ありえない感じの超展開で容赦なくエロです
ちょwおまwwwと噴きだす覚悟でどうぞ
口に飲物を含むことは推奨もしませんがとめることもしないでおきます←
ふと気がつくと、どこか分からない場所にいた。 まったく見覚えのない、草っ原の真ん中だ。 こんな広くて、草しか見えないような場所なんて俺は知らない。 広すぎて恐ろしくなってもいいはずなのに、それ以上に気持ちのいい場所に思えた。 おそらく、吹き抜ける風や草のにおいが心地好いからだろう。 それなのに、それがどこか鈍く感じられて、何かがおかしいぞと首を傾げて気がついた。 何かおかしい。 前足を伸ばして頭に触れようとしてぎょっとした。 俺の前足じゃない。 これは人間の手だ。 手だけじゃなくほかの部分もどうやらおかしくなっているようだった。 残っている部分で俺らしい部分といえば、耳と尻尾くらいのもので、あとは全部人間になっちまっている。 それも、服までしっかり着せられて、一体どうなってるんだと窮屈な首元を緩めながら首を捻っていると、俺と同じような服を着た人間の男が歩いてくるのが見えた。 正確に言えば人間じゃないのかもしれない。 そいつには俺と同じように耳と尻尾があったからな。 だがそれは、俺のと違う形をしていて、猫のものだと分かった。 どこかで見たような色と形だが、さてどこで見たんだったかな、と思っていると、近づいてきたそいつがにっこりと笑って、 「あなたもいたんですね」 と言った。 ………って、 「お前、古泉か!?」 俺がそう叫ぶと、そいつは情けなく眉を下げ、 「酷いですね。分からなかったんですか? 僕はすぐに分かったのに」 「あー……なんというか、その、すまん」 まさかお前までそんなことになってるとは思わなかったんだ。 それにお前、やけにでかくないか? 「そうですね。あなたより、身長は高いんでしょうか? 体格も、僕の方が少しよさそうですね」 いっつも見下ろしている相手に見下ろされるってのも変なもんだ。 姿形が変わっている分、余計に妙に思える。 「というか、この状況は何なんだ?」 「さあ」 あっさり降参するように言った古泉に、力が抜ける。 「さあって」 「僕にも分かりません」 そう言った古泉に俺が思わずため息を吐くと、 「…力になれなくてすみません。でも、あなたも僕も立場は同じでしょう?」 「ああ、そうだったな。…すまん」 この訳の分からない状況に、俺もどうやら苛立っているらしい。 いえ、と小さく答えた古泉の顔をまじまじと見たのは、気晴らしにでもならないかと思ったからだったのだが、余計にため息が零れた。 人間になっててもかっこよくて、いっそ嫌味な存在だな。 「褒めるか貶すか、どちらかにしませんか?」 苦笑した古泉が俺をじっと見つめる。 その視線がなんとも言えずくすぐったい。 「よせ」 と顔を背けたところで、 「ねぇ、抱きしめてみてもいいですか?」 と、どこか熱のこもった声で言われた。 「抱きしめてって……」 何のためにだ。 「したいから、です。いいでしょう? こんな機会、きっともうありませんよ? あなたを抱きしめるなんてことは、普段の僕には絶対に出来ないことなんですから」 そう言われると抵抗もしかねて、俺がぐっと黙り込んだのを、古泉は了承と取ったらしい。 俺に近づき、有無を言わさず抱きしめてきた。 すっぽりと抱きしめられるなんて、飼い主にしかされたことがないようなことで、びくりと体が竦む。 俺の耳が伏せたのを見て取ったのだろう。 古泉は苦笑しながら、 「大丈夫ですよ」 俺を安心させるように優しくそう言って、俺の背中を撫でた。 落ち着かせようとしてのことなのだろうが、俺に遠慮しているからか、かすかにしか力が込められておらず、安心感とは全く逆の方向性を持ったざわめきが背筋を駆け抜けた。 思わず体を竦ませ、耳を立てた俺に、古泉は困ったような顔をした。 「すみません、慣れない体だからでしょうか。どうも、うまく行かなくて……」 そう下手に出られると、俺は強く文句を言うことも出来ず、 「もう少し、力、入れていいぞ」 と言ったのだが、妙に聡明な古泉にはそれで十分すぎるほど俺の状況が伝わってしまったらしい。 