エロですよー
襲い受けですよー
羞恥プレイな感じですよー
ご注意くださーい

































「切り離されたモノ」の続編です





繋がりつつあるモノ



俺は唖然としている古泉を床へ押し倒し、無理矢理に口を塞いだ。
「な、止めてください! どうしたんですか!?」
「うるさい」
と俺は古泉にもう一度キスをする。
俺は割と羞恥心が強い方だったはずなんだが、それ以上に衝動が強くなっているんだろう。
「説明してくださいっ!」
そう言って古泉は俺を押し退けた。
俺は不承不承、どうしてこんな状態となるに至ったかを説明することになったのだった。

夜、8時。
寝るにはまだ早いのにさっさと部屋に篭り、かつ妹が侵入して来ないようにとバリケードまで作った俺がベッドの中で何をしていたかと言うと、懸命に熱を沈めようとしていたわけだ。
どうしようもなく身体が熱い。
これが風邪だの熱病だのに由来する健全な熱ならばまだしも、これはそう言うものではなかった。
そう言えば分かるかもしれないが、俺の気を紛らわせるためにもあえて説明させてもらう。
ハルヒが俺として分離させた「弱さ」の中には、意志の弱さや人に流されるところ以外の部分も含まれていたわけだ。
あらゆる弱さと言い換えてもいいだろうその中には当然、快感への弱さや誘惑への弱さもあった訳だ。
更に言うなら、ハルヒとの繋がりが強まったことによって、俺の方にはハルヒの感情などが伝わってくる。
あいつがちょっとむらむらとして身体の熱を持て余すと、俺の方にはそれが伝わり、かつ、あいつはそれに耐えられても俺には堪え難かったりするのだ。
と言うわけで、今俺の中を占めている衝動と言うものは、それらに起因するものであり、端的に言ってしまうなら「男に抱かれたい」という種類の性欲である。
どうせバックアップをとるならどうして女にしておかなかったんだと、この時ばかりはハルヒを恨んだ。
俺は男なのに、男に抱かれたいって…。
いっそ殺してくれ、と俺は呟いた。
しかし、そうしていたところで熱が治まるわけではなく、むしろ時間の経過につれて酷くなってくるようだった。
気が狂いそうになるまで堪えた挙句、俺は古泉に電話を掛けたのだった。
そして、ここに至る。
説明をする間も俺は、古泉をもう一度床に組み伏してやろうと攻防を繰り返していたのだが、体格のせいか、それとも俺が今こんな状態だからか、それは叶わずにいた。
「つまり、僕に……その、あなたを抱け、と?」
「そうだ」
お前は不満だろうがな。
しかし、お前、確か言ったよな?
俺を守るって、長門と朝比奈さんと一緒になって、熱く語ってたよな?
「そ、それは……そうですが…」
俺は、我ながらどこの悪代官だと思いながら、にたりと笑い、
「なら、言うことを聞け」
「あっ、あなたは!」
唇まで後数センチ、というところで古泉が叫んだ。
「僕に抱かれて、それで、……いいんですか?」
いいもなにも、そうじゃないと頭がおかしくなりそうなんだが、でも、そうだな。
考えてみれば誰か通りすがりの奴でもいいと言えばいいんだよな。
だが、それは嫌だと、理性が言う。
知りもしない奴に醜態をさらすくらいなら、信用できる奴の方がまだマシだろう。
こいつは間違っても、俺に押し倒されたと言いふらすことなどしないだろうからな。
だから、――古泉じゃないといけない。
そう、
「古泉が、いい」
そう言って、俺は古泉にキスをした。
舌を求めても、抵抗はなく、おずおずと応えが返ってくる。
どうやら、納得してくれたらしいな。
「せめて…寝室に移動しませんか?」
