やわらか戦車なキョンくんの続きで微エロです
色々と各方面にごめんなさいなのです
自慰とか苦手な人はバックプリーズ
















































ももいろやわはだ



目が覚めたら、見知らぬ部屋にいて、一瞬また誰かにさらわれでもしたのかと思ったら
「ぴゃっ!」
とかなんとか変な声が出た。
一体ここはどこだ。
俺はいつの間にこんな場所に……。
戸惑いながら辺りを見回して、ため息が出た。
安堵のため息かどうかは知らん。
どちらかというと疲れたそれだろう。
すぐ近くに見慣れた顔があった。
どれくらい見慣れているかというと、それこそ顔を合わせる頻度ならクラスの連中より多いだろう。
何しろ、休日にも会うんだからな。
それにしても、眠っている顔を見るのは珍しかった。
俺はどうやらそいつの膝に乗せられたまま眠っていたらしい。
無警戒にもほどがある。
勿論、この場合無警戒なのは俺である。
頭に超がつく危険人物にお持ち帰りされ、しかもその膝ですこすこと大人しく眠っちまうなんて、まさに愚行だ。
何かされなかっただろうな、と思いつつ自分の体を見て気付いたのは、俺の体にふわりとしたものがかけられていたことだった。
柔らかな絹のハンカチ。
「あ……?」
もしかして、俺のため、だろうか。
俺は古泉の寝顔を見つめつつ考える。
古泉は着替えてもないし、何か羽織ったりもしていない。
それなのに、俺にはこんな風に寒くないようにハンカチをかけてくれるのか。
それも、こんな高そうなのを選んだのは、あまりにも弱すぎる俺の肌を考えてだろう。
そうだろうと思ったら、少し前にそうなったように、胸の中が熱くなった。
嬉しいと言っていいのかは分からん。
そんなもんじゃないような気もしてくる。
古泉に触られた時のような、どこか後ろめたい感覚に体がぷるぷると震えた。
どうしたらいいのか自分でも分からなくて、泣きそうになる。
ドキドキする。
こんなのは変だ。
相手は古泉で、しかも俺は今こんな状態で、それ以上に俺は男で。
なのに、止まらない。
俺は古泉を起こさないよう細心の注意を払いながら古泉に近づくと、規則正しく動くその腹にふよんと体を預けた。
冷えた制服に、いっそ起こしてしまおうかとさえ思えてくる。
「風邪を引くぞ」
とでも言って起こしてやるのが優しさと言うものだろう。
それなのに、俺は息を殺してその体に、柔らかな体をすり寄せた。
本当なら苦手なはずのざらついたブレザーの生地も、古泉のそれだと思うと心地好く思えたなんて、重症にもほどがある。
きっと俺はおかしいのだ。
そうでなければ、俺は夢を見ている真っ最中に違いない。
だから、こんなおかしな行動に出ちまうんだ。
「…は…っ、ぁ……古泉…」
聞こえないよう、それでも名前を呼ぶ。
それだけで、ぞくんと体が震えた。
気持ちいい。
情けない体のみならず、頭の中までふわふわしてくる。
「あ…っ、ん……」
古泉の体は、いつものようにいい匂いがした。
どこか甘くて、だが女の子とは違う匂い。
人工物っぽくもない、不思議な匂いだ。
それにうっとりしながら、俺は体をこすり付ける。
気持ちいい。
気持ちいいが、こんなことをしてはいけないと頭の中で警鐘が煩く鳴り響く。
うるさい、知るもんか。
俺は鐘をそのまま地面に叩き付けて割るような勢いで良識も理性もかなぐり捨て、行為に没頭する。
古泉は眠っているんだし、俺は半分以上寝ぼけているんだから。
我ながら訳の分からんことを考えながら、体だけは擦り付ける。
強くしたり、弱くしたりさえしながら、快感を追う。
「あう…っ、ん、……は…、ふぁ…っ……」
はぁはぁと自分の荒い呼吸が煩い。
体が熱くて熱くてどうしようもないほどだ。
この際、この訳の分からん謎の生命体の生殖器官その他がどうなっているのかということについては深く考えないでいただきたい。
ともあれ俺は欲求の赴くままに快感を貪り果てた。
証拠を残さないよう、なんとか片付けをして膝に戻り、そうして今度こそ脱力した。
スーパー賢者タイムは片付けの間に使い果たしたのが何よりの幸いである。
「…はふ……」
疲れきった体を古泉の膝に投げ出すと、そのかすかに伝わる温かさが染み入るように思えた。
俺は睡魔が訪れたのを感じて目を閉じる。
瞼の裏の闇の中で、自分の呼吸を古泉のそれに重ねながら、一言だけ、
「…おやすみ、古泉」
と呟いたら、後はもう眠り込むだけだった。
温かくて気持ちよくて、酷く安らいだ気持ちで見た夢はどんなものだったのか。
覚えてないほどよく眠れた。

……だから、俺は後で聞くまで知らなかったのだ。
実は途中から古泉が起きていて、必死に寝たふりをしていたということなど。
たとえ元に戻ってからでも聞きたくなかった。
どうしてお前はそれを墓場まで持って行ってくれなかったんだこの大馬鹿野郎!
「だって、」
と古泉は悪びれもせずに言った。
「あなたがあまりにも可愛かったものですから」