自重してないエロです
このシリーズのキョンと古泉が二人揃って、
立派な変態になっちゃったことをご理解の上、覚悟してお読みください
コスプレ(性的な意味で)が好きな方は過度な期待をせずにお読みください
この夏休み二度目のアルバイトはなんと、メイド喫茶の宣伝のバイトだった。 というわけで俺は、本来なら店内に留まっているはずの本職(?)メイドさんたちに成り代わり、ふりふりしたゴスロリ系メイド服で商店街に突っ立っているわけである。 アーケードのおかげで熱線にさらされないことをありがたく思いつつも、人通りの多さ、さらされる視線の多さにげんなりしてくる。 もし万が一にでも、男とばれたりしたら確実にメイド喫茶も潰れるんだろうなと思いながら、一応声など作ってチラシを配っていると、隣りで執事服を着て俺を手伝っていた古泉が小さく笑ったのが聞こえた。 「なんだよ。何がおかしかったんだ?」 少しばかり人通りが途絶えたのを確認してそう聞くと、 「いえ、なんでもありませんよ」 「なんでもないのに笑うのか、お前は」 正直に言ってくれた方がまだ不気味じゃなくていいんだが。 「それでは申し上げますが……」 そう言って古泉は内緒話めかして俺に耳を寄せると、 「実に真面目にされるものだと感心したのと、そうして声を作ったあなたも可愛らしいと思ったまでですよ」 「っ…」 くすぐったい言葉をくすぐったい位置で囁くんじゃない! 「あなたが言えと仰ったんでしょう?」 くすくすと笑いながら、古泉は軽く俺の髪を撫で、 「メイドと執事、というのはオフィスラブって言うんですかね」 「……おま、え、なぁ…!」 「お気に召しませんでしたか?」 「そういう問題じゃないだろ」 それとも何か、やりたいと言えとでも言うつもりか。 「…あなたがしたいんでしたら、僕はいいですよ?」 「……」 どうしようか、って何で俺は検討してんだろうね。 すっかり趣味嗜好がおかしくなってる気がするんだが、間違いじゃないんだろうな、残念ながら。 どうしたものかと考えている間に、また人通りが増え始め、俺たちは慌てて仕事に戻った。 ――までは、よかったんだが。 「あ、あのー……?」 俺は精一杯に作った声と作った笑顔で軽く小首を傾げた。 引きつっていたとしても咎められたくはない。 何故なら、チラシを渡そうとした手を思いっきり握り締められたからだ。 というか、息、鼻息、荒いって。 「どうかなさいましたか?」 古泉が親切ごかしに言っているが、警戒心も丸出しだ。 分かり易すぎるだろう、お前。 で、そのはぁはぁ言いながら俺の手を握っている野郎はと言うと、 「さっき店の方に行ったんだけど、君が一番可愛いよねェ。いつになったら店に戻るのかなァ?」 「えぇと……申し訳ございませんが、私は本日こちらでチラシ配りをするように指示されておりまして、」 「いいじゃん、チラシ配りなんて。ほらァ、店に戻ろうよォ」 うげ、気持ち悪。 強引に引っ張ろうとするんじゃねぇよ。 汗ばんだ手が気色悪いことこの上ない。 「申し訳ございません。私の一存では…」 というかこいつ、人の話し聞く気ねぇよな。 どうしたもんか、と思ったところで、古泉がそいつの、ではなく俺の肩を軽く掴んだ。 「申し訳ありませんが、彼女は店のメイドではございませんので、接客は諦めていただけないでしょうか」 「何だとぉ!?」 相手が古泉だからか、そう怒鳴る野郎に古泉は笑顔のまま、 「彼女は、僕専属のメイドさんですから。…ねぇ?」 と俺を上向かせ、俺の唇を奪った。 突然のことで野郎が唖然とした隙に、俺の手を取り戻し、俺を保護するようにしっかりと抱きしめると、 「彼女に手出ししたら、腕の一本や二本じゃ済まされませんよ?」 と極上の笑顔で脅した。 ヤクザにぶつかっちまったみたいな顔をした失礼な野郎はそのまま逃走し、俺は周囲のざわめきと好奇の目の中で、小さくため息を吐いた。 「…すみません。ちょっと強引過ぎましたか?」 大胆なことをやらかしておいて、心配そうに言った古泉に俺は苦笑しながら手を伸ばし、 「口紅が付いてますよ、ご主人様?」 と唇を指先で拭ってやった。 古泉は一瞬目を見開いて俺を見つめた後、 「……イイですね。凄く」 「ばーか。変態か、お前は」 そうからかってやると、 「変態でもなんでもいいですよ。