エロですよー
このシリーズの古泉を奥手な子だと思ってる人は見ない方がいいかもしれないです
奴はどちらかというとむっつりスケベです←















































Jキョンの夏休み #5
  映画館デート



今日は朝から雨が降っていた。
夏らしい土砂降りの雨ならまだ、ハルヒだって喜んだかもしれないが、今降っているのは、どちらかというと梅雨を思い出させるようなしとしととした静かな雨だった。
そんな天気だというのに、俺は昼前から家を出た。
別に、買ったばかりのレインブーツと傘を使いたかったからとか、そういう理由じゃない。
単純に、天気が悪いからとハルヒが昨日に続けて活動休止を宣言し、これ幸いとばかりに俺と古泉がデートをすることになっただけだ。
ハルヒからメールが来たと思ったらすぐに、古泉から電話が入った。
『今日、デートしませんか?』
「そうだな…」
気のない返事のような声しか出なかったのは、俺がまだいくらか寝とぼけていたからだ。
『この天気ですから、映画でもどうです?』
「映画か」
夏休みだから話題作にも事欠かないだろうな。
適当に出かけて行っても困らない気はする。
「……趣味の悪いホラーだのスプラッタじゃなかったら、行ってやってもいいぞ」
デートに誘われたからと、すぐさま飛びつくのはなんとなく癪で、俺はそう尊大に言ってやったのだが、古泉は気にした様子もなく、
『分かりました。では、作品はあなたが選んでください。僕はあなたといられればなんでもいいんですから』
と返しやがった。
こういうところが恥ずかしいんだよな、と思いながらもこのくすぐったさは悪くない。
それから俺たちは待ち合わせの時間と場所を指定し、電話を切った。
天気が悪いからと言ってこっちまで気が滅入るような服を選ぶまでもあるまいと、あえて明るい色彩の、それも露出の少し多い服を選ぶ。
太陽が出ていない時くらい、ついでに言うなら屋内デートの時くらい、紫外線対策の上着にかかずらわされたくないからな。
ふわふわしたシフォンブラウスをぴったりしたキャミソールに重ね、大きなフリルのついたミニスカートを重ねてやる。
それから、と俺はデパートの小さな紙袋を凝視した。
一昨日買い物に行った時、ハルヒが俺に買い与えたものを、皆さん覚えておいでだろうか。
いや、忘れているならそれでいいんだ。
その紙袋には、そのまま買い上げたブツが入っていた。
「はいて…行くべきか?」
映画館に行くだけならはいて行ったところで意味はない気もするのだが、そのまま古泉の部屋に行く可能性も大いにあり得る。
そもそも、こんなものをはいて行くのは、はっきり言って期待してますと主張するようなものじゃないか。
それは恥ずかしい。
だが、それならば余計に古泉の部屋に行くだけ、という日にはいて行くとあからさまになりすぎるだろう。
それくらいなら、気付かれない可能性を見込んで今日はいて行った方がマシだ。
俺は紙袋からそっと恥ずかしすぎるブツを取り出した。
プレゼント用に可愛らしくラッピングされた包み紙を開け、包み紙と同じくらい薄くて頼りない物を取り出した時に、ごくりと喉が鳴ったのは男のサガというやつだと思ってくれ。
ベッドに座って、はいていた男物の下着を脱ぐ。
それから、ミニスカートをまくり上げ、腰まで露出させる。
自分の部屋で実に変態臭いと思いはする。
が、そうしなければ付けられないのが紐パンというやつなんだから仕方がないだろう。
少し腰を浮かせ、後ろに当たる部分を敷き込む。
それから、前の布を起こすようにして宛がい、体を捻って横についた紐を結んで、やっと一息吐けた。
女性用下着の頼りなさには慣れたつもりだったが、これは数ある下着の中でも一番頼りないんじゃないのか。
出来るだけこの下着のことは忘れていよう、と決めて手早くスカートを直した。
それから気を取り直して化粧に取り掛かり、少し甘めのそれが完成したところで、やっと準備完了だ。
遅刻ギリギリになりながら待ち合わせ場所である映画館の入り口に行くと、古泉が鬱陶しい天気にも関わらず、いつもながらの爽やかな笑みを湛えて待っていてくれた。
「すまん、待たせた」
「いえ、大丈夫ですよ。時間ぴったりです」
そんなこと言いながら、どうせこいつはもっと早く来ていたんだろうな。
「今日は僕も結構ギリギリでしたよ。…あなたに早く会いたくて、準備する時間も考えずに時間を指定してしまいましたからね」
本当か嘘か怪しいなと思いながら、
「たまには、お前が遅刻して来い」
「そんなことを言って…」
と苦笑した古泉は、
「本当に僕が遅刻なんてしたら、たとえそれが一分程度であったとしても、あなたは心配するんでしょう? ほんの短い間でも、あなたに無駄な心配をかけたくないんですよ」
