エロです
やっぱり襲い受けって言うか誘い受けなキョンなので苦手な人はバックプリーズ











































オネダリ



古泉の部屋に着いた後、荷物を玄関に置いた古泉に、
「重かっただろ。悪かったな」
「いえ、かさばるだけで重さは大したことありませんよ」
平気な顔で言う古泉は本当に負担に思っていなかったらしい。
やっぱり鍛え方が違うんだろうか、と思いながら、
「コーヒー淹れるからな」
とキッチンに向かった。
古泉の部屋に来ることにも慣れてきたものの、ちょこちょこと俺のための食器だとか俺の好きな菓子だとかが古泉の部屋を侵食し始めていることにはまだ若干のくすぐったさを感じる。
少し前に揃いで買ったマグカップにコーヒーを注ぎ、リビングのソファに座ってなにやら考えている様子だった古泉の前に置いてやると、
「ありがとうございます」
とさり気ない笑みと共に返された。
こいつの笑顔が好きなんだよな。
作り笑いはあまり見ていて気分のいいものではないが、それでもそれはそれでこいつの整った顔に見合ったもので、横で見ている分にはいいと思える。
それが自分に向けられるのではなく、他人に向けられるからかも知れんが。
スカートが乱れないように気を遣いながら古泉の隣りにすとんと腰を下ろす。
間近に感じる体温が心地好い。
心臓が落ち着きの欠片もなく脈打っていることだけがいくらか不快だが、古泉もおそらく同じなのだろう。
コーヒーを飲みながらも意識は俺の方に向かっていることが分かる。
古泉の空いている手を握りこみながらコーヒーを飲み、
「…今日は本当にありがとな」
と言った。
「いえ、僕も楽しかったですよ」
「俺もだ。…何時間も付き合わせちまって、悪かったな。でも、嬉しかった」
申し訳ないと思いながらも、古泉が嫌な顔を見せずに付き合ってくれるのが嬉しかった。
愛されていると感じられることはくすぐったいのだが、同時に、それ以上の喜びであって、くすぐったさも嫌なものではなくなる。
優しくされて、思いを伝えられて、更に古泉が愛しくなった。
だから、と俺は古泉がコーヒーを飲み終えたのを見計らって、自分も残りのコーヒーを飲み干し、マグカップをテーブルの上に置いた。
おそらく熱っぽくなってしまっているんだろう目で古泉を見つめながら、
「古泉…」
と呼ぶと、古泉もどこかぎこちなく、
「はい?」
と答えた。
緊張しているんだろうか。
それとも、これからどうなるのか分からず、警戒しているのかも知れん。
俺はそっと笑いながら、
「服をプレゼントするってことは、脱がせたいってことか?」
と聞いた。
古泉はかぁっと赤くなると、
「そ、そういう、つもりじゃなかったんですけど…」
「ほー、……じゃあ、下心が少しもなかったって言うのか?」
「いえ、それはそれで語弊がありますけど…」
「じゃあ何だ」
「……あなたが嫌でなければ、……脱がせたい、です。それから勿論、その先もしたいです」
掠れた声と率直な言葉に興奮を煽られる。
俺は唇を弧の形に歪めながら古泉にキスした。
触れるだけのそれから、古泉の膝へ移動し、深いキスに変えていく。
「ん…ピン、外せ…」
ショールを留めているピンは古泉に買ってもらったものだから、と古泉の手で外させ、ショールは自分で肩から下ろす。
ソファの背にショールを掛け、もう一度キスを求める。
くちゅくちゅと淫らがましい水音を立てながら、その合間に衣擦れの音が混ざる。
性急にチュニックブラウスを引き抜こうとする古泉の手を押さえ、
「古泉、先にイヤリングとか外さないと、失くすから…」
「すいません、焦りすぎてましたね」
「全くだ」
そう笑いあったのも束の間、古泉の指が耳に触れるとくすぐったくて体が震えた。
イヤーフックを外し、テーブルの上に置かれたピンと並べた古泉がイヤリングを外すと、
「ここ、赤くなってますよ。痛くないんですか?」
「え…?」
つけている間はそんな感じはしてなかったのだが、外された後に指で触れられるといくらか痛んだ。
「女性は我慢強いですね。痛い思いをしてまで装うんですから」
どこか呆れを含んだような声で言った古泉が、赤くなっているという耳朶をぺろりと舐めた。
ぞくぞくとしたものが背筋を駆ける。
「ぁ…っ、そうやって、綺麗にしたいと、思うだけの相手がいるから、するんだろ…」
「あなたが装うのはそのためですか?」
「そう、だ…。お前、だから、もっと綺麗になりたいとか、思うんだよ…」
「嬉しいです」
耳元で嬉しそうに笑った古泉の吐息にすら感じる。
反対の耳も舐められ、体から力が抜けていく。
「古泉…っ、も、早く、脱がせろよ…。せっかく買ってもらったばかりなのに、汚したくない…」
