微エロです
入ってません←
乳首責め頑張ってみました










































お酒「は」控えました(後編)



兄ちゃんは、本当に言葉通りにしやがった。
裸に引ん剥いた俺をベッドの真ん中に寝かせた兄ちゃんはまず、じっくりと眺めた。
それこそ、視線で舐められてるかのようにじっくりと。
そんなことをされて俺が興奮しないはずがなく、見られているだけで体の中も外も熱を持ってくるのが自分でも分かる。
シャツの前を肌蹴たまま、腕を組んでとっくり眺めている兄ちゃんには、尚更よく分かっていることだろう。
口角を上げて、酷薄な笑みを浮かべた兄ちゃんは、
「見られてるだけでも気持ちいい?」
なんて聞いてくる。
それだけでも羞恥を感じるってのに、その羞恥心と言うのが困ったことに、興奮を煽る役にしか立たないのが問題なのだ。
「っ、ぅ……気持ち……い……」
「じゃあ、見てるだけにしようか?」
「やっ…!」
本心じゃないと思いはしても、そんなことを言われると、勝手に声が上がった。
「そん、なの…やだ…っ! ちゃんと、触ってくれよ…!」
「どこに触って欲しいの?」
いつもと変わらない、優しい声で兄ちゃんが聞く。
「お…尻、さ、ぁ、って……!」
「早速お尻なの? …キョンったら、やらしいね」
「っ…!」
「ああ、また大きくなった」
揶揄する言葉に余計に恥かしさが募る。
助けを求めて、
「に、ぃちゃ……」
と呼べば、
「…可愛いなぁ、もう」
嬉しそうに言って、兄ちゃんは俺の髪をかきあげた。
「凄い、顔だけじゃなくて全身桃色になってて、やらしいよ。やらしくて、可愛い……」
「…っ、い、言ったんだから、ちゃんと、触ってくれても……」
「だめだよ」
しれっとした顔で兄ちゃんは言った。
「乳首をいじめたいって言っただろ?」
「な……」
「僕のしたいようにしていいって言ったのはキョンなんだから、ね?」
にっこりと笑った笑顔は柔らかいのに、意地悪だ。
「うぅ……」
「まずはイキそうなくらい乳首をいじめて、イケないようにしたままいっぱい気持ちよくしてあげないとね」
「い、じわる……」
「いじめられるのも嬉しいんじゃなかったの? やめにする?」
「んん…っ、やめ、んな…」
う、と眉を寄せ、泣きそうになるのを堪えながら、
「…はや、く、…乳首、触って…」
と求めた俺に、兄ちゃんはあくまでも優しい声で、
「いいよ」
その手が、俺の腹の辺りに触れたかと思うと、じれったいほどゆっくりした動きで胸の方に這い登ってくる。
「く…っ、ぅ…んん……」
「ふふ、これだけでも気持ちいい?」
「きもち、い、……けど、足りない…っ」
「キョンは欲張りだなぁ」
笑った兄ちゃんの手が胸をさっと刷くように撫でるだけでびくんと体が跳ねた。
なのに、兄ちゃんはそれ以上してくれないで、
「右と左、どっちからがいい?」
なんて焦らすように悠長なことを聞いてくる。
俺の方はと言うと、もう余裕なんて欠片もないわけで、
「…りょ、うほう…! 両方がいい…からぁ!」
「はいはい」
どこかで聞いたような気のない返事を寄越す兄ちゃんに、泣きそうになる。
意地悪だ。
いじめっ子だ。
罵ってやりたくなりながら、そのくせ俺は、まだ兄ちゃんの中によく知らない部分があることが悔しくて、同時に、新しい側面を見れて嬉しいなんて脳のわいたことを思うのだ。
せめて、と精一杯に睨んでも、
「可愛い。…誘ってるの? でも、だめだよ」
と笑われた。
「好きにさせてもらうからね」
「うぅ…」
「…可愛いから、今のリクエストは受け付けてあげるけど」
そう言って、兄ちゃんは両方の手を乳首に触れさせた。
「…っあ……」
期待で震える俺をにやにやしながら見つめて、
「さて、どう触ろうかな」
なんて言い出す。
「まずは形を確かめようか。それから、どれくらい硬くなってるか確かめて、キョンがどれくらいにされたら痛いって泣いちゃうのか知りたいな」
言いながら、指は触れるだけで動かしてもくれない。