キスの合間にそう言われて思い出したが、ここは玄関だったな。
それくらいなら、と俺は古泉の上から立ち上がった。
古泉の表情はまだ困惑が見える。
どうしたものか、考えあぐねているのかも知れない。
寝室は真っ暗で、開け放たれたままのカーテンの向こうに、鏡となった窓が見えた。
そこに映る俺はもう、俺ではないのだろう。
上気した頬も、危なげな足取りも、熱に浮かされているようにしか見えない。
電気をつけようとした古泉の手を止めて、廊下へのドアを閉めると、部屋の中を照らす明かりはなくなった。
ただ、完全な闇ではないため、目が慣れてくるとぼんやりとお互いの姿が見えるようになる。
だが、それを待つことも出来ず、俺は古泉に口付ける。
自分で自分に呆れるほど性急に、古泉を求めていた。
キスを繰り返しながら、服を脱ぎ捨てて、古泉の服も脱がせて、ベッドに倒れこむ。
「本当に…やるんですね」
緊張しているのか、それとも暗いからか、古泉の声がいつもと違って聞こえた。
「ここまで来て逃げるなよ」
「流石にそんなことはしませんが……」
が、なんだよ。
「……こんなことをしてしまっていいのか、怖くて仕方がないんですよ。涼宮さんへの影響もさることながら、今のあなたは、その…涼宮さんの影響で興奮していて、普通じゃありませんからこんなことが出来るのでしょうが、それが冷めた時、僕に対して、またこの行為に対して、どんな思いを抱くのか。それが怖くてたまりません」
正気になれたら、まず間違いなく自分の頭を撃ち抜いてやりたくなるんだろうが、仕方ないだろ。
とりあえず今は欲しくて気が狂いそうなんだから。
もしも俺が男ではなく女だったなら、下着を濡らすほどに濡れていたに違いない。
今だって、早くも勃ち上がってきているもののせいで下着が少し濡れてたのを確認して、軽く落ち込んだくらいだからな。
「……やっぱり、やめませんか」
今更怖気づくな。
「あなただって、分かってるんじゃありませんか。こんなことをして、後で悔やむのは自分なんだって」
だが耐えられないんだから仕方ないだろ。
ひとりでどうにか出来て、我慢出来るんだったら、最初からお前に助けを求めたりしねえよ。
それくらいの羞恥心は俺だって持ち合わせてる。
頭から水を被っても、普通なら萎えるようなものを見ても、体が持った熱がなくならないから、ここまで来たんだろ。
さっきだって説明したのに、そう言うってことは……ああ、つまり、そうか。
「お前が、嫌なんだな」
言いながら体を離し、ベッドに座った。
まあ、仕方ないだろう。
俺だって普通の状態の時に、「抱いてくれ」と男に言われたらドンビキするどころか塩まいて追い払った挙句警察に不審者情報として通報するに違いない。
それなのに、自分のことでいっぱいいっぱいになって、古泉の都合なんか考えられなくなってた。
最悪だ。
「……すまん」
たとえ頭がおかしくなろうとも、ひとり自分の部屋で体を抱えて悶々と耐えてりゃよかったんだよな。
いくらハルヒの弱さの集合とはいえ、ここまでとは自分でも思ってみなかった。
身勝手で、独り善がりで、わがままで。
すぐさま部屋から追い出されないのが不思議だったんだ。
「僕、は」
古泉の声に引かれて、俺は古泉を見た。
暗くてよく見えないが、その表情は泣きそうに歪んで見えた。
「あなたを抱く、という、行為そのものが嫌なわけじゃないんです。ただ…あなたが後悔すると分かっていて、それを止めずにはいられないだけで…。それに、あなたを傷つけてしまいそうで、それが、嫌だったんです」
……傷つくというなら、お前のさっきの発言と態度のせいで、俺の心は既に傷ついているわけだが?