「畏まりました」
微笑を湛えたまま、古泉は芝居めかした語調でそう答え、手際よく服を脱がせていく。
脱ぎ捨てた服でソファが埋まると、下着姿になった俺を抱えて、古泉が立ち上がった。
「下着もプレゼントするべきでしたね。そうしたら、下着も脱がすことができたでしょうに」
などと冗談を口にしながら。
「そんなのいいから、脱がせろよ…」
とろんと力の抜けた目で古泉の整った顔を見つめ、その首にだらしなく腕を絡めながら俺は言った。
「俺の物はお前の物だろ…。だから、脱がせて……」
返事はキスで、それとほぼ同時にベッドにどさりと下ろされた。
「愛してます」
囁かれるくすぐったい言葉にぞくぞくする。
俺がうまく言えない分も囁いてくれる古泉が愛しい。
思わず古泉を抱きしめると、
「ブラが外せませんよ」
そうくすくすと笑われた。
腕を緩める前にキスをして、後は古泉に任せると、慣れた手つきで裸にされた。
自分の服を脱ぐ余裕もないのか、シャツを緩めることもなく、俺の体にキスを落とす古泉が愛しくて、その柔らかな髪に指を埋める。
優しくされて、愛していると告げられて、こんなにも興奮する俺は正常なんだろうか、それとも異常なのか。
男としては余りにも受身で、いささか情けないような気もするのだが、それでもそれが受け入れられているんだからいいんだと思うことにしよう。
「ぁ…、古泉、そこ、…もっと、強くして…」
指と舌で弄くられ、赤く充血した乳首を示して言えば、古泉は俺を揶揄することもなく、望む刺激をくれる。
もう何度目とも知らない行為の中で、俺がどうされるのがいいかなんてことも分かっているんだろうに、もったいぶるように少しずつしか進めようとしない古泉は、確かに俺を求めているはずなのに、それ以上に俺に尽くしているように見えて、少しばかり可笑しく思えた。
さっきもああして貢ぎたがったところからすると、そういう性質なんだろうか、こいつは。
初めて会った時にはそんなことは全く以って思わなかったものだが、こういう関係になった結果としてそんな姿も見られるようになったのだとしたら、嬉しいとすら思った。
などと、考えられるということはつまり、古泉が決定的な刺激どころか直接的な刺激すらろくに与えてくれていないと言うことである。
性感帯というにはあまりにもかすかでおぼろげな感覚しか与えてくれない胸や肌、指先などにばかり触れる古泉に痺れを切らして、
「古泉…っ、焦らすな…!」
と不平を言うと、
「すいません」
と謝られた。
別に謝ってもらいたかったわけじゃないのだが。
「あなたが可愛くて、つい」
「だから、可愛いとか、…っん、言うな…」
「どうしてです? あなたは可愛いですよ。それとも、綺麗と言った方がいいでしょうか。何にせよ、あなたのその恍惚とした表情も、僕は愛しくてならないんです」
「恍惚とか、言うなよ…!」
余計に恥ずかしくなる。
思わず自分の顔を覆った手に古泉の唇が触れる。
「恥らうあなたも素敵ですよ」
真っ赤になって絶句した俺に、古泉は言い添えた。
「それに、正直なところを申し上げますと、こうして愛撫している時でないとあなたの姿や表情をじっくりと目にする余裕なんてないんです。僕だって、曲がりなりにも青春真っ只中の男子高校生ですからね」
なんとも胡散臭い発言だ。
「余裕がなくなるっていうんだったら、さっさとなくしちまえ…っ!」
「あなたがそう仰るのでしたら」
そう言った古泉は額ずくように体の位置を下げ、俺の脚を手に取ると、足の甲にそっと口付けた。
「っや…!」
物理的な刺激よりもむしろ背徳的な映像にぞくぞくする。
「脚も弱いんですよね。本当にあなたは感じやすくて心配ですね。……お願いですから、ひとりで歩く時にはくれぐれも気をつけてくださいよ?」
「ばか言ってないで、早く、触れよ…っ」
古泉が笑った気配がして、硬くなり始めてきた俺のものに濡れた感覚が触れた。
「…ん、ぁ…あ……」
「ひとつ、思ったんですけど、」
そんなところに息を吹きかけながら口にするようなことか、と咎めることも俺には出来ない。
やっと与えられた直接的な刺激に頭の中を融かされ始めていた。
「女装している時には完全に女性扱いされてもいいのでしたら、今もそうするべきでしょうか?」
……どうだろう。
それでいいような気もするし、それでは物足りないような気もする。
俺にも見当がつかんな。
だから俺は、
「試して、みたらいいだろ……」
「そうですね。では、今日はそれも試すことにしましょうか」
「…は…? それも、ってのは、…なんだ…?」
「お忘れですか? さっき、買ったでしょう?」
と古泉が見せたのはドラッグストアで買ったゴムとローションだった。
「お、前…いつの間に……」