囁かれた声がくすぐったい。
このまま真っ赤になってしまいそうになった俺は、
「ほら、さっさと入るぞ。どの映画見るんだ?」
と誤魔化しながら古泉の手を引っ掴んで館内に入った。
時間帯の都合で適当に選んだ映画は、それにしてはなかなか面白かった。
――のはいいんだが、女装初心者なのがまずかったのか、俺はついうっかりと、映画館の空調のことを忘れていた。
薄着のせいでえらく寒く感じられる。
いつもなら持っているはずの上着も忘れ、おまけにブランケットを借りることも忘れたせいで凍えそうだ。
露出した腕は鳥肌が立ち、ぷつぷつしている。
ぶるりと身を震わせたところで、
「…寒いんですか?」
と、さっきとは別の意味で体が震えそうな声で、ひっそりと囁かれた。
上映中だから仕方がないと思いはしても、そんな風に人前で囁かれるのは本当に心臓に悪い。
「あ…、うん、ちょっとな」
「そんな格好をしてくるからですよ」
たしなめるように言いながら、古泉は俺の腕を撫でた。
「こんなに冷え切って。……ブランケットを借りてきましょうか」
「上映中に席を立つのはまずいだろ」
それなりに客が入っている上、俺たちが座っているのは通路から離れた、中央付近の席なんだから余計に。
「あなたが風邪を引くよりはいいです」
「風邪を引くほどじゃないって」
「………どうしてそう強情何ですかね」
ため息混じりに呟いた古泉は、俺の背中へ腕を回すと、俺を自分の膝へと移動させた。
驚いて上げそうになった声を必死に抑える。
「何…っ?」
小さな声でなんとかそう問うと、
「こうしたら、暖かいでしょう?」
と抱きしめられた。
確かに暖かいが、それで済むのか?
「お前が、観れなくなるだろ、映画」
切れ切れに言うと、古泉は俺の耳元で笑って、
「大丈夫ですよ。――でも、あなたが嫌なんでしたら、席に戻しますよ。それから僕がブランケットを借りに行きます」
「……ぃ」
もごもごと口の中で呟いた言葉は古泉にはちゃんと聞き取れなかったらしい。
「すみません、もう一度言ってもらえますか?」
「…いい、って、言ったんだ。このままで…いい、から」
顔が真っ赤になるのを感じながら、俺は照明の暗さに感謝した。
さて、そのまま映画は進み、俺も一応そちらに集中していた。
長い長い時間が過ぎ、とりあえずストーリーはひと段落、オチも見えた、これから長いスタッフロールが流れるんだろう、と思ったところで、不意に脚に古泉の手が触れてきた。
「んっ?」
「しーっ、静かにしないと怒られちゃいますよ」
なんて笑顔で言ってるが、自分の方がよっぽど怒られそうなことをしておいて何を言ってやがるんだ。
「あなたが可愛いからいけないんですよ。映画に夢中になって百面相してるあなたを見てたら、邪魔しちゃいけないかと思って我慢してたんですけど、我慢した分、今、辛抱出来なくなったみたいで」
そう小声で囁いた唇が耳に触れ、悪戯な手は膝の内側をくすぐってくる。
「ゃ…」
びくりと身を竦ませながら、俺は自分の口を手で押さえた。
これ以上はヤバイことくらい分かってるくせに止めようとしない古泉の手を、押さえ込んだところだった。
「おや」
小さく声を上げた古泉が意味ありげに腰に触れたのは。
両側を確かめるように触れてくる手の意味することは、その下の結び目に気付かれたということだろう。
「…あなたも期待してたんですか?」
「違…っ…」
「どちらでも、嬉しいですね」
くす、と笑った声が耳を震わし、ついでにその手がスカートの中に入って来ようとしたところで、
「ま、待て、本当にそれはまずいから…っ」
と訴えると、流石にこれは分かってもらえたらしい。
「…そうですね。では、」
古泉は俺を立たせると俺の手を引き、まだスタッフロールが流れている室内を後にしたのだった。
幸い、そんな風に早々に席を立つ人間は少なくなかったから大して目立たずに済んだのだが、いきなり明るいフロアに出た俺の目は眩みそうになった。
そのまま階下へ下りようとした俺の手を取って、
「こっちですよ」
と古泉は何処かへ俺を連れて行く。
連れて行かれた先は、身障者用トイレだった。
「おま…っ…」
二の句が告げない俺に、古泉は照れたように笑いながら、
「すみません。でも、我慢出来ないんです。…あなたは、どうです?」
そりゃ俺だって辛くないとは言わないが、それにしたってせめてホテルを探すなりなんなり方法はあるだろう。
なんでよりによってトイレなんだ。
「ほら、早くしないと人が来ますよ」
俺が返事を口に出来ないでいる間に、古泉はまんまと俺をトイレに連れ込みやがったのだった。
しっかり鍵を掛けた古泉はぶすったれている俺に苦笑して、
「最後までしようとまでは言いませんから、少しだけ、ね?」
何が少しだけ、だ。
古泉、お前の本性って、狡いとか酷いっていうより、ただのスケベなんじゃないのか?