どうであっても、あなた専属ですから」 それを言うなら俺は古泉専属の変態に違いあるまい。 「そんなに言うなら、してやろうか?」 「何をです?」 きょとんとして聞いてくる古泉の耳に唇を寄せ、 「ご、ほ、う、し」 とねっとりと囁いてやると、古泉が真っ赤になった。 可愛い。 こいつは俺のことを可愛いとか綺麗だとか言うが、自分の方がよっぽど可愛いってことにはどうあっても気付いてくれないのかね。 俺はにやにや笑いながら、 「うん、決まりだな」 「な、何言ってんですか…! 大体、それ、借り物じゃ…」 「違うぞ」 俺の衣装は長門が作ってくれたものだからな。 同じに見えても生地や縫製が店の制服とは全然違う。 「長門さんも…スキルアップが激しいですね……」 ほとんど関係のないことに驚いているのは、混乱しているからだろうか。 「そういうわけだから、汚しても洗えばいいし、少々痛んでも長門が直してくれるぞ」 「…って、本気なんですか!?」 「助けてくれた礼にそれくらいしてやってもいいかと思ってな」 この前は海でも助けてもらったし。 「いえ、それは当然のことですし……」 「なんだ? お前、そんなに固辞するってことはして欲しくないってことか?」 「え? …い、いえ……そういう、訳じゃ…」 しどろもどろになる古泉は、ある意味非常に正直だ。 「それじゃ、楽しみにしてろよ」 そう言ってから、俺は違うな、と呟いた。 「何が違うんです?」 「台詞」 どう言うべきかな。 やっぱりここは敬語だろうか。 「昼間のお仕事が終ったらちゃんと御奉仕しますから、楽しみにしててくださいね、ご主人様」 頭が沸いたとしか思えない言葉を作った声で囁くと、古泉は赤くなってしゃがみこんだ。 ……別にいいが、とりあえず今はちゃんと働けよ? 衣装を持って帰って洗濯する旨を伝えたところ、長門は意味ありげに一度古泉を見た後、俺に視線を戻して頷いてくれた。 全てお見通しということだろうか。 しかし、長門に関してはそんなのは今更だから気にするまい。 古泉の部屋に上がりこみ、バイトでかいた汗をシャワーでざっと流した後、再びメイド服に着替えてやる。 化粧は薄めに、それでもしたのは、そうでなければ女になど見えないからだ。 可愛い服を着ているのに女に見えないんじゃ服を作ってくれた長門にも申し訳ないからな。 そうして出来上がった状態で居間に戻ると、古泉が夕食を作っている最中だった。 中華なべを振るっているところからして、どうやら今夜は炒飯らしい。 調理中にもかかわらず、いかにもうまそうだ。 「俺も少しくらい料理を覚えるべきかな…」 「どうしたんです? 突然」 「いやな、ご主人様と呼ぼうにもそうやって料理されてちゃなぁ?」 俺が言うと、古泉はなんとも言いがたいような顔で言った。 困り果てているような、嬉しがっているような、照れているような、複雑な表情だ。 「……ねえ、夏のせいですか? 最近、妙にそっち系のスイッチが入りやすくなってません?」 そんなことはないと思うが、そうだとしたら夏のせいじゃなくてお前のせいだろうよ。 お前が自重出来ないせいでこっちまで引き摺られてるんだ。 「都合の悪いことは全部僕のせいですか?」 「都合のいいことも、お前のおかげってことにしておいてやる」 それならプラマイゼロだろ。 「そういう問題なんでしょうか」 ため息混じりに呟きながら、古泉は溶き卵を鍋の中に流し込む。 そうして出来上がった炒飯は、本当に見事な出来映えで、俺は至福と言っていいような心持ちでそれを味わったのだが、古泉としてはどこか不満げな様子で、 「冷ご飯があったので炒飯にしてしまいましたけど、その服装には合いませんでしたね」 と呟いた。 「別に構わんぞ」 大体、この服装に合わせるとしたら一体どういう料理になるんだ? 「そうですね…。メイドというイメージで行くとやっぱりヨーロッパ、それもイギリスでしょうか」 「それは勘弁してくれ」 「どうしてです?」 「イギリスは料理がまずいので有名だろうが」 俺がそう言うと古泉は明るく笑って、 「それは偏見ですよ。それから、文化の違いですね。ちゃんとアレンジしたら、日本人にも美味しいものはいくらだってあります。しかし、イギリスでも高級料理となるとその源流はフランス料理であることが多いそうなので、そちらの方がいいですかね」 どうせならそっちにしてくれ。 