エロです
キョンが結構暴走…?
あと、未成年の飲酒シーンがありますが、よい子は真似しちゃいけませんよw
有希が和希と一緒に寝たいと言い出したので、素直に有希に任せ、先に寝させた。 手が空いた俺たちは、数日前に話していた通り、酒を呑むことにした。 というよりもむしろ、俺と一樹が酒を呑むと言ったから、有希が気を遣ってくれたんだろう。 ありがたくそれを受けさせてもらったのは、たまには一樹とふたりだけで過ごしたいと思わないでもないからでもあるし、有希に何か仕事を任せると有希が嬉しそうにするからでもある。 「さて、呑むぞ」 俺がそう言いながら買っておいた酒を出してくると、一樹が苦笑した。 「やっぱり買いすぎた気がしますね」 「別に、今日全部呑まなくてもいいだろ」 言いながら俺はチューハイの缶を手に取った。 一樹もまだ苦笑を浮かべているが、大人しくビールの缶をとる。 グラスなんて面倒なものはナシだ。 「一応乾杯するか?」 「そうですね。では――」 と少し考え込んだ一樹は、柔らかく微笑み、 「いつも育児に家事にと忙しいのに、優しくて笑顔を忘れない、僕の愛しい奥さんに、乾杯」 「……ばか」 顔を赤くしながらそう呟いた俺の缶へ、一樹がビールの缶を軽くぶつけた。 「愛してますよ」 「知ってる」 「僕も、あなたがちゃんと分かっていると知ってますよ。あなたが僕を愛してくれてるということもね」 本当に、素面の状態でよくこれだけ言えるもんだ。 呆れながら俺はチューハイをぐっと飲んだ。 「ふぅ…甘いな」 「口当たりがよくて呑みやすいからってあまり呑みすぎないでくださいよ? 少々酔っ払うくらいならいいですが、急性アルコール中毒なんてことになったら大変ですからね」 「そうなりかけたら、お前がちゃんと止めてくれるんだろ」 「そのつもりですけど、僕の方が先に潰れるかもしれませんから」 俺より強いくせによく言うぜ。 そのまま、講義がどうのとか、和希がどうのとか話しながら、酒を呑んだ。 「グラス、用意してもよかったかもしれませんね」 そう一樹が言ったのは、既にそれぞれ2つ、3つ缶を空にした頃だった。 「なんでだよ」 「一緒に呑むなら、そうやってお互いのグラスに注ぎあったりしても楽しそうじゃないですか」 「……ふぅん」 じゃあ、と俺は自分のためのチューハイの缶を手に取ると、一樹ににじり寄った。 「な、なんですか?」 ソファの隅に逃げる一樹の鼻先に缶をつきつけ、 「これ、開けろ」 「……はい?」 「俺のために、開けろ」 「……あの、あなた、酔っ払ってますよ…ね」 「んん…?」 酔っ払ってるんだろうか。 確かに頭が少しぼうっとしてうまく働かない気がするが、酔っ払うって程でもないだろう。 「もうよした方がいいですよ」 「…やだ」 「やだって…」 「それで最後にするから、開けて…」 言いながら抱きつくと、一樹が困ったような顔をしてため息を吐いた。 「本当にもう……絶対に他所では呑まないって約束してもらいたいくらいですね」 「約束するからぁ…」 「…約束ですよ?」 「ん」 一樹が俺より一回りは大きな手を缶にかけ、プルトップを引くと、ぷしゅっといい音がした。 「はい、開きましたよ」 「うん…さんきゅ」 缶を受け取っても一樹にもたれかかったまま、俺は酒を呑んだ。 「……なぁ」 「今度は何ですか?」 「お前って、ほんと、モテるよな…」 「そうでもないと思いますけど…」 謙遜は止めろ。 かえって嫌味だ。 「怒らないから、正直に言えよ」 「はい?」 「……浮気したことくらい、あるんだろ」 「……」 一樹はぽかんとした顔で俺を見た。 これはどういう意味なんだろうか。 本当に浮気してたのか? それとも、俺の言葉が意外過ぎたのか? 「いきなり、何言い出すんですか」 「答えろよ。一度くらい、浮気したんだろ」 「ないです。あり得ませんよ」 怒った顔をして、一樹はそう言った。 「何でそんなことを思ったんです?」 