お待たせしました
FだけどIFなので+じゃありません
×です
古キョンです
でもってエロです
しかもだらだらといちゃついてるだけです

それでいいんだぜ! って猛者のみお進みくださいませ


なお、本編の「宿題」を下敷きとしてますので、
もし未読の方や忘れたという方がいらっしゃいましたら、
「宿題」から先に読んでくださいますようお願いします































































結論(前編)



古泉は何度も俺にキスを繰り返した。
頬を上気させ、触れ合った肌からははっきりと脈拍が伝わってくる。
痛いほどに胸を高鳴らせているのは俺も同じで、思わず笑いそうになった。
なんだ、本当に俺は馬鹿だな、と。
こんなことをするまで、気付かなかった。
自分の感情に、何一つ。
つまりはずっと、誤魔化していただけなんだろう。
古泉をずっと好きでいたくせに、それを家族愛だの友情だのと言って誤魔化してきた。
その報いだとでも言うのか、自覚した途端、胸が酷く痛んだ。
「ん…一樹……」
「僕…やっぱりおかしいんでしょうか……?」
深刻そうな顔をして聞いてくる古泉は、まだ迷っているらしい。
迷わなくていいと思いながら、迷わせているのがこれまでの俺の態度だと分かっているから、忌まわしい。
「…お前がおかしいなら俺もおかしいに決まってる」
いっそ吐き捨てるように言って、今度はまた俺からキスをした。
そのまま何度もキスを繰り返す。
それこそ、数え切れないほど。
「……好きです…」
「ん…俺も、好きだぞ」
今更言う必要のない言葉にすら思えた。
それくらい、キスで伝わってる。
愛しいという気持ちも、大切にしたいという思いも。
言葉では伝えられない、微妙な感覚すら。
「好きって……どう言う意味で、ですか? やっぱり、家族とか…そういうものとして、なんですか?」
古泉の声に、縋るような、そう答えないで欲しいと願うようなものが滲んでいるということは、古泉も同じ気持ちだということなんだろう。
「それに答える前に……約束してくれないか?」
「はい?」
「……頼むから、いなくならないでくれ。消えたり…しないで、くれ…」
「……あの約束のことを気にしてるんですね」
困惑気味に微笑んだ古泉だったが、
「…改めて誓います。あなたの側から離れません。たとえそんなことになりかけたとしても、抵抗します。抗いきれないなら、あなたにだって涼宮さんにだって縋ります。ですから…聞かせてください」
「お兄さん」ではなく、「あなた」と呼ばれたのはつまり、そういうことなんだろう。
俺は古泉の背中に腕を回し、力を込めて抱きしめた。
暖かいと感じる以上に、愛しくてならない。
「…やっぱり、俺はお前が好きなのかも知れん。いや、かもしれない、じゃなくてそうなんだろうな」
「それ、は…」
「当然、恋愛感情で、だ」
「…嬉しいです」
本当に嬉しそうに呟く声と共に、キスされる。
暖かなキス。
ただ触れているだけなのに、愛しさをこれでもかというほどに伝えてくる、キス。
「お前は…?」
「同じですよ。……あなたと」
囁かれた声に、ぞくりとした。
もちろん、それも嫌悪によるものではない。
胸が恥かしいほどにドキドキする。
それすら聞き取られているんじゃないかと思うほど、固く抱きしめあって、キスを繰り返す。
「一樹……っ、好き、だ…」
「僕も好きです。…愛してます」
認めてしまえば、それまで認められずに燻っていた分まであふれ出す。
言葉ではもどかしいほどの思いを無理矢理にでも伝えてしまいたくて、キスを繰り返した。
くどいほどに繰り返されるそれが、じわりじわりと深さを持ち始める。
触れ合うだけだったキスが、唇に舌が触れるまでになり、唇を開けば舌を絡めあうほど深くなる。
愛しくて愛しくて、気が狂いそうなほどだ。
そうならないために、これまで見てみぬフリをしてきたんじゃないのかと思えるまでに、あふれ出した思いは強く激しい。
苦しくてか、それとも感激したとでも言うのか、気がつけば俺はぼろぼろと涙をこぼしていた。
見っとも無い、と思うより早く、もっと言うなら俺が、自分が泣いていることに気がつくよりも早く、古泉がそれに気がつき、俺の頬を伝う雫を舐め取った。
そのくすぐったい行為すら、愛しくて、もどかしくて。
「…っ、ぁ、い、一樹…っ! 好き、好きだ…から…」
放さないで欲しい。
このまま抱きしめていて欲しい。
一時も唇を離したくない。
腕を離したくない。
もっと強く抱きしめて欲しい。
もっと深く抱きしめ合いたい。
いっそ溶け合ってひとつになってしまいたい。
そんな激しい感情が自分の中にあったことに、初めて気がついた。
気がつかされた。
「僕も同じですよ…。あなたが愛しくて、愛しくて、堪らないんです。…好きです…!」
