エロですよー
古泉がヘタレな乙男なりに頑張りましたので


























































ゆうき



ゲームセンターに行って、あまりのへたくそさに彼に笑われたのも楽しかった。
一緒に新しいボードゲームの購入を検討するのも楽しかった。
結局買いはしなかったけれど、ルール等を見比べながら真剣に話すだけでも。
食事もお茶も僕の趣味にあわせてくれたのが、中でも嬉しかった。
嫌そうな顔を隠しきれないくらい、僕の趣味に呆れているようなのに、付き合ってくれる優しさが嬉しくて、ついついわがままを言ってしまった。
それすら、許してくれる彼が愛しい。
愛されていることが分かって、胸が熱くなった。
それくらい楽しんだんだから、十分だと思った。
十分なはずだった。
それなのに、僕はどこまでもわがままになれるらしい。
「それじゃ、な」
名残惜しげに言って背を向けた彼を、そのまま見送れると思ったのに、出来なかった。
去っていこうとする彼を見ていると、それまでの楽しく暖かな気持ちが幻だったかのように、寂しく、心の中まで冷え込んでいくような気がした。
帰って欲しくない。
一人にしないで欲しい。
もっと、側にいたい。
そう、思ったことは分かった。
気がついた時には、僕は彼を抱きしめていて、自分でも驚いたくらいだった。
何をしてしまっているんだろう。
慌てながら、何も言えず、彼を解放することも出来ない僕に、
「…古泉?」
と彼が戸惑いの声を上げた。
「すみません」
言いながらも、手を離せない。
どう言ったらいいんだろう。
帰らないでくださいと、言ってしまっていいんだろうか。
いえ、すでに言ったようなものですけど。
でも、と躊躇いを通り越し、混乱したような状態になりながら、僕が口ごもっていると、彼は笑ってくれた。
優しく、柔らかく。
「なあ、今からお前の部屋に行ってもいいか?」
「え? …っ、ええ、勿論です。よかったら泊まっていってくださいっ」
思わずそう口走った僕を仰ぎ見て、彼は小さく声を立てて笑った。
「珍しいな。お前がそんな風に言うのって」
恥ずかしい。
でも、ほっとした。
許されることが嬉しい。
その理由が、彼が僕に寄せてくれる好意のためだと思えば、なおさら。
「大好きです」
子供みたいにそう言って抱きしめれば、
「分かってるから、ほら、早く部屋に帰るぞ」
と言われる。
何気なく選んだだろう言葉が、どうしようもなく嬉しい。
「はいっ」
答えて、僕たちは手を繋いで、僕の部屋に帰った。
途中で借りたDVDを見るため、と誰にともなく言い訳して、並んでソファに座る。
言い訳に使ったDVDは本当にただの口実にしか過ぎなくて、僕たちは互いに、悪戯でも仕掛けるように手を触れ合わせたり、体に触れることに夢中になった。
やがて、我慢をやめることにしたらしい彼がこちらを見たかと思うと、思わず引き込まれそうになる瞳をこちらに近づけてきた。
熱を帯びたそれに落ち着きをなくす心臓を軽く押さえられ、唇を重ねられる。
そのままするりと僕の膝に座った彼が僕を抱きしめて、恥ずかしそうに笑った。
「ああもう、妹とかには見せらんねぇな…!」
「あなたは、妹さんたちの前では、本当にお兄さんらしいですからね。僕にとっては、少し違いますけど」
「……わがままで甘ったれで、呆れてるだろ?」
拗ねるように言った彼に、分かりきっているくせにと笑いながら否定する。
「嬉しいですよ。他の人には見せないようなあなたの姿が見れるのも、あなたに甘えてもらえるのも」
「お前も、甘えろよ」
「甘えてますよ」
わがままで呼び止めて、外泊させているし、今だってこんな風に抱きしめて、貪るようにキスをして、これでどうして甘えてないなんて言えるだろうか。
「あなたには、甘えさせてもらってばかりです」
「もっと、言えよ」
駄々っ子のような口調で、彼は僕を調子付かせる。
「お前はもっとわがままになっていい。…俺の前限定で、だけどな」
「分かってます」
笑いながらキスをする。
柔らかな唇も、甘え上手な舌も、綺麗な歯も、甘やかですらある蜜のような唾液も、残さず味わう。
「ぁ……ん…ふ、ぁ…あ…」
彼の上げる、小さな喘ぎ声も舐め取って。
「…ねえ、いいですか?」
そう聞いた僕はきっと獣の目をしていた。
それでも彼は、怯みも怒りもしないで、僕以上に熱っぽい瞳を見せてくれる。
「ん…」
かすかに動いた喉に噛み付くようにキスをする。
シャツを肌蹴て、鎖骨をなぞる。
「あ…っ、ん、古泉…ぃ…」
甘い声に気をよくしながら、その肌を味わう。
もどかしくシャツのボタンを外して、素肌をさらさせると、彼が拗ねたように眉を寄せながら、僕のシャツに手をかけた。
「脱がせてくれるんですか?」
「ん、これくらい、させろ…」