「…だって、なぁ」 俺は深いため息を吐いた。 「和希が生まれてから、忙しくてほとんどシてもないだろ。それに、お前ってかっこいいし、頭もいいし、優しいしで、女の子にはモテるし、教授連中にも目を掛けられてるんだろ? それだけ優秀だから、しょうがないかと思ったんだよ。隣りの奥さんも、お前のこと、褒めてたし、有希も和希もお前のことが好きだし」 じわっと涙が滲んでくる。 自覚したらそれは余計に止まらなくなる。 「な、泣かないでくださいよ」 「ご、めん…。…お前が、完璧だから、俺なんて…いらないのかなとか、思うし、俺じゃ、だめなんじゃないかとも、思うし、不安に…なるんだ…」 ぼろぼろ涙を流しながらそんなことを言った俺を、一樹が抱きしめた。 「嬉しいですよ。そんな風に思うくらい、僕のことが好きなんですね」 「ん、好き…。愛してるんだ……」 だからこそ、怖い。 自分が一樹の人生をだめにしてるんじゃないかと、思ってしまう。 「俺…本当に、一樹の奥さんで、いて、いいのかな…?」 「何を言うんです。あなたでなければ嫌です」 そう言った一樹が、俺の顔をのぞきこみ、 「お願いですから、いなくなったりしないでくださいよ?」 その言葉に俺は一瞬唖然とし、それからくすくすと声を上げて笑った。 「それ、俺が昔何度思ったと思ってるんだ?」 実際お前は一度いなくなろうとしやがったし。 「う、その…それについては、すみません」 「もういいさ。……お前もいなくならなかったんだから、俺がいなくなるわけ、ないだろ。安心しろよ」 そう言いながらキスしてやると、ソファの上に押し倒された。 手に持っていた缶から、酒が零れる。 「愛してます。あなたでなければ嫌なんです。あなただから、こうして一緒にいたいと思うんです」 「俺もだ…」 俺は一樹の頭を引き寄せ、その耳に、 「…なあ、部屋、早く行こう」 と吹き込んだ。 一樹が俺の体を横抱きに抱え上げる。 落ちないように一樹の首に腕を絡め、大人しく寝室のベッドの上に運ばれる。 「お前、本当に酒、強いな」 俺より空けたはずなのに、全然平気じゃねぇか。 「あなたが弱いんだと思いますけど、どちらにせよ、僕の方が強いおかげで、あなたのこんな姿が見られるなんて、嬉しいですね」 勝手に言ってろバカ。 俺は一樹の手を振り解いて、自分でシャツを脱ぎ捨てた。 ズボンも下着も一まとめに脱ぎ捨て、最後に残ったブラを外す。 何で俺が女性用の下着を身につけているかというと、和希が生まれる少し前から胸が膨らんだ上、母乳が漏れるため、それを吸い取るためのパッドをつけるために必要だからだ。 「不思議な感覚ですね。あなたに胸があって、しかも母乳が出るなんて」 そう言いながら一樹が俺の胸に触れると、白い液体がじわりと滲み出た。 「んっ、一樹…」 「はい?」 「胸、張って、苦しいから……吸えって…ぇ」 「……いいんですか?」 悪けりゃ、言わないだろう。 「でも、前に僕が冗談で、僕にも飲ませてくださいって言ったら殴ってきたじゃないですか」 「そりゃ、有希や和希がいるところで言ってくるからだろ。……出さないと、苦しいんだよ…」 言いながら一樹を引き寄せると、ベッドに横たえられた。 その唇に、乳首をふくまれる。 それだけで、声が堪えられなくなるほど感じた。 「あ、…っん、は…」 「相変わらず感じやすいですね。和希に吸われてもこんな風になるんですか?」 「ば、っか…。んなわけ、あるか…!」 「そうですね。もしそうだったとしたら、僕は和希にまで嫉妬しなくてはならなくなりますけど」 「嫉妬なんか、してんのかよ…」 「あなたは自分を過小評価する方ですから、分かってはくださらないでしょうけど、あなただって十分女性にモテるタイプですよ。僕が遊び相手として女性に好かれるとしたら、あなたは結婚相手として好かれるようなタイプですね」 胡散臭い話だ。 「もう、いいから…っ、もっと、吸えよ」 喋くってんじゃねぇ。 こっちは苦しくて切なくて堪らないんだ。 