泣き笑いの形に歪んだ古泉の顔を引き寄せて、キスをねだる。
流れ込む唾液は酷く甘く思えた。
飲み込めずに溢れたそれが口の端から耳の方へ流れてはじめて、俺は自分がベッドに横たえられていることに気がついた。
それくらい、夢中だった。
気がついたからと言って、逃れたいとは露ほども思わなかった。
それ以上に、押し当てられる熱の熱さに気を取られた。
「おかしなものですよね」
恥かしいのだろう、古泉は苦笑混じりに言った。
「少し前まで、全く自覚してなかったのに、自覚した途端こんな風になってしまうなんて。これまで、何度も同じ布団で寝ましたし、平気で一緒にお風呂に入ったのに」
「全くだな」
慨嘆調で言いながらも、俺は笑っていた。
自分では見れない以上、正確なところは分からないのだが、おそらく、恍惚、とでも言った方がいいような顔をしているに違いない。
「…が、俺は嬉しい」
「…僕もですよ」
そう言った古泉が、自分のそれを俺のものへと押し当てる。
その熱さにくらくらした。
「っぁ、ん…!」
「僕だけじゃ、ないんですよね。あなたも……本当に、そういう意味で僕のことを好きになっていてくださったんですね…」
「ぁ、だ、から、その、無駄な謙譲語はやめろよ…! お前…俺が好きなんだろ…?」
「好きです」
「俺も好きなんだから…こんな、こと、しようとしちまうくらい、好きなんだから…こ、恋人になったって言ったっていいだろ…?」
「…そう、ですね……」
嬉しそうに、恥かしそうに言った古泉を引き寄せて、もう一度キスをする。
キスだけで気持ちいい、と思いながらまだ足りないと体が叫ぶのを宥めすかしつつ、俺は言葉の続きを口にする。
「だったら…対等なんだから……謙譲語とか、尊敬語なんて、やめろ…。本当は、敬語も全部止めろっていいたいところだが、それは難しいんだろ? だったら……せめて、丁寧語だけにしてくれ」
「……やっぱり、敬語で話されるのは嫌ですか?」
「当たり前…だろ…」
俺はそんなに偉いもんじゃないし、何より古泉の作り物臭さが際立つのはその喋り方のせいに違いないんだからな。
「だったら、」
古泉が俺の耳を軽く食むようにすることで、俺を大きく仰け反らせておいて、
「…努力したい。……ちょっと、難しいけど……僕は本当に僕自身として、作られたキャラクターなんて物とは無関係に、あなたが好きだから…」
向けられた真っ直ぐな視線が、心臓どころか全身を射抜く。
ただでさえ上昇傾向にあった体温が更に急上昇したというのは勘違いでもなんでもあるまい。
「…いかん」
「え?」
「余計に好きになる…」
思わずそう言った俺に、古泉はきょとんとした顔をした後、小さく声を立てて笑った。
その明るい笑い方も、これまでなら非常に珍しかったものであり、俺の心臓を揺さぶる。
「なら、やっぱり敬語は抑えておくことにしようかな。癖になってるから、時々出てしまいそうだけど」
それで、と言った古泉が俺を見つめ直す。
一途なまでに真っ直ぐな視線は変わらず、ただ少し、ためらいを滲ませて。
「どうした?」
「…本当に、いい?」
「いいって……」
何がだ。
「…このまま、してしまって」
「…ああ」
俺があっさりそう言ったからだろう。
古泉は怪訝な顔をして、
「何をか分かってる? なんか、不安になるんだけど……」
「分かってるに決まってんだろうが。この状況で全く分からないとでも思うのか?」
「だって……あなたの鈍さを間近で見ていると不安になるんだ。本当に、大丈夫なんでしょうね?」
「何度も言わせるな。それとも何か? これからすることを全部俺の口から言わせたいような鬼畜属性をお前が持ち合わせてるとでも言うのか?」
「そんなことはないけど…」
「とりあえず、」
俺は一方的に会話を打ち切り、
「服、脱がせてくれ。俺もお前の脱がせてやるから」
「……うん」
喜色に顔をほころばせながら頷いた古泉の手が、俺のTシャツにかかり、子供がされるようにずぼりと脱がされる。
俺も、古泉のシャツのボタンに手を掛け、ひとつひとつ外してやる。
服を脱がせるのだって初めてじゃない。
なのに、これまでとはあまりに違って思えた。
緊張とも不安ともつかないものに、胸が早鐘を打つ。
昨日も風呂で見たはずの素肌に体温が跳ね上がる。
少し汗ばんだ肌にキスをすると、しょっぱかった。
「っ、な、何ですか…!?」
「何って…いけなかったか?」
「いけなくは…ない……けど…ビックリしましたよ…」
赤くなっている古泉が愛しくて、その頬にキスをすると、唇にキスされた。
触れ合った唇が糸を引きながら離れ、今度は俺の肌に触れる。
ぴくりと体が跳ねるほどくすぐったい。
「一樹…っ…」
「嫌?」
「…い…やじゃ、ない、が……」
「じゃあ、恥かしいとか?」
「…いや」
恥かしいとは、不思議なくらい思わなかった。
それ以上に、
「…もどかしい、から……」
「……本当に可愛い人だ」