「ああ、くすぐったかったんですか」 と言った後、にやりと人の悪い笑みを見せ、 「それとも、……感じたんですか?」 ぞくりと来るような声を、俺の耳に吹き込んだ。 反射的に逃げを打とうとする体を強く抱きしめて、 「ねえ、今ならこんなことも出来てしまうんですよ?」 と笑いながら俺を草の上に押し倒す。 「ちょっ……古泉!?」 「怯えなくていいですよ。いつものように、毛づくろいをして差し上げたいだけですから」 「うそつ…っ、ひ、ぅ…!」 いつもと違ってざらついていない古泉の舌が、俺の耳を舐め上げ、それから顎に、頬にと触れていく。 それだけのことが恐ろしくくすぐったいのは、このやけにつるつるした皮膚がどうしようもなく頼りないからに違いない。 「可愛いですね」 ぽそりと呟かれた声が妙に熱を持って聞こえた。 「かわい、く、なんか…っ、ぁ、ふああ…!」 「撫でられてるだけなのに、そんなに感じるんですか? 飼い主にだって撫でられてるでしょうに」 「そりゃ、そうだ、が…、ん、これ、おかしい、だろ…ぉ…」 やばい。 くらくらしてきた。 ぞくぞくぞわぞわしたものが熱という形になって現れ始めている。 それを古泉に起こさせられて、いいんだろうか。 飼い主やハルヒに撫でられたって、こんなことになりやしない。 こんな風になる原因はおそらく、体が違うせいか、古泉にされているせいだ。 「僕だからなら、こんなに嬉しいことはありませんけどね」 言いながら古泉が器用に俺の服を脱がせ、露わになった肌に印を残すように唇を落としていく。 「や…っ、こ、いずみ…!」 「気持ちいいんでしょう?」 古泉の目がこちらを見た、と思ったらそれだけでぞくりとするような光を帯びた瞳に、俺の体が抵抗力を失っていく。 こいつは何か魔性でも備えた猫だったりするのか。 古泉の薄い唇が俺の唇に重なり、入り込んできた舌が俺のそれをも絡めとると、余計に力が失せた。 とろりと蕩かされ、四肢を投げ出す俺の唇を舐めながら、 「気持ちいいなら、いいじゃないですか」 「そういう…問題じゃ……」 「他に何か問題でも? 僕はあなたが好きだと、何度も言ったでしょう? それにあなたも……僕のことが好きになってるんじゃないですか?」 聞きようによっては、いや、どう聞こうが自信満々で腹の立つ発言だろうと思う。 だが、そんな言葉とは裏腹に、古泉はすがるような目で俺を見つめた。 突き放さないでくれと、捨てないでくれと訴えるように。 そして、たとえ図体が大きくなっていようが、姿形がどんなに変わっていようが、俺が古泉のそんな視線に勝てるはずなどないのだ。 だから俺はそっとため息を吐き、 「なんと言っても止めないんだろ。それなら、勝手にしろ」 「…ありがとうございます」 古泉が心底嬉しそうに笑ったのは、今のが俺なりの、最大限の譲歩による精一杯の誘いだと通じてしまったせいだろう。 幸せそうに微笑みながら、古泉が俺の頬を唇を舐める。 「愛してます。あなたが好きなんです」 そんなもん、今更だ。 今みたいに同じような格好になってなかったとしても、古泉はそう言い続けて来た。 自分よりでかい犬に向かってな。 そこに疑う余地などありやしない。 種族の違いだの性別だのを軽く飛び越えるこいつの柔軟性には真似しようと思っても出来ないものがあるが、こいつがそうして飛び越えてきてくれるなら、俺はそれを受け止めればいいのだろう。 そう腹を決めようとしたのだが、 「…あなたと交尾したいです」 という古泉にしてはかなりストレートで分かりやすく、しかしながら結果としてこの野郎に余裕がないと明確に示すような発言に血の気が引いた。 「ちょ、ちょっと待て古泉! 俺はオスでお前もオスだ! つまり交尾なんぞ出来ん!」 というか、出来て堪るか。 あんな痛そうなことしたくないぞ俺は! 「大丈夫です。痛くないようにしますから…」 「たとえ痛くなかろうがそんなことをしたところで俺は孕めん!」 「分かりませんよ? 今、僕達がこんな姿になっていること自体、本来ならあり得ないことです。