「帰ってきてすぐに上着のポケットに入れておいたんですよ」
ヘタレのくせに準備のいいことだな。
それともヘタレだからそうやって準備しておくのか。
呆れる俺に、古泉は笑みを消しもしないまま、
「脚を開いていただけますか?」
と要求した。
俺はそれを特に屈辱と感じることもなく、その言葉に従う。
ローションのキャップを開いた古泉が、それを自分の指に絡め、更に俺の方にも垂らすと、冷たい粘液の感触に脚が震えた。
「すぐに温かくなりますからね」
という古泉の言葉に引っかかるものを感じる前に、指を押し入れられる。
慣らすためにか緩やかに浅く抜き差しされる指にさえ感じ、小さく声を上げる俺に、古泉は引いたり嘲笑ったりすることはない。
ただ、優しく微笑むだけだ。
だが、俺がそれに安堵する間もなく、変化はすぐに生じた。
ローションを塗られた部分が不自然な熱を持ち、更に敏感になっているのが分かる。
「こ、いずみ…っ、お前、何やったんだ…!?」
というか、さっきのローションに何が入っていたのかと聞くべきかも知れん。
「変な薬とかではありませんよ。温感ローションです、と言っても、あなたには分からないでしょうか? 肌に触れると温かく感じられるものなのですが」
それは現状説明であってローションそのものの説明になっていないような気がするのだが、そうと突っ込むことも出来ない。
「ぃ、やだ…っ、こんなの…」
ただでさえ感じやすいらしい自分が恥ずかしくて嫌だというのに、それを更に強められて、猥らがましい姿をさらしたくない。
「どうしてです?」
「とにかく、嫌なんだ…っ、なんとかしろよ…!」
「それがローションを使うのをやめろという意味でしたら、聞けません」
なんだと。
「だってあなた、こんなに気持ちよさそうじゃありませんか」
そう言った古泉の指が一番弱い部分をぐっと押し上げた。
「ひ、あ…っ!」
強すぎる快感に体が竦み上がる。
ガクガクと下肢が震え、コントロールを失う。
指先が白くなるほど強くシーツを握り締めても、快感を逃がすことが出来ない。
このまま指だけで達してしまいそうだと思った瞬間、本当に嫌なのは何なのか分かった。
「こぃ、ずみ…! 指は、もう、…っぁ、いい、から…ぁ」
「まだよく解せてませんよ?」
「いい…っ! ひとりで、イきたく、ない…」
快感のせいでぼろぼろと零れてくる涙を古泉が舐め取ってくれると、それだけで少し楽になった。
「本当に、可愛い人ですね。…愛してますよ」
「俺も…、だから…!」
「ええ、分かってます」
中から指が引き抜かれ、中が空気に触れると余計に熱が高まる気がする。
ピリッという、個包装の袋を破く音にさえ煽られる。
押し当てられたものの感触がいつもと違うのかすら分からなかった。
「入れますよ」
「んっ…早く……」
熱に浮かされながら求めると、それが慎重に押し入ってきた。
痛みを感じないわけがない。
だがそれ以上に気持ちよくて、どこもかしこもぐずぐずに融かされていく。
喘ぎだか悲鳴だか分からない声を細く高く上げながら古泉の体を抱きしめると、優しくキスされた。
「あなたには少し、効果がありすぎましたね」
うるさい。
分かったんならもう使うな。
「それは勿体無いように思えるのですが……そうですね。あなたが嫌なのでしたら、もう止めましょう」
そんな風に会話をするだけの余裕は長く続かなかった。
古泉は息を詰めながら俺の体を揺さぶり、俺は揺さぶられながらも自ら腰を振って快楽を追うのに精一杯になったからだ。
「もう、イきますよ…っ」
苦しげな声を上げた古泉が、大きく腰を使い、体を震わせた。
その刺激で、俺は達したのだが、何かが物足りなかった。
はぁはぁと荒い呼吸のまま、俺は古泉を睨み据え、
「…イったのか?」
「そうですけど、あの、何か…?」
「……抜け」
恥ずかしげもなく言い放つ俺に古泉は軽く首を傾げながら従った。
引き抜かれる感覚に小さく声を上げながら、俺は古泉の状態を確認した。
体を起こし、古泉に抱きつく。
そうしたのは、不貞腐れた顔を見せたくなかったからだ。
「…やっぱり生がいい」
「えぇと………理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「だって、なぁ?」
俺は唇を尖らせながら馬鹿正直に答えた。
「…お前がちゃんとイったのか、ゴムしてたら分からねぇし、物足りないんだよ」
古泉は絶句しながら俺を強く抱きしめた。
愛してますとかそういう意味なんだろうな、これは。
だから俺は臆面もなくぬけぬけと、
「…だから、もう一回しよう。今度こそ生で」
ただし、あのローションは使うなよ、と釘を刺したのだが、すぐさま押し倒された以上、古泉にちゃんと聞こえていたのかはよく分からなかった。