このむっつりスケベめ。
まあ……それくらいで嫌いになったりはしないけどな。
「……少しだけだぞ」
ため息と共に吐き出せば、古泉は嬉しそうに笑い、
「ありがとうございます」
と頭を下げた。
そうしておいて、俺を真っ白なタイルの壁にもたれさせ、
「今日の下着は随分大胆みたいですね」
と囁いた。
「…ハルヒが……」
「涼宮さんが?」
「それでお前が喜ぶか引くか賭けろって言うから……」
「ああ、そういうことでしたか。では、ごめんなさいと言うしかありませんね」
そんなことを言ったということは俺がどちらに賭けたのかくらいお見通しなのだろう。
「つまり、僕のためのものと思っていいんですよね?」
にこやかな笑顔で問われ、こくりと頷けば、
「それじゃあ、見せていただけますか?」
と言われた。
「見せて…って…」
「スカートを上げて、見せてください」
「――っ、変態…!」
「ふふ、すみません」
ちっとも悪いと思っていない顔で謝った古泉は、
「僕としても自分の新しい一面に驚いているんですよ。初めてあなたに触れた時などはそれだけで心臓が破れてしまいそうに思ったものなのに、あなたがどれだけ僕を愛してくださっているか、甘やかしてくださるかを知っただけで、こんなことまで言えてしまうんですからね。それとも、お嫌ですか? 意地悪で、変態な僕なんて」
ふるりと俺は首を振った。
これで嫌いになれるならまだよかった。
少なくとも俺はそこまで変態にもマゾヒストにもなってないと言えただろうからな。
しかし残念ながら、そこまで変態で、古泉にべた惚れであるらしい。
マゾヒストではない、とそこは断固主張しておくが。
「嬉しいですよ」
優しく言った古泉が俺の膝に口付ける。
その位置からならまくり上げなくったってスカートの中身くらい丸見えだろうに、期待するような眼差しを向けてくる。
俺は仕方なくスカートの生地を摘み、少しずつ持ち上げ始めた。
少しずつなのは焦らそうとしているわけじゃなく、単純に恥ずかしく、出来れば持ち上げる距離を最小に留めたかったからだ。
「これで…見えるか…?」
ある程度持ち上げたところでそう聞いたのに、
「もう少し持ち上げていただけますか? せっかくの可愛らしい蝶々結びがよく見えないので」
「ぅー……」
唸りながら、結局完全にスカートを持ち上げる破目になった。
古泉の顎を蹴り上げなかったことだけでも自分を褒めてやりたい。
いや、それとも罵るべきか?
「紐も縁取りも全部白いレースなんですね」
指先でそれを確かめるように触れながら古泉が言った。
「っ、ん、く、すぐった……」
「ああ、すみません。…それにしても、女性用の下着は本当に小さいですよね。きつく、ありません?」
そう言って古泉はこともあろうに、分泌液でかすかに濡れている部分にふっと息を吹きかけた。
「やっ……」
「きつそう、ですね」
くすりと笑った吐息がそこに触れ、腰が揺れる。
「古泉…っ、意地の、悪いことばっか、すんなよ…!」
「すみません。あなたが可愛らしくて、つい…」
何がつい、だ!