それならば、あなたが孕んでくださる可能性だってないわけではないでしょう? それに、」 嫣然たる微笑を浮かべた古泉が、俺の脚の間で存在を主張し始めてるそれに触れた。 「あなただって、こんな風に発情してるじゃないですか」 「…っ、だ、誰の、せいだと思って…!」 と言うかそこを直接そんな風に触るんじゃない! 「ねえ、お願いします」 そう古泉が懇願してくるのは多分あれだ。 猫も犬も、一応双方の合意の上に交尾をするものだからだろう。 しかし、いくら頼まれようともこればかりは……。 「ひっ、ん、…ぅあ…!」 拒もうとしたのを見て取ってか、古泉が俺のそれを口に含んだ。 送り込まれる快感に全身が震える。 「やっ、こ、こいず…っ、やめ…!」 器用な舌でそれを舐め上げながら、古泉がじっと俺を見つめる。 俺がどこで感じているのか探るように。 「ねぇ、お願いです。交尾させてください。ちゃんと、あなたも気持ちよくさせますから」 だからそういう問題じゃないと言ってるだろうが。 「……本当に、嫌ですか?」 そう言ってるだろうが、と言い返したいのに出来ない憐れっぽさが古泉にはあった。 思わず俺が黙り込むと、 「僕の子供なんて、産みたくないですか」 「いや、だからな、そもそもそれが無理なんだと…」 「たとえ無理でも、」 俺の言葉をきっぱりと遮って古泉は言った。 「あなたとひとつになりたいんです。あなたを感じたい…。あなたと一緒に、気持ちよくなりたい」 だめですか、なんて上目遣いに聞くのは反則だと、誰かこいつに説教してやってくれ。 俺はしばらく唸りながらどう言ったものかと考えたが、妙案が浮かぶはずもなく、諦めた。 「…勝手にしろ。ただし、俺が孕まなかったからって落ち込んだりするなよ」 「はい」 と笑った古泉が俺の体をうつぶせにさせる。 姿形は変わっていても、四足をつく方が安心するのだが、なぜだか妙に恥ずかしく思えた。 俺の背中に伸し掛かるようにして、古泉が俺の首筋に軽く噛み付く。 ああ、猫はそうやるんだったか。 「愛してます」 そう囁いた古泉の指が、俺の尻尾に触れる。 びくりと竦むように動くそれを甘噛みして、尻尾の下に隠れていた場所を古泉が舐めた。 母猫が子猫にするように。 そのむず痒さに勝手に暴れる尻尾を指先で弄びながら、古泉が少しずつそこを湿し、舌を入り込ませる。 「…っふ、ん……ぁ…」 堪えきれない吐息のようなものが俺の口から零れると、気をよくしたようにそれが大胆さを増した。 元々舌というのは、日常であれこれ使うからか、結構器用だ。 こういう時には全く以って無駄でしかないほど器用に動き回るそれで、そんな刺激に慣れない部位を刺激され、俺の体からずるずると力が抜けていく。 地面に胸までつけて、上半身を冷たい草の上に投げ出しても、下半身は高く上げて、古泉の前に突き出すような形になったのは、古泉が支えているせいだということにしておいてくれ。 「凄い、ですね」 興奮に上擦った声が聞こえたと思ったら、そこに指を押し入れられ、 「ふあっ…!」 と一声高い声が漏れた。 古泉は片手で俺の腰を撫でながら、解すように指を動かして、 「素敵ですよ。艶かしくて、綺麗で…。それに、あなたの匂いも、」 「あっ、ん、…い、言うなぁ…!」 発情してればそういう匂いがするのは当然だし、そうさせたのはお前なんだからお前が言うな。 「気持ちいい、ですよね?」 「…悪けりゃ、…ハッ……こん、な、なるか…!」 夏の暑い盛りみたいに息を荒くしながらそう言えば、古泉が笑ったのが分かった。 「嬉しいです」 「ぅ、あ…!」 だからっていきなり指を増やすんじゃない。 「でも、大丈夫そうですよ? 少なくとも痛くはないでしょう?」 「それでも、一言くらい断れっ…! ん、ぁ、あぁ…!」 ダメだ。 まともに喋れもしない。 俺は別にメス犬でもメス猫でもないっていうのに、なんでこんなことがこんなにも気持ちいいんだ。 「それはやっぱり、」 と今日は随分と安売りされて来た中でも一番と言っていいような、幸福でいっぱいの笑みを見せた古泉は、 「愛し合ってるからじゃないですか?」 と突拍子もないことを抜かしやがった。 「待て…っ、誰と誰が、あ、愛し合ってるって?」 