もどかしさに俺は自分から体を揺らして、兄ちゃんの指に胸を押し付ける。
「こら、キョン、まだ考えてるのに」
「や、だ、……っ、て、気持ちよく、なりたい…っ…」
駄々をこねる子供のようにぐずって、訴えると、
「しょうがないな」
と兄ちゃんは「お兄ちゃん」らしく呟いて、そのくせ世間一般からすると明らかに兄らしくない行為を始める。
今日の兄ちゃんは本当に有言実行の人らしい。
さっき言った通り、やんわりと形を確かめるように表面を撫でるばかりで、もどかしさばかりを煽ってくる。
「ひぅ…っ、う、にいちゃ…」
「触ってるのに、まだ足りないの?」
「んんっ、足りない…から…もっと…ぉ!」
「だめ」
くすくすと何が楽しいのか愉快そうに笑う兄ちゃんが憎たらしい。
文句くらい言ってやろうと口を開いた瞬間、軽くつままれて喉が鳴った。
「ああ、随分硬くなってるね…」
「ふ…っ、ひ……」
「これくらいじゃ痛くない?」
じっと見つめてくる兄ちゃんは返事ナシじゃ済ませてくれないようだ。
「…っ、たく、ない、から……」
「から?」
「……うぅ、」
「どうしたの? ちゃんと言えるだろ?」
「――も、っと、強く、して…」
「うん」
応答と言うよりもむしろ満足の声みたいな呟きを漏らして、兄ちゃんは両の指に力を込める。
「ひゃっ…! あっ、ぁんん……」
「気持ちいいって顔しちゃって……痛くないの?」
「いた、く、な…っ、やぁあ!」
ぎゅっと今度こそ痛みを感じるほどに押し潰されて、悲鳴が上がる。
「痛い?」
「いた、痛いから…っ、やだぁ…!」
「…ああでも、どうしようか」
一応力を緩めてくれながらも、兄ちゃんは困った顔で俺を見た。
なんだよ。
「…痛がってるキョンが可愛くて、癖になりそう」
「なっ、ひやっ…ぁ!」
そうして、変化をつけながら兄ちゃんがそこを弄び始めると、俺はもう言葉も出なくなる。
兄ちゃんの指が、緩急をつけ、指を変えて、そこを弄ぶ。
指の腹で押され、爪を使ってつままれ、引っ張られ、その度に跳ねる体を兄ちゃんは押さえつける。
「ひぅ、うっ……いや……」
苦しくて涙が出てきたってのに、兄ちゃんは笑って、
「本当に嫌? …そうじゃないだろ。気持ちいいくせに」
「だ、って、…っひ、に、い、ちゃんが、いじ、わるだ、から……ぁ…」
横隔膜が震え、しゃくり上げる。
「いじめていいって言ったのはキョンなのに?」
「だって、…って、兄ちゃん、…意地悪しか、言わない、から…っ…!」
「ああ、ごめん。夢中になりすぎたかな」
そう笑って、兄ちゃんは俺の耳に唇を寄せると、
「…やらしくて可愛いキョンも、大好きだよ」
「なっ、よ、余計な単語がついてる!」
真っ赤になって抗議したが無駄らしい。
「そこも好きなんだからしょうがないだろ」
くすくす笑った兄ちゃんは、やわやわと乳首をいじりながら、
「ねえ、キョン」
「…うぅ……」
なんだよ、と返す気力も削がれた。
「キョンの乳首、舐めたいんだけど右と左どっちからがいい?」
「な…っ……」
「これは両方とはいかないよね」
そりゃそうだろうな。
男のまっ平らな胸じゃ、左右の乳を寄せることも出来ないんだから。
「どっち? 好きな方からしたげるよ?」
「んな、こと…言われても……」
どっちが好きとかそんなのもないんだから、
「…どっちでもいいから、…っ、早く……」
「嘘吐き」
にやっと笑った兄ちゃんは、
「ああそれとも、気付いてないのかな? キョンって、」
その指がきゅっときつめに右の乳首をつまむ。
「ひぁっ!」
「こっちの方が、感度がいいんだよ?」
「なっ、ひ、ぁっ…やぁ……!」
「ん…その声も好きだな。…色っぽい」
熱っぽく囁いた唇がそれに柔らかく触れると、切なさに似た快感に胸の中が震える。
「ぁ……」
「好きだよ」
言い忘れていた分もというようにそう繰り返したその唇の隙間から、白い歯が見えたかと思った瞬間、
「ひぃあぁぁ…!」
悲鳴が空気を裂くほどに、強く噛みつかれた。
「やっ、いや…っ、うぁ……!」
