強引に着替えさせた女物のちっぽけな下着からはみ出たものの先端にキスを落とした。
それだけで、ずくんと腰が疼く。
「ぁ…っ、ご、主人、さまぁ……」
甘えた声を上げて、まくり上げたスカートのすそをきつく握り締める。
「どうされるのがいいか、教えてくれたら、もっとよくしてあげるから」
「…は、い……」
「どうして欲しい?」
何度目かの質問を繰り返す古泉に、俺は羞恥で死ねそうな気持ちになりながら、
「舐めて…欲しい、です…。ご主人様に、フェラ、されるの、好き、です…っ……」
と訴える。
これはもう、シチュエーションとコスプレによるものだと思うしかない。
そうでもなければ、こんな台詞を言うくらいなら舌を噛むところだ。
「嬉しいね」
ふふ、っと漏れた笑みと共に吹きかけられる吐息すら気持ちよくて、
「ひ、ぁ…、……そ、れも…好き…です…」
「それ?」
「息、吹きかけられるの、も、ぞくぞく、して……、気持ち、い、です…」
「焦らされるの、好きだよね」
「やっ……、好きじゃ、ない、です…」
「そう? でも、焦らした方が感じるくせに」
言いながら古泉は、もどかしいキスだけをよこす。
だから焦らすなっつうの。
「気持ちいい、けど、でも、……嫌…です…」
「どうして?」
「…切なく、なる、から……」
もどかしさが募ると、切なくなる。
切なさと言うのはどうしようもなく、悲しさに似ていて、胸が苦しくなる。
苦しくなった分だけ、後で気持ちよくなれたとしても、苦しい時はそれでいっぱいいっぱいになるから嫌だ。
「…またそんな可愛いことを言って」
古泉はまるで妬いてでもいるかのように苛立たしげに呟き、
「他の誰にも見せないでよ?」
「あっ、当たり前です…! 俺には、ご主人様はひとりだけ、で…っ、ひあぁ!?」
一際高い声が上がったのは、もどかしい愛撫を続けていたはずの古泉がいきなりべろりと裏筋から先端までを舐め上げたせいだ。
急な快感にびくんと体を弾ませると、調子に乗ったように古泉がそれを口に含んだ。
暖かい感触に包み込まれ、どうしようもなく腰が揺れる。
それにもだえていると、今度は先端をくじるように舌を突き立てられて、目の前がちかちかした。
「ぁ、あ、…っ、そこ、や、ぁ…!」
「嫌じゃないくせに。…どこがどうなの?」
「そ、こ…っ、先、っぽ、そん、な、したら…ぁっ、痛い…っ、れ、す……」
「痛いから嫌? 優しくして欲しいってことかな。それとも、やめて欲しい?」
「…ぅ……」
「どっち?」
意地の悪い笑みで問いかける古泉は、俺が黙り込んでいると、
「…答えられないなら、お仕置きかな」
と薄く微笑み、先端を甘噛みした。
「いあぁっ! やっ、痛い、です…っ」
「でも、萎えてないよ」
くすくすと笑いながら、古泉は意地悪く扱き上げる。
その指が、脚の間に滑り込み、こぼれた先走りと唾液の滑りをまといながら、半ば強引に押し入れられる。
きつく目を閉じた拍子に涙がこぼれた。
「痛んだ…わけじゃないね? そんなにいい?」
「あっ! や、やぁあ……」
荒っぽく中をかき回されて、快楽に捕まる。
勝手に揺れる腰を止めることも出来なくて、みっともない声を上げると、古泉は楽しげに笑いながら俺の口を塞いだ。
くちゅりと舌を絡め取り、吸い上げられる。
「はっ…ぁ…あ……」
「凄い、これだけで柔らかくなって…。入れてほしそうにひくついてるの、分かるだろ?」
「っ、んな……」
「そうだよ」
そう言って、今度は触れるだけのキスをして、古泉は微笑む。
「うん、積極的なあなたも好きだけど、そうやって恥ずかしがってるのもやっぱり好きだな」
なんて、えらく幸せそうに宣う。
「な、に、言って…っ」
「さっきの、乗り気なあなたを見てると、そのまま押し倒されそうだったから、実はちょっとびびってた」
くすくすと笑いながら、そんなことを言って、古泉は俺の脚を大きく割り開いた。
「脚、自分で抱えていられる?」
「あ……、は…い……」
