古泉女体化で古キョンエロを含みます
温いですけど←
ソファに座った俺の首の辺りに、ふにゃりと頼りないほど柔らかな感触がある。 押し当てられているのは間違いなく、女の胸だ。 しかし、だからと言って、俺が浮気しているとかそういうわけじゃない。 ただ単に、古泉が女になっちまっているだけだ。 そんな異常事態をそれだけと言い切れる俺も、いい加減感覚が麻痺しているとは思うのだが、実際ハルヒにはそれくらい振り回されているのだから仕方ない。 先日は俺が小さい子供になっちまって酷い目に遭ったし、俺が猫耳猫尻尾装備の上精神状態まで猫にされた、なんてこともあったらしい。 後者については記憶がないのがありがたいくらいの醜態を演じてしまったらしく、にやにやと、それこそお前の方がよっぽど卑猥だと言いたくなるような笑顔で報告する古泉を刺さなかった自分を褒めてやりたい。 さて、この通り俺も古泉も慌てていない状況から分かるだろうが、古泉が女になっちまったということはとっくの昔に長門に相談済みだ。 朝、目が覚めた段階で古泉が女になっていたその時こそ、かなり狼狽し、どうして自分が見知らぬ美少女と同衾しているのかと慌てたものだが、話をすれば慌てることなどないと分かり、普通に過ごしている。 長門にも、一日程度で戻るとのお墨付きをもらったしな。 それなら、とお互いこの状況を楽しむことにして、今日は珍しくもデート染みたことをしてきたわけだ。 と言っても、手を繋いで近所のスーパーまで買い物に行ったくらいなのだが、それでも古泉は嬉しそうにしていた。 ちなみに服は元の男物の服も女物に変わっていたので色々と用意する手間は省かれたが、そんなものを着なければならないということに流石の古泉もげんなりしている様子だったのが面白かった。 「ねぇ、」 耳元で、いつもより高くはあるものの、いつものように落ち着いた声が響く。 「何をにやにやしてるんです?」 「別に」 と答えたのをどう解釈したのか、古泉は不貞腐れたような声で、 「あなたは女性の胸が大好きですからね。たとえ僕の胸であっても嬉しいんでしょう?」 それは否定しないでおこう。 俺だって男だからな。 俺は仰け反るようにして古泉の顔を見上げると、 「まさかとは思うが、お前、もしかして自分に妬いてんのか?」 「…自分に、と言っていいのでしょうか。女性というものには、確実に嫉妬していますけどね」 唇を尖らせた古泉は、 「今だって、そんなににやけて締まりのない顔をしているのは、この胸のおかげでしょう?」 「そうかもな」 自分から言ったのだから、俺の返事だって予想済みだったろうに、古泉はいよいよ不機嫌な顔になった。 精神的にも女になっちまってるってことなのかもしれないな。 「そんなに好きなら、触ってきたらどうです?」 挑発するように――いや、事実挑発しているんだろう――古泉は言った。 「それとも、僕だから触る価値もありませんか」 その言葉には流石に顔をしかめた。 「お前な、いい加減にしろよ」 「どういう意味です」 一触即発と言わんばかりの空気の中で、俺はソファから立ち上がり、古泉を正面から見据えた。 「今更俺が、お前の性別なんかにこだわると思ってんのか?」 だとしたら、それは俺に対する侮辱だろう。 それどころか、お前自身も傷つけることじゃないか。 大体、 「その程度の感情なら、俺だってここまで苦労しねぇよ」 「……苦労、してらっしゃるんですか」 ぽかんとした表情で古泉が尋ねてくるのへ、俺はこっくりと頷いた。 「してるに、決まってんだろ」 本当に、性別なんかを気にする余裕があったら、俺の生活ももう少しくらいマシだっただろうよ。 そうでなければ、何が悲しくてせっかくの休みにわざわざ二日連続で男の部屋に転がり込まねばならんのだ。 それも、何をされるのか承知の上で。 「嬉しいです」 ほっとしたように笑った顔は、美少女になっているせいでいつもよりさらに華やかに見えた。 「好きです」 ソファの向こうから古泉が手を伸ばし、俺の体を抱き寄せる。 いつもと違って華奢な体に違和感は感じても、古泉だと分かっているからか、想像よりも平気だった。 