とろんとした声で言いながら、彼は震える指でボタンを外そうと苦心するのだけれど、うまくいかない。
「っ、ああもう! お前、ちょっとじっとしてろよ! 脱がせてる間くらい、おとなしくしてろ!」
怒ったように言う彼に、
「すみません」
と謝りはしたけれど、
「止められませんよ。…あなたが、そんなにも可愛いから……」
「可愛い、言うな…! っあ、んん…っ……」
体を歓喜に震わせる彼の腰を撫で付けて、肩に口付ける。
僕を脱がせることを諦めたらしい彼は、僕にしがみつくような形で抱きついてくる。
体に押し当てられる熱に、無自覚に揺れる腰に、興奮が高まる。
「舐めてくれます?」
と指を口元へ持っていけば、彼は笑った。
「やってやる」
強がるように言いながら、喜んでくれていると分かる。
一方的に気持ちよくされるだけでは嫌なんだと彼は言っていたことがある。
それは本当にそうなんだろう。
少しばかり意地の悪いことを要求しても、彼はむしろ喜んでくれるから。
今も、彼は目を細めながら僕の指を舐めてくれる。
くすぐるようにしてみたり、甘噛みしてみたりと、楽しんでいる様子すら伺える動きに、止められなくなる。
それでも、ほどほどで彼は指を解放した。
潤んだ瞳で僕を見つめて、
「これくらいで、十分だろ…? だから、…早く……」
「早く、なんですか?」
意地悪く聞けば、彼は僕の耳に噛み付いて、鋭い痛みを与えておいて、甘く囁いた。
「…入れろって…分かってんだろ」
「痛いですよ…」
「うるさい。もう一回噛み付いて欲しいのか?」
「止めてください」
笑ってそう言いながら、彼の望む通りにすると、シャツをきつく掴まれた。
「痛みます?」
「ちが…っ、ぁ、…」
首筋まで淡い桃色に染まった彼が憎らしげに僕を見つめる。
可愛い。
愛しい。
「好きです…」
囁くと、彼はこくこくと頷いてくれる。
全身を上気させて、しがみついてくる様は、とても愛らしくて、健気さすら感じられるのに、
「っ、もう、焦らすなぁ…!」
と声を上げて、誘う様は妖艶ですらある。
そればかりか、
「……もう、いいから、抜けっ」
と言って僕を押さえ込んだ。
「え、あ、あのっ?」
「焦らそうとしてるんじゃないってことは分かる。俺のためにしてくれてるんだろうとは思う。思うが、頼むから、分かってくれ。こっちとしては堪えられん」
そんなことをまるで諭すように言いながら、彼は腰を浮かし、僕のものに手を添えると、それを躊躇いもせずに押し当て、飲み込んでいく。
「っ、ん、あ、…あぁ……」
吐息と共にこぼれる声が甘く響く。
震える喉に、伝い落ちる汗に、見入った。
「全部、はいった…か…?」
痛みや圧迫感にではなく、悦びに声を震わせる彼は、淫靡ですらある。
その姿も、存外快楽に貪欲なところさえも、何もかもが愛しくて、
「入ってますよ。…とても、熱くて、とろけそうです……」
「お前、こそ、…熱い…」
そう笑った彼に口付ける。
落ち着くのを待とうとした僕を嘲笑うように、彼は腰をゆるゆると浮かし、また沈める。
緩やかな快感に、愛しさと熱とが募る。
「はっ……あ、だめ…だ……」
くたりと彼は僕にもたれかかったかと思うと、耳元で柔らかく、
「…思ったより、動けんから……お前が、動け…」
「大丈夫です?」
「んっ…。と言うか、このままの方が、辛い、から……」
「分かりました」
とキスをして、彼の腰を捕らえる。
それだけで彼の腰がしどけなく揺れる。
「アっ……あ、はや、く…突き上げて…」
艶かしい声に突き動かされるように、最奥を突き上げると、
「ひあぁっ…!」
と悲鳴染みた嬌声が上がる。
それすら、可愛らしくて、愛しくて。
滅茶苦茶にしてしまいたいのか大切にしたいのか分からなくなりながら、彼の感じる場所、だからこそ彼が嫌がるような場所を強く擦りあげると、達したのかと思うほどのぬめりが下腹を濡らす。
溢れた先走りを指ですくい上げて舐めると、彼が大きく目を見開いて、
「…ば、か! 舐めんな…ぁっ、そ、んな、もんん…っ」
「したいようにしていいって、言ってくださったのはあなたでしょう?」
悪戯っぽく笑ってそう言えば、彼は怒ったように肩に噛み付いてくる。
その痛みにむしろ感謝したくなるのは、もう余裕がないからだ。
もっと長く繋がっていたいのに、彼の中は狭隘で、いくらも我慢出来なくなってしまう。
そんなことを知られれば、「さっさとイけばいいだろ」とまた怒られるだろうから、黙っておくけれど。
痛みで気を紛らわせながら、存分に彼を味わって、彼の中に放つと、彼もまた白濁を吐き出していた。
僕が抜こうとするより早く、彼は僕を抱きしめて引き止めると、耳元で優しく囁いた。
「…好きだ。…好き……好きだから…まだ…もう、少し……っ…」
嬉しそうに、幸せそうに何度も囁く彼に、みくるさんに相談してよかったと思ったのだけれど、それを言ったらまた機嫌を損ねるんだろうな。
…一体、どうしたらいいんだろう?