「分かりました」 そう笑った唇が、痛いくらいに母乳を吸い上げる。 「あぁっ、ん、んぅ…」 「甘いですね」 「はっ…そりゃ、そうだろうな……」 「ご自分で舐めてみたりしました?」 「手についたりしたらな」 「なるほど」 そう言った一樹が、反対側の乳首に吸い付いた。 そうしておいて、いきなり俺に口付ける。 合わせた唇が甘くて、驚く俺に、 「どうですか? 自分のミルクの味は」 「……エロビデオみたいな台詞言ってんじゃねぇよ…」 「すみません」 ちなみに感想は「甘い」だ。 「ねえ、胸だけでこんなに勃つくらい、感じたんですね」 手を股間に置かれた状態で、そう耳に吹き込まれて、俺は赤面した。 「し、仕方ないだろ! 久し振りなんだし、俺だって……したいって、思ってたんだから…」 「嬉しいです」 「はっ、あ、揉むなぁ…っ」 「イってしまいそうだからですか?」 「ん…っ」 「それなら、止めておきましょう。後で二人一緒に…ね?」 そう熱っぽく囁いた一樹の手が、脚の間に滑り込む。 「最後にしたのはいつでしたっけね」 「忘れた…」 本当にいつだろうな。 「僕もです。…ずっと、忙しくしてましたからね。いつもいつも、ご苦労様です」 「お前こそ…いつも、ありがとな」 本当に久し振りだってのに、ローションをまとった指が入り込んでくると、腰が震えた。 体はまだ覚えている。 もっと欲しいと、久し振りの感触を味わおうと貪欲にうごめいている。 「一樹…っ、早く……」 「だめですよ。ちゃんと解さないと、痛い思いをします」 「痛い思いなんて、怖くない…っ」 「でしょうね。…こんなに大きな傷が残って……」 と一樹が指を這わせたのは、俺の腹に残った帝王切開の痕だ。 「あなたには怒られそうですけど、この傷を初めて見た時、僕はあなたが僕の子供を身ごもったと知った時にあんなにも浮かれた自分を本気で嫌悪しましたよ」 「んアっ…、……な、んで…?」 「あなただけに、こんな痛い思いをさせてしまうなんてことを、考えもしなかったものですから。ただ、あなたとの子供が出来るということが嬉しくて、後のことなんて考えもしませんでした」 「…それは、俺も…っ同じだ」 最初こそ信じられなくて驚いていたし、戸惑いもしたが、同時に、嬉しくてたまらなかった。 一樹と一緒にいたいと願ったし、そうするための努力も覚悟もしていた。 でも、子供を残すことは出来ないんだと、そのことだけが一樹に申し訳なかったから、和希が出来て、無事生まれて、本当に幸せだ。 「あなた、本当に僕のこと、愛してるんですね」 「今更…っ、だろ…」 「僕も、あなたを愛してますよ。この世の何よりも、この世界よりも、あなたを愛してます」 その言葉が嬉しくて、それだけで幸せになるのも、俺が今酔っ払っているせいにしてやってくれ。 俺は手を伸ばし、一樹の体を抱きしめた。 「愛してる…から…っあ」 「早く欲しいんですね?」 こくこくと頷く俺に、一樹がキスをする。 同時に、欲しかった場所に待ち望んでいた感触を感じて、腰が揺れた。 「一樹…っ、早く、んん…!」 「全く…困った人ですね。そんな風に煽ったら、止まらなくなりますよ? ただでさえ久し振りで、歯止めが効かなくなりそうなのに」 「いい、から…っ、壊れそうなくらい、無茶苦茶に、して…っ!」 一樹は驚いたような顔をして、それから小さく笑って囁いた。 「了解しました」 その言葉通り、ずんと最奥まで突き入れられて、俺の体が跳ねた。 「――くっ、…ぁあああ……っ!」 「凄く、キツイですね…。やっぱり、久し振りだからでしょうか…」 「違…っ、お前の、なんか、…でかく、なってねぇ…?」 圧迫感が記憶にあるそれより大きい気がする。 俺がそう言うと、一樹はニヤッと笑い、 「ずっとしてませんでしたからね。僕も溜まってるんですよ」 と言いながら、抽挿を始める。 「あ、あぁっ、ん…っ」 口からは嬌声しか出てこない。 