「あなたを好きになって、よかった。好きになったのが、あなたで、よかった」 「…そこまで言うほどのことじゃないだろ」 顔を背けながら言うと、古泉が鼻にかかるような笑いを小さくもらし、 「そう恥ずかしがらないでくださいよ。あなたのことですから、ご自分が僕のことを好きだということをあからさまに表現するのが照れくさく感じられているのだろうということくらいは分かりますけど」 「なっ…」 「照れてるんでしょう?」 くすくすと笑った古泉の頬が少しだけ赤い。 「僕も、少し恥ずかしいです。ストレートに表現するなんて、僕らしくないことですからね」 「…お前はそれくらいの方が丁度いいんじゃないか?」 妙に回りくどくされても理解できんからな。 「そうですか? では、」 と言った古泉が俺の耳元に唇を寄せて囁いた。 「ベッドに行きませんか? 勿論、ただ寝るだけではありませんけど、いいですよね?」 ……ストレートに言えばいいってもんじゃねぇだろう。 呆れながら苦笑して、 「お前が嫌って言うくらい胸を触るかも知れんぞ」 と言ってやれば、さっきなら凹んだだろうに、今はにこにこと笑いながら、 「構いませんよ? その分、僕もあなたの体に触りますから」 ああそうかい。 好きにしろよ。 どうせ今の体じゃ触る以上のことは出来ないだろうからな。 寝室に移動した俺たちは、どちらからともなくベッドに倒れこんだ。 お互いの体を抱きしめあいながら、唇を重ねる。 そうこうするうちに古泉の手が俺のシャツに入り込み――って、ちょっと待ちやがれ! 「もう、なんです? いいところなのに」 何がいいもんか。 「こういう時くらい、お前が下じゃないのか!?」 恥らいの欠片もなくそう言うと、古泉は意外そうに目をぱちくりさせた。 そんな表情も可愛いのだが、だからと言って何もかも許容できるわけじゃない。 「…えぇとあの、もしかして、僕のことを…抱きたい、と、そう、仰るおつもりですか?」 珍しくしどろもどろになりながらそう言った古泉に、 「それが何かおかしいか?」 「おかしくは…ない、ですね。ええ、全くその通りです。しかし…」 少しばかり迷うような素振りを見せた古泉だったが、その花も恥らうような風情からは程遠い言葉を吐き出しやがった。 「あなたに女性を抱けるとも思えないのですが」 とな。 一瞬、何を言われたのかと思った。 が、すぐに頭に血が上る。 「お前なぁ…!」 「すみません、あなたを侮辱するつもりでもなければ、からかうつもりでもないのですが、つい…」 ついってことは本気でそう思ってるということだろうが。 そっちの方がよっぽどタチが悪い。 「でも、実際どうなんです? 抱けそうですか? 言っておきますけれど、僕は別にあなたを抱きたくてあなたと交際しているわけではありませんので、あなたに抱かれる、というのも決して嫌ではないんですよ? むしろ、それくらいあなたに求められたとしたらそれはとても光栄なことだと思います。けれど、あなたにそんなことが出来るとは、少々、思えないんですよね」 黙って聞いてれば好き放題言いやがって、ということも出来ず唸る俺に、古泉はにっこりと微笑むと、 「僕に経験があれば、あなたをリードして差し上げたっていいんですけれどね。生憎、こんな経験は初めてですので、それも難しいようです」 「お前がその状態で俺を抱くよりはよっぽど難しくないだろうが…」 唸るように言うと、古泉は笑みを崩しもせずに、 「そんなこともありませんよ?」 と言って俺の首筋にキスをした。 それだけでびくりと体が震える体が忌々しいことこの上ない。 「レズビアンの女性と同じことです。あなたの敏感な体のことはきちんと知り尽くしていますからね。この体でも十分、あなたを気持ちよくして差し上げられますよ」 自信満々に囁きながら、ねっとりと首筋を舐め上げられる。 「っ、ん……!」 「ですから、大人しくしていてください。流石にこの体格差ではあなたに本気で抵抗されたら怪我をしてしまうかもしれませんから。ね」 そんな言葉で俺の動きを封じた古泉が、俺の体を撫で上げる。 シャツをまくり上げられ、露わになった胸の突起に白くて細い指が触れる。 