「ちゃんとしてて、ね」
おずおずと脚を開き、抱え上げる。
恥ずかしい格好だ、と思いながらも、それ以上冷静にならないように努めるしかない。
古泉の手は、両手が空いたからとばかりに俺の中をかき回し、両の指で開こうとする。
「ぃ、あ……っ、ん、ふぁあ…」
「気持ちいい?」
「い、い…です…。気持ち、い…ぃ……」
ぞくぞくとした快感に震える下肢を落とさないように鷲掴み、馬鹿みたいに頷くと、
「どうして欲しい?」
と低く囁かれた。
「ま、だ……言わせるん、です、か…?」
「うん、言って?」
無邪気な顔で言うな、と言ってやろうかと思ったが、
「意地悪…」
と睨むのがやっとだった。
畜生、これじゃ甘えてるようにしか見えないではないか。
「意地悪な僕は嫌い?」
「……嫌いじゃないです、けど…」
「僕は、あなたが好きだよ。…愛してる」
そう言った古泉が、昂りを押し当ててくる。
「…ぁ……」
期待に震える体に、だが、古泉は決定打をくれない。
「どんなあなたも好きだから。……ねぇ、見せて、教えて。あなたがどんなことでどれだけ感じるのか、どうされるのが好きなのか」
「んなの…っ、言わなくても…」
「うん、ある程度分かるとは思ってる。嬉しいことに、あなたとの付き合いも長くなってきたからね。だけど、分かってるつもりになってるだけで、それが実は思い違いって可能性もあるだろう? だから、確かめたいんだ。……お願いだから、本当のことを、教えて?」
「ほ、んと…って……」
「痛かったら痛いって言って欲しいし、やめて欲しいならそう言って欲しい。逆に、どこが気持ちいいのかも教えて欲しいな」
「そんな、恥ずかしい真似…」
「だから、コスプレしようって言ったんだって」
と古泉は笑った。
「ねぇ? こんな格好して、これ以上に恥ずかしいことってある?」
意地の悪いことを言いながら、古泉は抱えた脚の膝頭をぺろりと舐めた。
「ふぁっ…!」
「ご主人様とメイドさん、なんて無茶な要求に応えてくれるのに、言うのはそんなに恥ずかしい? 今更だって、思えない?」
今更と言えば確かに今更だ。
それでも躊躇うのは、俺の自信のなさのせいが強いんだろう。
みっともないところを見せたら、嫌われるんじゃないかと、今更なのに思っちまう。
だから、
「…ひとつだけ、いい、ですか……?」
「何?」
「……嫌いに、なったり…しません、か」
「……あのね、」
古泉はため息を吐き、悲しげな顔をしたくせに、
「怒るよ?」
と低い声で唸った。
「い…っ!?」
びくりと身を竦ませた俺に、古泉はもうひとつため息を吐く。
「なんでそんなこと思うかなぁ? 僕はそんなに不甲斐ない? どっちかと言うと、それを聞きたいのはこっちだよ?」
なんで……。
「だって、お前が……?」
「そうだよ。……いい加減、自分がとても魅力のある人だってこと、分かって欲しいな。それも、人間として、だからね」
「そんなことはない、でしょう…?」
「あるんだって。……僕も、随分悩んだんだよ? 本当に自分でいいのか、あなたを振り回してしまっていいのか。眠れなるくらい悩んだことだってある」
驚く俺に、優しく笑って、古泉は触れるだけのキスをくれる。
「でも、そのうち、あなたが選んでくれたのは僕なんだから、それでいいんだと思えるようになった。あなたは僕が自分に正直にしたくらいじゃ、僕を嫌いになったりしない、本当にあなたに嫌われるような真似は僕にはどうやったって出来ないって、思えるから。…だから、好きに出来るんだよ。……あなたも、そう思ってはもらえない?」
「そう、って…のは……」
「あなたが何をしようと、僕はあなたを嫌いになれない。あなたが、僕があなたに幻滅するようなことをすることはまずありえない。僕はそう信じてる。……それでも、自分を見せるのは怖い?」
それはお前の方だろう、と言いたかった。
自分を見せてくれず、いつも仮面染みた顔しか見せてくれないのは古泉の方だ。
だが……俺も、そう、だったのか?