「僕とあなたに決まってるでしょう」 「お前が俺を愛してるというのは分かった。が、俺がお前を?」 あり得ないだろう。 俺は愛だの何だのと抜かすほど人間じみちゃいねえ。 「人間じみているとか、そういうことは関係ないと思いますよ。…あなたは確かに優しくて、ちょっと要領が悪いんじゃないかと思うくらいお人よしですけど、でも、本当に嫌だったらちゃんとそう言う方でしょう? そういう時は本当に冷たいくらいはっきりと言うのに、今はそうしないということはつまり、あなたが許容してくれているということで、つまりはあなたも僕とこうしたいってことですよ」 「な…っ……」 かぁっと顔が赤くなる。 顔だけじゃなくて全身の血が沸騰したみたいに熱くなる。 「図星でしょう」 「んなこと…」 「ないと言い切れますか?」 俺は絶句した。 俺が古泉を好き? それも、こんなことをするくらいに。 まさか、と思いながら納得している部分もあることに驚いた。 だってそうだろう。 嫌だったらもっと抵抗しているし、逃げ出しても不思議じゃない。 それなのに俺は最初から、そう、まだ古泉が悪ふざけだと言い逃れられるような余地を残していた段階から既に、許しちまっていたんだ。 なんてこった。 古泉は俺の内心をすっかり見透かした様子でクスリと笑うと、 「分かっていただけましたか?」 「……」 俺は言葉を口に出来ないまま頷くしかなかった。 「嬉しいですよ。これでちゃんと交尾出来ますね」 そう微笑んだ古泉が俺の中から指を引き抜き、代わりに昂ぶったものを押し当てる。 その怖いくらいの熱さに息を呑むと、 「力、抜いてください…、痛くしたくないんです」 分かった、努力はする。 それが報われるかは分からんがな。 唸りそうになりながら何とか息を整えると、 「入れますよ」 「ああ…」 ぐちりと食い込むようにそれが入り込んでくると想像以上に痛かった。 痛いのだが、それを上回る快感に、ずぶずぶと沈みこむ。 「いっ…、ぅ、くぁ、あぁ…っ、ん…!」 体を仰け反らせて、恥ずかしげもなく声を上げる。 思考なんてもうぐちゃぐちゃに訳が分からなくなっていて、沈み込むというよりは高揚するとした方がいいのかなんてどうでもいいことを考えていた。 腰を打ちつける音が耳を刺す。 濡れたような音も。 「こい、ずみ…っ、はげし、から…!」 激しすぎて息さえ止まりそうになりながらなんとかそう訴えたってのに、 「すみませんっ…、あなたの中、気持ちよくて…止められませ…っ」 「なっ…、ひ、ぁあっ…!」 このバカと罵ることも出来ないまま、俺はふつりと気を失った。 目が覚めるなり、俺は慌てて自分の体を確かめた。 いつも通り、焦げ茶色の体毛に覆われた犬の姿だ。 よかった、全部夢だったんだな。 …とほっとしたのも束の間、そんな夢を見ちまった自分に全力でのた打ち回りたくなった。 暴れまわろうにも狭い犬小屋の中、それも隣りに古泉がすやすやと眠っている状況では出来るはずもない。 諦めて寝なおそう。 そしてあんな夢のことは忘れてやれ、と思いながら、罪もない古泉の寝顔を恨みがましく見ていると、古泉が小さく身動ぎした。 その口が開かれた、と思ったら、 「んん……もう一回だけ…」 と抜かしやがった。 ――分かった。 俺があんな夢を見たのはお前のせいなんだな? たとえ違うとしても責任は全部お前にくれてやろう。 俺はむしゃくしゃしながら古泉のちっぽけな体に顎をのせ、もう一眠りすることにした。 噛み付いてやらなかっただけありがたく思え、と。 しかし、俺はすぐに後悔することになった。 古泉を枕にして眠ったからか、妙な夢をまたもや見ちまったからな。 ぴょこぴょこと猫だか犬だか分からないような、五匹のちまっこい生き物に囲まれる夢だ。 そいつらは俺を見上げながら口々に、 「ママっ、パパが呼んでたわよ!」 「お母様ったら、お寝坊さんですね」 「母上は忙しいから仕方ない」 「どうでもいいが、親父が鬱陶しいから何とかしてくれ、お袋」 「母さんも大変ですね」 なんて喋っていた。 …誰がママでお母様で母上でお袋で母さんかなんてことは、父親が誰かなんてこと以上に聞きたくなかった。 |