手間と材料費がかかりそうだがな。 「あなたのためなら、いくらでも」 そう言った古泉は、インスタントのわかめスープを作り、炒飯に添えてくれた。 「……もう少し胸があって、腰が細くて、尻が丸くて、脚が綺麗だったらな…」 俺がぼそりと呟くと、古泉は大きな音を立ててレンゲを取り落とした。 「い、いきなりなんですか!?」 「いや、そうしたらチャイナドレスでも着てやるのにな、と思っただけだ」 そうしたらお前が作る絶品の中華が食えるだろ。 「…別に、中華くらいいつでも作りますよ? 寒くなってきたら、肉まんでも作りましょうか」 「いいな、それ。楽しみだ」 「あなたがそうして笑ってくださるなら、いくらでも作りますよ。好きなだけリクエストしてください」 そう古泉が嬉しそうに笑うものだから、危うく本来の目的を忘れるところだった。 が、食事を終え、せめて洗い物だけでもと思い、食器を洗い始めてから思い出した。 自分の服装の意味に。 …いや、それを忘れるくらい古泉の飯がうまかったんだ。 俺は悪くない。 きゅ、と蛇口を閉め、タオルで手を拭いた俺は、ソファに座ってコーヒーなんぞ飲んでいた古泉ににじり寄った。 そうして、その背後から耳元に唇を寄せ、 「ご主人様」 とうそ寒いことを囁きがてら、耳に息を吹き込んでやると、古泉が飛び上がらんばかりに驚いた。 「っ…! や、やっぱり本気、なんですよね…?」 「嬉しくないのか?」 「そりゃ…嬉しいですけど……」 「なら、問題ないだろ。……どうしたい? ご主人様とメイドプレイか? それとも、」 執事とメイド、と言いかけて俺は止めた。 執事とメイドなんて、つまらん。 本当の主人の目を盗んでこそこそとするしかないなんて、そんなシチュエーションは俺達には必要ない。 堂々と恥ずかしげもなくいちゃつけばいいだろ。 「とりあえず、敬語は外せないよな。お前はどうする? たまには敬語無しで話してみるか?」 「いえ、いいですよ、このままで」 そうかい。 それじゃ、 「どうしますか? ご主人様。…このままここで? それとも、寝室で?」 主を誘惑するいやらしいメイドみたいに言ってやると、古泉の喉が鳴るのが聞こえた。 「本当に……困ったメイドさんですね。まだ夜も早い時間帯ですよ?」 そう言いながら古泉が俺を引き寄せる。 ぞくぞくするものを感じながら小さく忍び笑いを漏らし、 「申し訳ありません。でも、我慢出来なくて…」 「ええ、そうみたいですね」 かすかに声を立てて笑った古泉が、スカートの上から俺の中心を押さえつけた。 ほんの少しだが反応しているそこに触れられると、羞恥と与えられた刺激で体が震えた。 「ぁ……だから、焦らさないで、ください…」 「焦らして欲しいんじゃなかったんですか? こんなに厚着をして…」 そう言った古泉が複雑な構造をした服の上に視線を這わせる。 「厚着は…関係、ないです…。このまま…っ、脱がさなくて、いい、ですから…ぁっ…」 「脱がさないと、あなたの触れて欲しいところも見つけられませんよ? 触って欲しいんでしょう? 胸に」 「さ、わって…ください…。服の、上からで、いいから…」 「服の上からでは、見つけ辛いんですけどね。…それとも、あなたが教えてくれますか? どこにあなたが気持ちよくなる突起が隠れているのか」 「え…」 「出来ません?」 問われて、俺は数瞬の躊躇いの後、小さく頷いた。 「じゃあ、教えてください」 俺は鉛みたいな指を持ち上げて、 「ここと…ここ、です…」 とそこに触れて示した。 「分かりました」 くすりと笑いながらそう言った古泉の指がそこに触れる。 触れるという意味でなら、自分でするのと変わらないはずなのに、それだけで腰が砕けるかと思った。 古泉の手に何か仕掛けでもあるのかと疑いたくなるくらいだ。 「あっ、ん、もっと、…強くして、いいですからぁ…」 「抓み辛いんですけどね」 言いながら古泉がそこに触れていた指を親指と人差し指から、人差し指と中指に変え、その中ほどで挟み込むようにしてそこを抓んだ。 それだけで、電流でも流されたかのような強い刺激が走る。 「ひあぁ…!」 「痛かったですか?」 