この変態め。
……古泉を罵るほどに自分に跳ね返ってくるような気もするが、深く考えるのはやめておこう。
その変態はと言うと、まくり上げたスカートの中に頭を突っ込んで、人の腰を舐めやがった。
「おい…っ」
抗議の声を上げても聞かず、古泉はそこに垂れ下がっていた紐の一端をくわえると、そのまま引っ張った。
「流石にこれだけじゃ完全に外せませんね」
「ばか…っ……」
自分の社会復帰以前にこいつのが危うそうだ。
古泉は笑って、
「あなたの前でだけですよ」
とほざきやがった。
そうして、紐が解けて出来た隙間から半ば勃ち上がった俺のものを取り出すと見せつけるように舌を這わせる。
「ひ、ぁ……っ、ちょ…」
「声、少し抑えた方がいいですよ。外に聞こえてしまうかもしれませんから」
それが分かってるならやめろよ!!
「無理です」
顔が見えなくても笑顔で言い切ったことくらい分かった。
俺は皺が出来るほどスカートを握り締め、
「ぁ、あ、もう、……分かったから、早く…っ…」
「畏まりました。…僕も、限界ですからね」
そう言って古泉はそれを躊躇いもなく口に含んだ。
そんな風にされるのは初めてでもないが、いつもならそれは昂ぶらせるだけのものであり、終るため、イカせようとする動きではなかったんだと思い知らされる。
口に含まれて、それだけあっという間に高められて、放っちまうのもどうかと思うけどな。
それも古泉の口の中に。
「っ……すま、ん…」
慌ててそう言ったら、古泉は平気な顔をして、
「大丈夫ですよ。むしろ、ごちそうさまでした、とでも申し上げるべきでしょうか」
と笑いやがった。
つまりは飲み下したってことだよな。
「飲むなよそんなもん…!」
ずるずると脱力して座り込むと、古泉はわざわざ俺に目の高さを合わせ、
「あなたのでしたらいくらでも飲めますけどね」
ああそうかい。
お前はこれまで大人しくしてただけで立派な変態だったわけだな。
「幻滅しました?」
「……してねぇよ。するわけないだろ」
「ありがとうございます」
そう笑った顔が余りにも嬉しそうだったから、俺はつい、もう少し喜ばせてやったっていいかと思っちまったんだ。
「……お前は?」
「はい?」
「勃ってんだろ?」
じっと股間の方を見つめながら言ってやると、古泉は苦笑して、
「分かりますか」
分からんはずがあるか。
俺はため息を吐いた後、
「立て」
「え? …あ、はい」
困惑しながら立ち上がった古泉のズボンのチャックに手を掛けると、
「えっ…?」
「…なんでそこで奇声を発する必要があるんだ?」
「え、あの…その、びっくりしまして……」
俺は確実に赤くなっているだろう顔を背けながら、
「…俺ばっかりじゃ悪いだろうが」
と呟いた。
「…ありがとうございます。嬉しいですよ。でも、無理はしないでくださいね」
そう言って古泉は優しく俺の髪を撫でた。
「ん…」
俺は硬くなっている古泉のそれを狭い場所から解放してやると、軽く舌を這わせた。
それだけで質量を増すのが、正直、楽しい。
つぅっと竿を舐め上げると、
「ぅ…」
と古泉が艶かしい声を上げるのも、かなり楽しい。
普段一方的に喘がされるばかりの俺が古泉にそんな声を上げさせられるからだろうな。
口の中に全部含むのは流石に抵抗がある、というか口紅を股間にベタベタ付けるのはどうかと思ったので、舌先で舐めるに留めたのだが、それでも古泉にはかなりのものだったらしい。
「っ…だめ、です……。もう…」
苦しげに言う古泉に、にやりと笑って、
「いいぞ、イっても」
ああでも、顔射されたら流石にまずいな。
化粧道具を持っているとはいえ、化粧直しくらいしか想定してないから、全部やり直しは出来ないし。
仕方ない、と俺は自分の脚に絡んでいた片側だけ蝶々結びの残った布切れを脚から外し、それで古泉を包んで扱きあげ、イカせてやった。
「……あなた、ノーパンでどうやって帰るつもりですか…」
呆れたように言った古泉に、
「そう大した距離があるわけじゃないんだ。お前の部屋までくらい、平気だろ。誰かさんが余計なことをしなけりゃな」
と笑ってやると、
「あなたには勝てませんね…」
至極幸せそうに言われた。

それにしても、思った以上に早く、賭けに決着がついてしまったことを、どうやってハルヒに伝えたらいいのかね。