「隠さずに、見せて欲しい。あなたの慎ましやかな性格は知ってるけど、僕だけには、見せてもいいと思えない?」
じわりと涙が滲んだ。
生理的な涙とは違うそれを、古泉は優しく舐めてくれる。
その優しさに余計に涙が止まらなくなりながら、
「俺、だって、怖い、のに……」
「うん、分かるよ。僕だって、こうやって、敬語じゃなく喋るのは怖い。あなたのイメージを壊して、幻滅されたらって迷ったりもした。でも、嫌いにはならなかっただろう?」
「ん…」
「僕も、同じだから」
そう言って、古泉は熱を押し当ててくる。
ぬるりと触れてくるそれに、体が震える。
「こうされるの、嫌?」
「…や、じゃ、ない……です…」
敬語で答えるのは、この服装とシチュエーションの力を借りるためだ。
完全に素になったら、どうねだられたって無理だと言いたくなるようなことをするんだからな。
「じゃあ、気持ちいい?」
続けて問う古泉に、
「……ん、気持ち、いい…です。でも……もど、かしく、って……切なく、なる、から……早く…入れて、くださ……」
嬉しそうに笑って頷いた古泉が、
「愛してる」
と告げて、えらの張った頭を押し入れてくる。
「ひっ、ぁ…あ……、おおき、ぃ…のが、入って、……っ、気持ち、ぃ…!」
「どうしたい? ゆっくり入れる? それとも、一気に?」
「ゆ、っくり、して、ください…っ! ゆっくり、でも、いっぱいに、して…ぇ…っ……」
「ん」
じわじわと、体の中が満たされていく。
切なさも苦しさも打ち消すように、熱くなる。
「ぁ、入って、来る…! いっぱい、ん、なって、気持ち…っ、ぁ、やぁっ…! そこ、よ過ぎて、おかし、く、なるからぁ…」
「そんなに?」
こくこくと頷けば、古泉はそこで動きを止めた。
古泉は動いていないのに、勝手にひくつく体内の動きで、感じやすい場所が勝手に刺激され、自分が酷くいやらしいものになったような気がする。
「いやらしくても、好きだよ。……というか、僕も、普通にやりたい盛りの男だからね、」
そう言って、一度言葉を途切れさせた古泉は、はふはふと息を荒げている俺に向かって、
「むしろ、いやらしい方が、好き」
「ばっ…か…ぁあ…!」
「もっといやらしくなってよ。いやらしくなって欲しい。いやらしく、したい」
「これ、以上……?」
「うん、これ以上。もっともっと、いやらしくなって?」
無茶なことを言いながら、古泉はぐりとそこを押し上げた。
「ひあぁあ…!!」
「好きだよ。大好き。…あなたのことをいやらしくするのも、楽しくて困るね」
「っ、そん、なに……?」
「そんなに。…ごめんね? 変態で」
へらりと笑った古泉に向かって手を伸ばす。
「も…、一気に、奥、まで、欲しい、です…っ、早く、いっぱいに、して、ください…! キスも、して…?」
「喜んで」
その言葉と共に、一息に最奥を突き上げられて、
「やぁああああ…! す、ご…っ、や、いっぱい、ん、なって…苦しいのに…っ、気持ちいい、です…!」
「痛くない?」
「少しは、痛い、けど、でも…っ、ぁ、あ、だめ…っ、まだ、いきたくない、のに、いっちゃ…! やら…ぁ…」
「いきたくない?」
頷きながら、俺は古泉を抱きしめる。
すがりつく。
そうして、ぐちゃぐちゃになるようなキスをして、
「もっと、したい…、ご主人様と、…っこ、いずみ、と、ひとつに、なって、たい…!」
と答えれば、
「……可愛い」
囁いて、古泉が腰を使うと、目の前が白く明滅した。
「やらっ、ら、まだ…っ! ひあっ、あっ、や、な、のに…っ…」
「ごめん。こっちが止まれない」
感じやすい場所を痛いくらいに突き上げられて、それなのに気持ちよくておかしくなりそうになる。
「お、かしく、なる…っ、なっちゃ、い、ます…っ!」
「なって…。いやらしい姿を、僕に、見せて…」
そう、優しく囁かれたせいで達したとしか思えない。
びくびくと体が震え、俺は白濁を吐き出した。
その震えが納まるのを待って、俺は恨みがましく古泉を睨みつけた。
「ずるい…です……」
「何が?」
「…ご主人様の、声にも、弱い、の……知ってて、した、でしょう…?」
「そんなに弱い? ちょっと弱いのかとは思ってたけど…」
「……弱いですよ。ご主人様相手だったら、どうあったって勝てません」
「それはこちらの台詞だって」
と笑った古泉は、
「あなたには勝てません。だから、どうぞ、好きにしてください?」
「……好きに、って…」
「まだ、足りないんだろう? 違った?」
「……」
赤くなって押し黙った俺のためらいを打ち消すように、古泉は感じやすい場所を軽く擦る。
「ぃあ…っ」
「奥まで、突き上げる? それとも、嫌と言うほどここを責めてあげようか。どうされるのが、好き?」
「……激しすぎるのは怖くなる、ので、…優しく、して、ください…」
「了解。優しく、かつ、焦らし過ぎないように、ね」
楽しげに笑った古泉の唇が俺のそれに重なる。
「いつかは、こんなシチュエーションに頼らずに、素直に求めてくれるようになってほしいな」
と囁いた。

そんな日が来て堪るか!
……と思った俺は、甘かったのだと、俺はそれから数年の内に知ることとなった。