「少し…だけ……」 「それはいけませんね」 そう言って古泉は指を放してしまったが、俺が抗議の声を上げるより早く、そこに口付けた。 何枚も布を隔てたその感覚はいつもより遠くて、寂しく感じたのだが、すぐにそこを吸い上げられ、 「ふあ…っ」 と声が上がった。 「気持ちいい、ですか?」 「は…い……、気持ちいい、んっ……です…」 「考えてみたら、あなたはいつも感度が良すぎるくらいいいですからね。こうして布越しの方がいいのかもしれません」 揶揄するように笑った古泉には悪いが、そういう意味でならこの服は逆効果だと言わざるを得ない。 なぜなら、普段と違うシチュエーションに煽られた上に、普段より遠い感覚を補うように、体が鋭敏になっている気がするからな。 俺の胸に、時々わざと場所をずらしながら口付けていた古泉の手が、コルセットをした腰を通りすぎ、腿を通りすぎて膝近くにまで下りてきた。 膝の半ばにガーターベルトで止められた靴下の縁をなぞるように、その指が触れる。 「そんな…ところじゃ、なくて……」 もっと直接的なところに触れて欲しい、というのはどう言うべきなんだろうか、と思いながら訴えると、古泉は薄く笑い、 「じゃなくて? どこに触って欲しいんです?」 「ですから……っぁ、んん…!」 「ちゃんと言ってください。そうじゃないと、分かりませんよ?」 意地悪に言った古泉は、俺から言葉を引き出そうとするかのようにガーターベルトをなぞる。 ギリギリきわどいところの近くまで指は来るのに、それ以上は触れてくれない。 もどかしさに泣き出しそうになりながら、古泉の耳元で小さく、口にするのもはばかられる名称を口にすると、 「分かりました」 という声と共に、窄まりに指で触れられた。 薄手のとはいえ下着越しの感覚に、もどかしさは募るばかりだ。 「でも、あなたにもっと気持ちよくなってもらうには、足りないものがありますよね?」 「ぁ……」 「さて、それはなんでしょうか」 にこにこと笑いながらそんなことを言う古泉を睨んではみたが、迫力など欠片もなかったに違いない。 そんな風にされてなお悦んでいる自分に気付かない振りさえ出来なかったくらいだからな。 「…ローション、ですか」 「そうです。…取ってきてくれますか?」 本当なら古泉から離れたくなかったのだが、そんな風に言った以上、ローションなしで進めてはくれないのだろう。 「畏まりました」 と頷いて、俺は古泉から離れた。 そうしてふらふらと寝室に向かうと、そのベッドの下にこっそりと隠してあるローションのボトルを手に戻る。 戻りながら、もしかして古泉を誘って寝室に行けばもう少し早かったんじゃないのかと思ったが、今更遅いだろう。 「これでいいですか…?」 熱に浮かされたような気持ちになりながらそう聞くと、古泉は笑って頷き、 「ええ、ご苦労様です」 「いいえ…。…ねえ、ご主人様……早く…」 「それでは、そこに立ったまま、スカートを持ち上げていただけますか?」 「は、い…」 答えて、俺はスカートを持ち上げる。 裾を摘んで少しずつ、なんてことをする余裕もない。 何枚も布を重ねられて厚みを増したスカートの中に手を入れて、邪魔にならないように腰まで持ち上げ、落ちないように押さえこむ。 「おや」 と古泉が声を上げたのは、スカートの中にはいていた下着に気がついたからだろう。 それは先日ハルヒが買って俺に押し付け、その後古泉の白濁塗れにされるという哀れな目に遭った紐パンだった。 「どうしたんです? 最初から期待して用意してたんですか?」 なんてことをニヤニヤしながら聞いてくる古泉に、 「た、たまたまです! たまたま、荷物の中に入れてたから…だから……」 「風呂上りに、こうされることを期待して、身につけたわけですね」 そう言いながら、古泉は片方の結び目を解いた。 そうされれば、しっかりと固定されたままのガーターベルトをものともせず、簡単にそれは乱され、隠すべき場所を露わにしてしまう。 「い、けません、か…? 期待、しては…」 羞恥に震えながら口にすれば、古泉は柔らかく俺の頬にキスをして 「いいえ、嬉しいですよ」 と囁いた。 それを聞いて思うのは、やっぱり古泉のせいだ、ということだ。 古泉がそうして受け入れてくれるから、俺はどんどんエロくてどうしようもなくなるに違いない。 