いつもなら、俺よりでかくてごつい古泉の手が、今は長門や朝比奈さんの指のように頼りない。 その違和感と、腹の辺りに触れる胸の感触が、俺に奇妙な錯覚を起こさせる。 自分が、古泉じゃない別の誰か、それも女の子に襲われているような気分だ。 「屈辱的、ですか?」 俺の胸の辺りを舐めたり、キスしたりと、悪戯のような動きを繰り返していた古泉が、俺を見上げて笑った。 「でもあなた、そういうのも好き…ですよね?」 「人を、変態みたいに…っ言うな…!」 「だって、事実でしょう?」 楽しげに笑いながら古泉が俺の股間を豊満な胸で押し潰す。 「勃ってるのは、胸を触られたからですか? それとも、僕の胸が当たっているから?」 両方だよ馬鹿野郎! 古泉は俺の反応に気をよくした様子で、俺の服を脱がせるとゆるく立ち上がったそれに軽く舌を這わせた。 「味覚に変化はないようですね」 「…っ、何、検証してんだお前は…!」 「滅多にない機会ですからね。少しでも色々なことを確かめてみたいと思いませんか?」 ……俺も大概ハルヒによるとんでもない現象に慣れたと思っていたのだが、こいつには負ける。 どれだけポジティブなんだ。 「口は…少し小さくなってるみたいですね」 そう言った古泉の吐息がかかり、びくりと体が震えた。 そのまま、暖かな口の中に迎え入れられ、俺は唇を噛み締めた。 やられていることはいつもと変わらない。 ねちっこいくらいに弱い部分をしゃぶられ、茎を手で扱き上げられているだけだ。 いや、俺だって、それだけと言ってしまうには余りにも技巧的だということは分かっている。 しかし、今俺が言いたいのは、それがいつもと変わらないということであって、古泉の技術がどうということではない。 いつもと違うのは古泉が美少女になっちまっているということであり、それによって生じる問題とは、俺がその視覚情報にヤバいくらいに感じている、ということだ。 そう思うと、俺も一応男だったんだなと思わないでもないが、そうであればこそ、曲がりなりにも女の子になっている古泉に喘がされるのは勘弁願いたい。 「声、出していいんですよ?」 殊更にいやらしく舌を使いながら、古泉が言った。 そこで口を開いて文句を言えば情けない声が漏れることは目に見えているから、俺は口を閉じたままぶんぶんと頭を振って拒否の意を示した。 「いつもみたいに、聞かせてくださいよ。ねぇ」 古泉はそう言って口いっぱいに頬張ると、それを吸い上げた。 「――…っ!」 白濁を吐き出しながらも、なんとか声を堪えきった俺に、古泉はつまらなさそうな顔をして、 「どうして聞かせてくれないんです?」 「嫌だからに、決まってんだろ…」 「何が嫌なんです? 僕に声を聞かれたって、今更のことでしょう?」 ああ、そんなことは分かってる。 だが、それでも嫌なものは嫌なんだ。 「…強情な人ですね」 呆れたようにそう言いながら、古泉の指が更に奥へと伸びる。 「やっ……! そこ、は…」 「こちらの方がいいんでしょう?」 誰がそんなことを言ったというんだ。 「あなたの体は、その素直じゃない口よりもずっと正直ですからね。それとも、嘘がつけない、とでも言いましょうか」 「…っぁ!」 唾液と白濁の絡んだ細い指が、俺の中を探る。 浅く差し入れて、内壁をぐるりとくすぐり、それからまた引き抜いてみる。 それは焦らすというよりも、まだ様子を見ているだけに過ぎない、控え目な動きだ。 古泉のやり方はいつもそうだから、とそれは分かるのに、それでも腰が揺らぎ、体が震える。 情けなくて、泣きそうになる俺に、 「声、聞かせてください。それとも、この姿では駄目ですか?」 古泉は、苦しげな声でそう言った。 「……古泉…?」 何でお前そんな苦しそうなんだ。 驚きながら見つめた表情は、やはりどこか悲しげに歪んでいた。 「……っ、だって…!」 じわり、と古泉の目尻に涙が滲む。 「僕だって、不安、なんですよ…! 一日で戻ると言われてはいますけれど、涼宮さんの気が変わったりしたら、戻れないかもしれませんし、そうなっても、あなたが、側にいてくれるか、僕には…っく、わから、ない、んです…」 ボロボロと涙をこぼしながら、古泉は俺に抱きついた。 