「す、すみません。でも、本当に、あなたの体やあなたとしてのあなたの心のことを考えたら、やめておいた方がいいと思いますよ」
うるさい。
お前が俺のことを考えてくれてるってのはよーく分かった。
だがな、古泉。
お前が本気で嫌がっていないのなら、俺はもう止められないから、諦めてくれ。
「いっ!?」
と古泉が声を上げても気にせず、俺は古泉のだらりとしたモノに触れた。
考えてみるまでもなく、他人のものをこうも間近で見て、かつ手で直接触れるというのは初めてだな。
嫌悪感がないのがかえって嫌なんだが、今の状態が悪いということにしておこう。
「やめてください…っ」
古泉の声には耳を貸さないことにしよう。
大体、手で扱いてるだけなんだから、そんな声を上げるな。
「ぅ、わざと、息吹きかけたりしてるでしょう!?」
ばれたか。
息を吹きかけるのが悪いなら、他のことをしてやろうじゃないか。
俺は何の躊躇いもなく、ゆるく勃ち上がってきたそれに口をつけた。
キスでもするように、軽く。
それだけで質量を増したソレに俺が思わず唇を歪めると、古泉が見てて恥ずかしいくらい真っ赤になった。
「見てて恥ずかしいのはあなたの方です!」
喚くな。
噛み付くぞ、と脅せば古泉がびくりと震えて硬直した。
最初から大人しくしてりゃよかったのに、って本当に悪代官だな。
自嘲しながら俺は段々と硬さを増してきたそれを舐めた。
美味いはずがない。
だが、そう思う以上に興奮して、頭がくらくらしてきた。
古泉が声を上げるのも楽しい。
触れてもいない自分のモノが勃ち上がってくるのを感じながら、俺は古泉のそれへ頬を寄せ、袋を頬張る。
記憶のどこを探しても思い当たらないような独特の舌触りを味わい、古泉の反応のひとつたりとも見逃さないように見つめる。
「み、見ないでください…」
古泉がそう音を上げるほど、じっと見ていたらしい。
しかし、怯えるように言われたところで相手は古泉である。
それで俺がひるむはずがない。
俺はわざと見せつけるように竿を舐め上げてやった。
羞恥にうち震えながらも、これだけ元気ってことはつまり、こいつも興奮しているということなんだろう。
もしかすると、自分がされていることよりもむしろ、俺がこんなことをしているという、それを見せられていることに。
――試してやれ。
自分の口の端がにぃっと吊り上がるのを感じながら、俺は言った。
「見られるのが、そんなに嫌か?」
「い、嫌です」
「じゃあ、見てろ」
そう言って俺はベッドに座りなおし、ぬるぬるにぬめった指を、本来排泄用または医療的な処置くらいにしか使わないであろう器官へと持っていった。
硬く窄まったそこへ、ぬるりとした感触が触れると、ぞくりと快感が背を這う。
何の準備もなく突っ込んだところで、痛みも感じないんじゃないだろうかと疑いたくなるほど、そこは欲していた。
自分で自分を焦らすように、まるく、円を描くようにしてそこを刺激するだけで、腰が震えてくる。
淫乱な自分の姿を古泉にさらけだしていることにさえ昂ぶる。
つぷっと中指の先を押し込むと、違和感と共に快感が起こる。
中を探るように指を動かすと、そこが酷く熱く、柔らかいことが分かった。
ゆるやかな快感は、確かに気持ちがいいのだが、物足りない。
俺は指を更に奥へと押し入れた。
「んっ…」
指先に何か触れた、と思った瞬間、それまでの比じゃないような快感が全身を抜けていった。
「ぁ…やばい…」
思わず呟いたくらい、イイ。
くそ、これで癖になったらどうしてくれるんだ、ハルヒ。
というか、最初からここまで感じていいものなんだろうか。
俺の状態がおかしいからというのも大きいのだろうが、自分が目も当てられないほど淫らな生き物に変えられちまったような気分になる。
それでもこの行為を止めるどころか、指を止めることさえ出来ずに、もう少しぬめりが欲しい、と古泉に視線を戻すと、古泉が先程よりもよっぽど興奮しているのが分かった。
「お前、嫌なんじゃなかったのか?」
俺がからかうように言うと、古泉は顔を赤らめたまま、
「あなたのそんな姿を見せられて、平然としていられると思うんですか?」
さて、どうだろうな。
完全にノーマルな男なら同じ男が何やったって感じないと思うんだが、とりあえず、お前が視覚情報に弱いことだけはよく分かった。
そのまま黙って見てろ。
「鬼ですね」
と言った古泉が、俺の指に自分の指を添えるようにして触れてきた。
「見てろって言っただろ」
「聞けません」
笑顔で言いやがったな。
古泉は俺のそこを緩く刺激しながら反対の指を俺の口に突っ込んできた。
その意図するところが分からない俺ではないし、古泉がやる気になった以上、反発する理由もないだろう。
だから俺は、古泉が何か言う前に、それに舌を這わせた。
興奮していると唾液も濃密になるんだろうか。
指にしっかりと絡みついた唾液が糸を引きながら口から離れていくのを、熱っぽく見ている自分には気がつかないフリをしておこう。