くすりと笑われたが、嫌ではなかった。
からかうというよりも、優しさと愛しさに満ちた笑みだったからかもしれない。
「僕も、もどかしい。でも、焦りたくないとも思う。……ゆっくり、あなたを知りたい…。これまで、知らずにいた、あなたを」
「いくらでも…っ、好きにすれば、いいだろ…!」
お前がこれだけ見せてくれてるのに、俺ばっかり隠すのはフェアじゃない。
何より、知って欲しいと感じていた。
俺自身ですら知らないようなところまで、知っていて欲しい。
どんなところも、愛して欲しい。
愛してくれると、根拠のない信頼感と共に感じる。
「好きだ…」
「僕も好きだよ。愛してる。あなただけ、だよ。こんな気持ちになるのは…」
優しく囁いた唇が、胸の突起に触れると、もどかしさを煮詰めたようなむず痒さが湧き上がる。
思わず古泉の体にすがるように抱きつけば、
「痛かった?」
と聞かれたが、そうじゃない。
「わ、からん…から、しがみつくくらい、許せ…」
「…いいよ、あなたの好きにして」
微笑みながら、古泉の指先は少しずつタッチを変えながらそこに触れる。
その度に体を震わせる俺に、愛おしげな視線を惜しみなく注ぎながら。
「ぁ、っ、ん……! う…ふ、ぁ…!」
「気持ちいい?」
「…って、言う、のか…? なんか、もう、分からん……」
「嫌じゃないなら、いいと思うけど……」
「なら、いい…から……」
そう告げて、キスを求めれば深く口付けられる。
どこまでも古泉が欲しくて仕方ない。
飢えたような、渇いたような感覚が止まらない。
同時に、満たされる思いも感じているくせに、それ以上に欲しいと願うのは、欲張りなせいだろうか。
「僕も同じですから。…いえ、むしろ、僕の方がずっと欲張りだと思う」
「は…ぁ?」
「あなたが欲しいんだ…。あなたに、受け入れて欲しいって、思ってる…。それが、あなたを傷つけかねないと分かってるくせに」
「ばか」
言いながら、むにっと古泉の頬を引っ張ってやった。
出来上がった間抜け面を笑うことも出来ず、ただただ愛しいと思う。
「多少痛かろうがなんだろうが、構うか。男の矜持なんてものはもうとっくに投げ棄てたようなもんだ。それ以上に、お前が俺のことを好きだって言って、そんな必死になって俺を求めてることの方が、嬉しいんだよ、俺は。だから……お前を俺に、くれ」
「……本当に、いい?」
「くどい」
「…そうだね。しつこく聞いて、呆れられても嫌だから。――ありがとうございます。…愛してる」
「ん…俺も、愛してるから……」
「あなたを好きになってよかった。あなたに出会えてよかった。あなたと…こんな風に信じあえるようになれて、よかった」
嬉しそうに言った目元に涙が滲む。
そういう台詞はもう少し後に取って置けよ。
それより今は、
「一樹…、お前の言いたいことはよく分かる。俺も同じだ。だが、それは今はちょっと横によけておけ」
「はい?」
「……俺も、普通の男子高校生なんだよ」
思春期真っ只中であり、盛りのついた犬みたいなもんなんだ。
察しろ。
「……ああ、うん、分かったよ」
くっくっと笑った古泉が俺のズボンに手を掛ける。
カチャリと金具の擦れ合う音がして、狭苦しい中から一気に解放される。
下着ごと引き抜かれたズボンはただの布の塊と成り果てて、床に放り出された。
「は…ぁ……」
「苦しかった?」
「うるさい。お前だって相当だろ」
「…まあ、そうだね」
「だったら、さっさと脱げ」
そう言いながら手を伸ばし、きつそうにしているものを取り出すべくズボンの前を寛げてやると、それすら苦しいくらい張り詰めていた。
「相変わらずでかいよな…」
ぽつりと呟くと、古泉は恥かしそうに苦笑いを浮かべ、
「相変わらず、って言われてしまうようなことを、これまでにして来たんですよね」
「…だな」
一緒に風呂に入ったりとか、体を洗いあったりとかな。
「なのに今はこうしてるなんて。…本当に、人生というのは分からない」
楽しげに言って、古泉は俺にキスを寄越す。
「だから、…したいって言ってんだろ?」
「はい?」
「…もしまた、これがただの友情なんかに戻っちまったらってのが、…俺は、今一番、怖い」
途切れ途切れに言った俺に、古泉は困ったように眉を下げながら囁いた。
「心配要らないよ。たとえあなたがそんなことを言い出しても、僕の方がもう退けないから」
「嘘吐け…」
お前のことだから、そんなことになったらあっさり身を引いて、後でひとりで泣くに決まってる。
そこで長門が慰めに行ったりして、お前らが付き合うことになりでもしたら、俺は悔やんでも悔やみきれん。
だから、
「…本当に、そういう意味で好きなんだってことを、教えてくれ」
言葉だけじゃ足りないと痛感したところだろ。
「……ん。分かった。でも、絶対に無理はしないでくれると約束して…?」
「分かった」
約束の証とでも言うように唇を触れさせた。