胸があたるとか、そういうことはもう関係なかった。 反射的に古泉を抱きしめると、古泉はしゃくり上げながら、 「今、だって、こんな風に、泣いてしまって…! 精神まで、女性になってしまったら、もう戻れないように思えて、怖くて、怖く、って…」 精神まで女に、というのは本当にそうなりかかってるんだろう。 だから、古泉は今こんな風に泣いちまっているのに違いない。 面白がり、楽しんでいるように見えたのは――ある程度は本気だったのだろうが――虚勢だったのかもしれない。 それに気付けなかった自分が情けなかった。 「古泉、」 涙を止められなくなっている古泉の背中を撫でながら、言い聞かせる。 「いるから。お前がこのまま戻れなくても、お前の側にいる」 「…友人、と、して、…っ、ですか…っ!?」 「恋人としてに決まってるだろ」 すすり泣きながら、古泉は俺を見つめた。 目元がすっかり腫れているのが、余計に痛々しく見えた。 「……たとえ相手があなたでも、抱かれることを僕が、いつまでも許容できないかもしれませんよ」 「それでいい」 「あなたを、今日みたいに、いじめるかも、しれない、ん、ですよ…?」 「分かってる」 というかもうそれは今更だろう。 俺はもうすっかり諦め……いや、違うな。 「受け入れちまってるんだから、今更お前がどんな変態性を見せようがなんだろうが関係ないに決まってるだろ」 「――っ」 古泉が俺の胸にもう一度すがりついた。 俺の名前を呼びながら泣く古泉を見ていると、案外これが普段からのこいつの本性なのかもしれないと思った。 格好つけて、虚勢を張ってるくせに、実際には意外と脆くて、危なっかしいところもあるのが、古泉なのかもしれない。 だとしたら、俺がすることは余りない。 古泉がいつも通りの、格好つけで、見栄っ張りな奴でいられるように、調子に乗らせてやることくらいだ。 だから俺は、いつも古泉が俺にするように、古泉の耳に自分の口を近づけると、 「…なぁ、」 と囁いた。 自分ではどうってこともない声だと思うのだが、それだけで古泉が身を竦ませるのが楽しい。 俺もそんな反応をしてしまっているんだろうか。 だから古泉がわざと耳元で声を響かせたりしているのだとしたら、それはそれで面白くないなと思いながら、 「……続き、は?」 少しばかり上擦った声で言うと、古泉がぽかんとした顔で俺を見上げた。 「……え…?」 「中途半端に煽っておいて、放っておくなよ。言っておくが俺は放置プレイは死んでもごめんだぞ。放っておくくせに所有権だけ主張されても腹が立つからな」 「…えっとあの、それは、つまり……」 どんなに虚勢を張ろうとしたところで、顔が赤くなることは止められない。 「だから、」 頬に血が集まってくるのを感じながら、俺は言った。 「…っ、さっきみたいに、触れって、言ってんだろ…!」 古泉は数秒間唖然として俺を見つめたあと、クスクスと声を上げて笑い出した。 女の子らしい涼やかな笑い声に、余計にばつが悪くなる。 「ありがとうございます。…慰めて、くださってるんですよね。それも――体で」 「……っ、分かってるならさっさと浮上しろ。お前に泣かれるのは困るんだ」 「すみません、困らせてしまって」 「お前は、そうやって笑ってた方がいいんだから、笑ってろ」 作り笑いは好きじゃないがな。 「分かりました。……本当に、続きをして、いいんですね?」 改めて問われると、余計に羞恥が増すのだが、俺はなんとかそれに耐えて、小さく頷き返した。 「…ありがとうございます。……愛してます」 嬉しそうに言った古泉の指が、俺の中ではなく、半ば萎えたものに伸びる。 「…古泉……っ…?」 「こちらだけで、いいでしょう? 別に、道具を使って中を掻き混ぜてさしあげたっていいと思ってはいたんですけどね…」 おいこら、さり気なく爆弾発言するんじゃない。 「その気は失せました」 柔らかな笑みで古泉は言い、 「あなたを気持ちよくするのは、僕でなければ。…ねぇ? あなたもそう思うでしょう?」 俺は返事として、腕を伸ばし、古泉の体を抱きしめた。 |