既に俺の中指が入っているそこへ、古泉の指が入ってくる。
俺の指よりも太いそれに、中が悦ぶように収縮するのを感じた。
「熱いですね」
古泉も俺と同じ感想を抱いたらしい。
俺は恥ずかしげもなく腰を揺らしながら、普段なら出さないような甘ったるい声で囁いた。
「もっと……奥…に、入れて…」
「こっちですか?」
言いながら、古泉の指と俺の指が俺の中で触れ合う。
自分の感じる場所を自分の指で教える行為に、また体の熱が高まっていくように感じる。
「そこっ…、あ、イイ…っ」
「ここですね」
確認するようにそこを押され、俺はコクコクと頷いた。
これまでは上体を起こして、空いている手で体を支えていたのだが、それさえも出来なくなってベッドに倒れこむ。
エロ漫画かアダルトビデオみたいにM字に開いた足の間に、古泉の頭が見えた。
「古泉…っ!? っは、……あンっ」
いくらかざらついているくせに滑らかで、柔らかいものが指とそこへ触れるのが分かった。
「んな、舐めるな…っ、あ、ああ…!」
「そんな声で言われると、もっとしてさしあげたくなりますね」
「ぅあっ、や、め…っ」
思わず引き抜いた指を舐めとられた。
それにさえ感じる。
脳のどこかがもう焼き切れてしまうんじゃないかと思うほど、視界が明滅した。
引き抜いた指の分よりも多くの質量が割り入ってくる。
口から漏れているのが息なのか声なのか、はたまたまったく別の物なのかさえも分からなくなる。
「も、いいからっ…、古泉、早く、早くっ…」
余裕なんて欠片もない。
ただ、欲しくて欲しくて仕方がなかった。
まだ躊躇する古泉を抱きしめて、その顔を見ないようにしながら、浅ましく俺は繰り返す。
「早く、入れて、掻き回して…!」
ごくりと唾液を嚥下する音が聞こえた。
「…分かりました」
俺の中から指が出ていく。
空っぽになってしまったそこを、早く満たして欲しいと切望する。
恐怖なんて、微塵も感じなかった。
「入れますよ」
一々言わなくていいから早く入れろ、と俺は怒鳴れたんだろうか。
それともそれさえ、悲鳴染みた嬌声に呑まれて消えたのだろうか。
想像以上に熱くて大きなそれが入ってきた時、既にほとんど停止していた理性は完全にその働きを止めた。
「あ、ぁあああああ―――…っ!」
隣近所に響き渡るんじゃないかとはばかる余裕さえなかった。
「古泉っ、あ、ぅあ、ひ、イイ…っ」
「まだ……入れただけですよ…」
それでも善過ぎて頭がおかしくなるかと思った。
あるいは既におかしくなっていたのだろう。
「動いて…いいですか?」
余裕を失って、いくらか掠れた古泉の声に、必死に首を振る。
動かれて、これ以上感じさせられたら、俺の意識は失われて戻ってこないだろう。
「無理っ…、壊れる…!」
「そんなことはしませんから、…ね」
そう言って、柔らかく口付けられた。
それにほだされたわけじゃないが、俺は渋々首肯し、次の瞬間心底悔やんだ。
「ひやっ、い、あぁっ! 壊れる、壊れる…っ」
実際はこの半分も呂律が回っていなかったに違いない。
意識は半分以上遠のきかけ、揺さぶられる体は悲鳴を上げて軋んでいた。
軋んでいるのは普段ひとりで使われているベッドも同様で、俺のそれと合わせるように苦しげな声を上げていた。
白濁は既に何度も吐き出され、とろとろと俺の腹を汚している。
古泉のそれも限界が近いのか、怒張と言って申し分ないそれが、体の中で震えるのが分かった。
体内に古泉の精を注ぎ込まれた瞬間、俺は一際高く声を上げて、意識を失った。
真っ白に世界が染まる様は、ハルヒに捨て去られた時の闇とは全く逆に思えた。

目を覚ますと、古泉の顔が見えた。
「大丈夫ですか?」
ああ、と答えようとして声がほとんど出てないことに気がつく。
叫びすぎたらしい。
忌々しい。
しかも、体を起こしたくても起こせないくらい、全身あちこち痛む。
これが古泉に無理矢理やられて、とかなら、いくらでも文句を言うなり警察に駆け込むなりしてやるんだが、俺の方から押し倒しての結果だからな。
せめて、一度気絶した段階でそのまま目が覚めなきゃよかったものを、意識はすぐに浮上した上、引き抜こうとした古泉を押さえ込み、腰を振ったのは俺の方……いや、何わざわざ思い出してんだ。
忘れろ、全て忘れろ。
せめて具体的なところだけでもいいから。
「あの…大丈夫ですか? 大丈夫じゃないなら病院でも…」
「やめろ」
と首をぶんぶん振る。
やりすぎで病院に担ぎ込まれてたまるか。
「声、掠れてますね。喉の薬でも取ってきましょうか」
「…頼む」
ここまでやっちまって、今更取繕ったって仕方がないだろう。
開き直って、面倒を看てもらうとしよう。
予想通りというかなんというか、古泉は、えらく甲斐甲斐しかった。
あちこちがたがたの俺に手を貸してくれるのは当然として、湿布を貼ってくれたり、食事を用意してくれたりと、全くよくやると呆れたくらいだった。
なんでそこまで出来るんだ?