「んん……」
気のせいか口角を上げて、兄ちゃんは今度はそれを吸い上げる。
痛いのか気持ちいいのか分からないのがぐちゃぐちゃに絡まって、分からなくなる。
痛いのかそれとも気持ちいいのか。
痛くても気持ちいいのか。
痛いのが気持ちいいのか。
「ぅっ……う……」
「声、聞かせてくれないの?」
言いながら、兄ちゃんは空いている手を伸ばし、俺の口をこじ開ける。
「ふぁ…っ、う、…んんぁ…!」
「ああ、ほら、気持ちいいんだね。よかった」
優しく笑って、兄ちゃんはその唇を今度は左の乳首に触れさせる。
「ぁっ、や、にいちゃっ…! そればっか、やだ…やだぁ……」
しゃくり上げながら訴える俺に、兄ちゃんは優しく、しかしはっきりと、
「だめだよ」
と言い、
「もっと他のこともしてほしいんだったら、乳首でイってみて?」
なんて無茶を言う。
「そ、んなの……無理…っ……」
いやいやと頭を振る俺に、
「キョンなら出来ると思うよ? どうしても無理そうだと思ったら諦めるから……ほら、乳首に集中して」
「うぅ…っ……」
集中しろと言われなくても、そこばかり攻め立てられたら他の場所に意識が回るはずもない。
「ひぅ…っ、ひあ…っ、や…っ、それ…っ」
「いい?」
「ん…っ、ひ、いぃ…っ!」
ひっきりなしにうわ言めいた声を上げながら体を震わせる俺の胸を、本当に何が楽しいんだと言いたくなるような顔で延々刺激する兄ちゃんの、いつになくいやらしい表情にぞくんとした。
やばい、気持ちいい。
それこそ、もうちょっとでイケそうなくらいに。
「や、にいちゃ…っ、もう、イカせて……!」
「イっていいよ?」
「…っ、そこ、だけじゃ、イケないって!」
「そうは見えないけどな」
くすりと笑って、兄ちゃんは俺の両方の胸をきつく抓み、あるいは噛んだ。
「ひぃぁ…!」
「ほら、もうイキそうになってるよ?」
「ぁ……?」
「見てごらん?」
と言って兄ちゃんは俺の体から手を離し、俺の上から退く。
「は……、あ、兄ちゃん……?」
「見て」
兄ちゃんは薄い笑みを浮かべて、熱を持ったものを示した。
酷く熱くなったそれは、だらだらと先走りを溢れさせ、今にも弾けそうになっている。
「乳首だけでこんなになってるのに、イケないの? …イケるだろ」
ふふと忍び笑いを漏らして、兄ちゃんがそこを見つめる。
「…っ、んな、見るな…!」
「見せてよ。…キョンが乳首だけでイくところ」
「やだぁ…!」
泣きじゃくって文句を言う俺に、兄ちゃんは再び跨るような格好になって、胸への刺激を再開する。
散々に弄ばれたそこは真っ赤になり、空気が少し揺れても痛いほどの快楽を拾うのに、更に刺激されると目の前が白く明滅した。
「やば、…っ、ひ、イく…っ、イッちゃ…ぁっ、あ、ひあぁ…!!」
兄ちゃんを跳ね飛ばしそうなほど、大きくびくんと体が跳ねたのが分かったほかは、何も分からなかった。
視界だけでなく頭の中まで真っ白になって、息苦しさと快感だけが支配する。
「大丈夫?」
心配そうに兄ちゃんが顔を覗き込んでいることに気がつくまでにさえ、時間がかかったくらい放心していた。
「…あ…兄ちゃん……?」
「うん。大丈夫? やり過ぎたかな」
「……あほか」
「ご、ごめん」
俺はまだ熱っぽい体を強引に起こして、兄ちゃんを抱き締めた。
「きょ、キョン…!?」
「……へたれに戻るのが早すぎるだろ…」
「……え…?」
「…もっと、してくれよ。胸だけじゃ、イケても、足りないから…っ……」
ごくんと兄ちゃんの喉が鳴った。
「いい?」
「ん…。あ、ただ、その、なんだ。…イケないようにして、ってのは勘弁してくれ。今日はもう…我慢出来ない、から……それはまた今度…な?」
「……ほんとに可愛いんだから」
嬉しそうに笑った兄ちゃんが俺にキスをして、ベッドにまた押し戻す。
「愛してるよ」
「ん、俺もだから、…一緒に気持ちよくなろ…?」
「そうだね」
そう頷いたくせに。
結局兄ちゃんは一晩中、俺を泣かせまくったのだった。

……兄ちゃんの、嘘吐き。