温いエロです
ていうか自慰ネタです
あと色々痛い表現があります
ヤンデレとか暴力とかダメな人もバックプリーズ

全然平気だぜって猛者のみどうぞー?







































昏い衝動
  お題:ケンカ 大粒の涙 下水道



「もうお前なんか知るか…っ!」
そう、彼が捨て台詞を吐いて、勢いよくドアを閉めて飛び出して行くほどのケンカをしてしまった。
きっかけは簡単で、僕がほんのちょっとの不調を隠して、彼とのデートを優先させようとしたこと。
それを見抜いた彼が僕を強引に僕の部屋まで連れて帰り、看病しようとさえしてくれたのに、僕はそれを拒んだのだ。
どうして何がいけないのかさえ、僕には分からなくて、恐慌状態に陥った僕は酷く暴れた。
暴れた拍子に彼のことを殴ってしまったくらい。
それで、一瞬頭が冷めたと思ったのに、それでもやっぱり僕には分からない。
約束は破ってはいけないものだ。
だから、彼と約束した以上、ちゃんとデートしたかった。
それなのに彼は、僕がそうしようとしたら怒った。
何がいけないのか、僕には分からない。
体調不良だって、大したことじゃない。
ただちょっと熱っぽくて、食欲がないだけ。
よくあることだ。
寝てても治らないし、それなら起きて、好きなことをしてた方が合理的でいいと思う。
なのに彼は怒る。
ちゃんと寝ていろと。
でも、寝ているのは楽しくない。
特に、ひとりきりで寝ていると嫌なことばかり考えてしまうから好きじゃない。
なのに彼はそうしろと言う。
酷い人だと思う。
なんでそうなのか、責めたくなる。
だからきっと、僕は暴れてしまった。
彼を傷つけてしまった。
ぼろぼろと大粒の涙を流しながら、彼は何かを叫んでいた。
僕には理解出来ない何か。
これまで聞いたことのない種類の何か。
分からないから、僕には暴れて拒むことしか出来なくて、そうして僕は彼を傷つけてしまった。
傷つけたいわけじゃない。
悲しませたいわけでもない。
なのに、僕にはそれしか出来ない。
ため息を吐きながら、とにかくこの混乱したままどうにもならない頭をなんとかしたくて、シャワーを浴びに行く。
それくらいならいいだろうと勝手に判断を下して。
熱っぽい頭はまだまともに考えれもしないのか、真っ直ぐ歩こうとしてもふらついた。
それでも、服を脱ぎ捨てて、冷たいシャワーを浴びると、少しだけ落ち着く気がした。
彼のことを殴ってしまった。
その感触がまだこの手に残ってる。
彼の怯えるような目も、震えた声も、はっきりと覚えてる。
なのにどうして――。
僕は信じられない気持ちでそれを見つめた。
……僕はこんなに興奮しているんだろう。
冷たいシャワーを浴びてなお、僕の中心は熱を持ち、そのグロテスクな姿に拍車をかけようとするかのように血管を浮かせ、震える。
これはもう、いっそ出してしまった方が早いだろうなと判断して、それに触れると、それはいつになく熱くて、激しく脈打っていた。
どうして、と戸惑う気持ちもある。
彼にあんなことをしてしまったんだ。
罪悪感で萎縮したっていいだろうにどうしてこうなるんだろうか。
自分はやっぱり、彼が言うようにどこかおかしいのだろうか。
さっさとこの奇矯な状況から脱したくて、僕は強めにそれを握り込み、擦りたてる。
物理的な刺激で、簡単に反応するのが男の体と言うものだろう。
実際それは簡単に反応を示す。
でも僕は、つい、思い描いてしまった。
彼の泣き顔を。
見たことがないくらい綺麗で、ぞくぞくした。
視覚だけで快感を与えられるなんて、どんな威力だろう。
そんなものをどうして平気でさらしていられるのか、不思議なくらいの気持ちになる。
隠しておきたい気持ちにも。
…そう、彼を、隠して。
彼は僕にとって宝物だから、大事に大事に仕舞い込んで、他の誰にも見せない。
そう、出来たら。
「…きっととても楽しいでしょうね」
呟きながら、思い描く。
彼の顔がもっと酷く歪む様を。
彼の綺麗な肌に痕をつけたい。
キスマークも。
傷跡も。
沢山、つけたい。
僕だけの特権として。
彼が僕のものだという印に。
彼を宝石箱の中にしまっておけないなら、それくらいのことは許してくれて然るべきですよね?
くすっと唇が歪み、笑みが零れる。
今は笑わなくてもいいのに、彼のことを考えるだけで。
きっとこれが愛しいという気持ちなんだろう。
彼を抱き締めたい。
抱き締めて、噛み付いて、吸い上げて、殴りつけて、蹴り飛ばして。
言葉で苛んで、縋って、宥めて、くすぐって。
強引に彼の体を開かせたい。
彼ならきっと受け入れてくれる。
だってこんな僕を好きでいてくれる彼だから。
こんな僕を見捨てもしない、お人好しで優しくて、でもだからこそ、他の誰かにも優しすぎて心配になってしまうような人だから。
…ああ、本当に彼を閉じ込められたらいいのに。
僕だけのものに出来たらいいのに。
彼が僕のものになってくれるなら、僕だけのものになってくれるなら、「きっと」や「多分」なんて不確実性を与える言葉なんて欠片もなしに、大切にするのに。
そう、彼なら大切に出来る。
慈しめる。
僕はこんなにも彼が愛しいのだから。
「愛してます…」
呟くだけで胸の中が熱くなる。
愛しい、愛しい人。
昂ぶったものを一際強く擦り上げながら、彼の中の感触を思い出す。
きつく締め付けて、僕を放そうとしないその柔らかさも熱も、確かに思い出せる。
でも僕は、それよりも、痛みや過ぎる快感に噎び泣く彼のその顔にこそ興奮する。
泣かせたい。
啼かせたい。
こんなに強い衝動は生まれて初めてで、やっぱり僕は彼が初恋なんだと思い知る。
これまでのは恋なんかじゃなかったんだと。
だから。
吐き出した白い種汁を下水道に綺麗に飲み込ませ、飛び散った飛沫も片付けて痕跡を洗い流した僕は、綺麗に冷えた頭で風呂場を出る。
彼に電話かメールをしよう。
そうして謝って、彼ともう一度会って、彼をここに連れてきて。

……さて、どうしましょうかね。