相手が朝比奈さんのような可愛い女性ならともかく、野郎だぞ。
それなのになんでそうやってマメに世話を焼くんだ。
そう口にすると、古泉は小さく笑いながら言った。
「あなたのためですから」
キモイ。
「酷いですね」
少し傷ついたように笑った古泉の表情が、いくらか真面目なものに変わる。
何を言いだすつもりだ、と俺が身構えた時、
「そんな酷いところも含めて、……僕はあなたが好きなんですよ」
全くもって予想外の言葉が聞こえ、俺は反射的に、
「お前、おかしいんじゃないのか?」
「おかしいと言われれば、その通りなのかもしれません。これまで、そんな風にあなたを見ていたつもりはないのですけれど……」
「けどなんだ。昨日のことを持ち出すつもりなら耳は貸さんぞ。あれは異常事態であり俺に責任はない」
「あなたの責任を問うつもりはありませんよ。むしろ、涼宮さんにも感謝したいくらいです。あなたへの想いに気付かせてくれたばかりか、本来なら出来るはずのなかったことまでさせてもらえたわけですからね」
「あんな風になっている時ならともかく、そうじゃない今はお前に好きと言われても嬉しくないどころか殴り飛ばしてやりたくなるんだが?」
「承知の上です。――でも、あなたも、いくらか心情の変化があったのではありませんか?」
「ないな。俺がホモではない以上、たとえ地上に残された最後の二人になろうとも、お前には恋愛感情なんて抱かない。というか、古泉」
と俺は一度言葉を切り、古泉を睨みあげて言った。
「一度やったからって調子づくなよ。あれはただの治療みたいなもんであって、恋愛だのなんだのの結果じゃないことはお前だって分かってることだろう」
「……そうですね」
悲しげに古泉は目を伏せた。
俺はふん、と傲慢に息を吐いておいて、
「ただ、……またああなったら頼む」
「…あなたが僕に求めるのは、体だけですか」
でかい図体してるくせに、泣きそうな声で言うんじゃない。
「嫌なら俺を惚れさせてみろよ」
苦し紛れに吐いた、どこの三文小説だと思うようなセリフはしかし、古泉的には満足のいくものであったらしい。
「――はい!」
と笑顔で返事をされて、俺の方が目を丸くさせられた。
まるきり犬だな。
しかし、古泉よ。
と俺は口には出さないようにしながら胸の内で呟いた。
好きじゃなかったら次を頼むかよ、ばか。
そう、俺は古泉が好きになっていた。
なんのかんのと言い訳をしたが、あんな状態になって真っ先に頼った相手が古泉だったってことは、あの時には既に古泉を好きになっていたってことなのだろう。
考えてみれば、長門に助けを求めてもよかったわけだからな。
だが、俺も好きだと口にしてしまえばきっと、俺がハルヒに戻る日が来た時、こいつは今以上に悲しみ、苦しむのだろう。
だから、言わないでおく。
嘘で塗り固めて、これ以上古泉が俺に思い入れを持たないようにしておく。
体を繋げられるだけでも、俺には十分過ぎるからな。