久し振りだとかそういうこと以上に、嬉しくて、気持ちよくて、どうにかなりそうだ。 「も、イく…っ、イくから…!」 「まだ早いですよ?」 「ん、しょうが、ねぇだろ…っ、俺も、…はっ、溜まってたん、だから…ぁっ!」 「もう少しだけ、我慢してください。僕も、もう少しですから…」 「…ん」 ベッドが軋むほど体を貫かれ、揺さぶられる。 頭の中が白く染まる。 染められる領域がどんどん広がっていく。 「ん、イきますよ…」 「イけよ…。俺も…っイきたい…」 奥を突かれ、キスをされ、前を扱かれ……結局俺は、どれでイったんだろうな。 間違っても、 「愛してますよ」 なんていう一樹の言葉のせいではないと信じたい。 朝になって目を覚ました俺は、本気でのた打ち回った。 広々としたダブルベッドはのた打ち回っても落ちないだけのスペースがある、なんてことはどうでもいい。 なんつうことをやらかしちまったんだ俺は! いつぞやの合宿の時みたいに、全部忘れちまえばよかったのに、見事に記憶がある。 いくら久し振りだったからって乱れ過ぎだ…! 今日は何があろうと一日不貞寝してやる。 腰も痛いし、今日は日曜なんだ。 誰にも文句は言わせん。 と思ったところで、どうやっても代われない仕事がある以上、俺がひとりで籠もっているなんてことは不可能なんだがな。 こんこん、とドアがノックされ、開いた。 「…おはよう」 と入ってきたのはふにゃふにゃ泣きそうになっている和希を抱えた有希だ。 「おはよう、有希、和希」 と俺が体を起こしながら答えると、有希は俺に和希を渡しながら、 「和希の朝ごはんの時間」 と言った。 「ああ、そうだよな」 頷きながら俺はシャツのボタンを外し、胸を出した。 ……というかなんで俺は自分のパジャマじゃなくて一樹のシャツを着せられてんだ。 いや、誰がやったかなんてことは分かっている。 あの馬鹿以外にはありえない。 それにしたってどういう趣味だ。 苛立ちながら和希に母乳を飲ませると、今日はぐずりもせずに乳首に吸い付いている。 母乳の出がいつもよりいいらしい。 ……その理由を考えると、再びのた打ち回りたくなるんだが。 嘆息しながら和希にミルクを飲ませ終え、げっぷをさせてやる。 本当に…一樹をどうしてやろうか。 いくら久し振りだからって、あんな何度も何度も……。 いかん、思い出してどうする。 それだけで顔が真っ赤になるというのに、そのタイミングで入ってくる、間の悪い男が一樹という奴なのだろう。 「おはようございます。体の具合はどうで…うわっ!?」 語尾が乱れたのはあれだ。 俺が枕を投げつけてやったせいだ。 顔面にクリティカルヒットしたのを見ると、なかなか爽快な気分になれるな。 「もう、酷いですよ」 文句を言っているくせに一樹の表情は緩みきっていて迫力の欠片もない。 かわりにこっちが渋い顔になりながら、 「お前の方がよっぽど酷い」 「そうですか?」 いそいそと近づいてくる一樹とは逆に、有希が和希を連れて出て行く。 娘にここまで気を遣われていいものかと頭を抱えたくもなるが、両親が喧嘩をしているところなど、和希に見せたいものでもないので、ここは甘えさせてもらおう。 「恥ずかしいからって人に当たるあなたの方がよっぽど酷いですよ」 「やかましい」 「それはそうとして、」 おいこら、勝手に話を切り替えるんじゃない。 「片付けと後始末はちゃんとしておきましたから、大丈夫ですよ」 その言葉で、再び顔が真っ赤になる。 羞恥と怒りにだ。 思わず言葉も失った俺を、一樹が腰への配慮もなく抱きしめた。 痛いっつうの。 「また呑みましょうね。勿論、ふたりきりで。適度に酔っ払ったあなたがあんなにも素直で可愛らしいなんて思いもしませんでしたけど、嬉しい限りです」 「い…」 「……い?」 いっそ殺せ…! いやむしろ、恥ずかしさで死ねる! 真っ赤になって頭を抱えた俺に、 「愛してますよ」 と一樹がキスを寄越したので、俺はその腹を思いっきり殴っておいた。 |