「ご主人様が…っ、こうしたんですから、責任、取ってください…」 俺に見せつけるように手の平にローションを広げていた古泉は俺が言うと、一瞬手を止め、それから微笑した。 「ええ、勿論です」 「…どんなに、なっても……大丈夫、です、か…?」 「はい。だから、安心してください」 そう言って、古泉は俺を安心させるようにローションのついていない手で俺を抱きしめた。 それだけで、泣きたくなるほど嬉しい。 「好きです…っ、愛してます…!」 「僕もです」 毎日のように口にしているのに、足りないくらい、愛してる。 ただその足りないというのは満たされないという意味ではなく、もっと言いたくなるという意味でだ。 両手が塞がっているのを憎らしく思いながら、俺はせめてと古泉の膝に乗る。 そうして、頭を古泉の肩に預けると、ローションを待ち望んでいた場所に塗りつけられた。 「っ、ん、ぁ……焦らさ…ないで、くださ…っ、ひ、ぅ……」 つぷりと簡単に入り込んだ指が俺の中をくすぐり始めると、どうしようもなく腰が揺れた。 そんな場所に鋭敏な神経など走っていないはずなのに、古泉に愛されることに慣れた俺の体はもっともっととその刺激を追い求める。 「凄いですね。…中、とても熱くなってますよ。それにぴくぴく動いて…。そんなに、して欲しかったんですか?」 「んっ……そう、です…ぅ…」 「僕も、ですよ」 そう言った古泉が俺の中にもう1本指を押入れ、俺は声を上げて仰け反った。 「僕もそろそろ苦しくなってきたので、出していただけますか? あなたの手で」 「あ……はい…」 生唾を飲み込む音を聞かれなかったかとびくつきながら、古泉のズボンに手を掛ける。 手を放したせいでスカートが下りることになったが、既に指が侵入を果たしているから構わないんだろう。 休みなしに動き回る古泉の指のせいで言うことを聞かなくなってきた自分の指先を叱咤しながら、前を寛げると、狭苦しい場所からそれが顔を出した。 そっと指で触れると震えるそれに、じっと視線を注いでいたからだろうか。 「自分で入れたいんですか?」 と聞かれた。 それはどうだろう。 これまでにしたこともないからよく分からん。 「分からないから……試してみても、…っは…いい…ですか…?」 そう聞くと、古泉は頷き、 「どうぞ」 と言うと共に指を引き抜いた。 その物足りなさを埋めるように、俺は古泉のものをそこに押し当てた。 自分の手でそのサイズを実感したからだろうか。 それを飲み込んでしまえると言うのが嘘のようで、体が竦みそうになる。 「大丈夫ですよ。ゆっくり、腰を下ろしてください」 そう優しく言い聞かされて、俺は小さく頷き、腰を下ろした。 じわりと感じる痛みと熱に、ぞくぞくとしたものが背中を駆け上がる。 そのせいで脚から力が抜け、そのまま一気にそれを飲み込んでしまった。 「――っ、あ…、は……入っちゃい…ました…」 痛みになのか何なのか分からない涙が目尻に滲むが、 「大丈夫ですか?」 心配そうにのぞき込む古泉に、笑って頷いた。 その喉が大きく上下したように見えたのは、見間違いだろうか。 「大丈夫です…けど……ちょっと、これ以上は……無理…だから……ご主人様が…動いてください…」 「…喜んで」 そう言った古泉が、ソファのスプリングを利用して軽く上下に揺らすと、それだけで視界が明滅した。 深い結合と奇矯としかいいようのないおかしなシチュエーションが、いつも以上に感じさせる。 「あっ、ぁ、ああ…っ、も、っと……して…くださ…! ひ、あぁっ…!」 恥ずかしげもなく声を上げて縋りつけば、古泉は俺の望むようにしてくれる。 激しく突き上げられる程に、意識が飛びそうになる。 それを堪えながら古泉を抱きしめ、唇を求める。 やがて、 「もう…イきますよ…」 呻くように言った古泉に頷いて、 「イって…中に、出してください…っ、あぁ、ん、んぅ…! 俺も……もう…!」 一際強く突き上げられた快感で、俺も黒いスカートの中を白く染めた。 半ば力の抜けた体で古泉を抱きしめ、そっと囁くのは、次をねだる浅ましい言葉で。 でもそれも、古泉が頷いてくれると分かっているから囁けるものなんだろう。 それならいいだろうと俺は小さく笑った。 そうして俺たちはメイド服どころかソファまでぐちゃぐちゃに汚して、後で片付けに苦労する破目になったのだった。 |