エロです
にょた……っていうのかな、
半分くらい女体化で←
青姦で
……色々とやめとこうと思った人は引き返しましょう
どこかのAVかエロ漫画並みに中身はありませんので大丈夫です(ちょ
「一晩中頑張ったし、明日はせっかくのクリスマスイブなんだから、たまにはデートでもして来たらいいよ」 と師匠であるところの遠縁のおっさんが言い、監督していたうちの祖母様も頷いた。 しかし、俺が大人しく納得出来るわけもない。 「……ホントか?」 喜んだところで嘘だと言われたりしたら、それこそ目の前でへらへらしているこのおっさんをぶん殴るくらいのことはやりかねんのだが。 「ホントホント」 「おっさんがついてくるとかじゃないだろうな?」 「しないよ。キョンが嫌がるのに、するわけないだろ? 私はこんなにキョンが気に入ってるんだ。わざわざ嫌われるようなことなんて出来ないよ」 そういう物言いが甚だ胡散臭いんだが。 「嫌なら別にいいよ? クリスマスもキョンと過ごせるなんて嬉しいなぁ」 「嫌なこった。そういうことなら、俺は帰らせてもらうからな」 と俺はおっさんに背を向け、一応祖母様には、 「それじゃ、ちょっと帰って来る」 と言ったら、祖母様は何やら意味ありげににこっと笑い、とても御歳ウン百歳とは思えないほどの美少女っぷりを際立たせながら、 「今度、デートの話でも聞かせてね」 と俺の頬にキスをくれた。 見た目が俺とそう変わらない、金髪碧眼美少女のキスに、というよりは祖母様からのキスってことに照れ臭いものを感じながら、俺は駆け足で扉に向かい、帰路についた。 だから、おっさんと祖母様が、 「案外えげつないこと言うねぇ」 「そうかしら? だって、気になるじゃない? 見に行っちゃだめって言うから我慢してるんだもの。せめて報告くらい聞きたいわ」 などという会話を交わし、くふふふふとお袋とそっくりの怪しい笑い声を立てたなんてことを、俺は少しも知らないで、急いで家に帰り、すぐさま古泉に電話をした。 『はい』 と数コールで出てくれる古泉の律儀さに感謝しながら、 「明日、休めることになったから、」 『本当ですか?』 と言った古泉の声も弾んでいる。 『嬉しいです。このまま、寂しく過ごすことになるのかと思ってましたから……』 「俺もだ」 思えば、ここ数ヶ月まともにデートなんて出来ていない。 精々、校内でこっそり会ったり、耐えかねて体を二つに分けて、片方が忍んで行ったりするのがやっとという状況なのだ。 おまけに、冬休みに入ってからは毎日のように朝から晩まで向こうで拘束され、ろくに会えてもいなかった。 「クリスマスとか、そんなのに関係なく、お前に会いたくて堪らん…」 『僕もですよ。…どうします? 今、帰って来られたんですよね? 休まれてないなら、一休みした方がいいのでは……』 「やだ」 『やだって…』 くすぐったそうに笑った古泉に、俺は少しばかり顔を赤らめながら、 「せっかく会えるんだから、一分一秒だって無駄にしたくない。…だから、すぐ、会いに行くから……」 『分かりました。お待ちしてますね』 優しく囁いた古泉の声の余韻を感じながら、俺は電話を切り、慌てて身支度を整える。 このところの修行の成果なのか、暑いとか寒いとかいう感覚が人間離れしつつあるようなのだが、それでも一応ちゃんと冬らしく着込み、マフラーを巻いて部屋を出る。 「古泉のところに行って来る」 と言いおいて飛び出そうとした俺にお袋が、 「あ、キョン、」 と何か言いかけたが、足を止める余裕もなかった。 何か用事があったなら、携帯にメールくらい入れてくれるだろう。 そうして、急ぎ足で古泉の部屋を目指しながら、自分に目くらましを軽くかける。 それくらいの芸当は、半月であろうとなかろうと出来るようになっている。 というか、それくらいでも成果が出てなけりゃ、とっとと修行なんて止めてたに決まっている。 それくらいの時間を俺は犠牲にしているんだからな。 マンションの正面に回るのが面倒で、感覚と同じく人間離れしてきている身軽さを利用して、ベランダのフェンスに足をかけ、上の階へと飛び移り、古泉の部屋のベランダに降り立った。 コンコン、とガラスをノックすれば、そこからの来訪を予想していたんだろう古泉が、驚いた様子もなくカーテンを開け、サッシを開けてくれた。 「いらっしゃいませ。寒くありませんでした?」 「ああ。言っただろ? そういうのが気にならなくなってるんだって」 「どんどん妖精らしくなられてるんですね」 と言った古泉が、どことなく寂しそうに見えたので、 「そんな顔するな」 と抱き締めると、 「すみません、つい…」 「多少変わろうと、俺はお前を離すつもりなんて毛頭ないからな」 どこか傲岸に言い放っても、古泉は嫌な顔一つせず、 「ええ、そうしてください。勿論僕もそのつもりですから」 優しく微笑んだ唇が俺の唇に重なる。 「ん……」 柔らかくて暖かくて気持ちがいい。 その精気の甘ささえ感じながら、俺は古泉を見つめ、まだ軽く触れ合ったままの唇で、 「せっかくのイブだし…たまには少し外に出てみるか?」 と囁いた。 「それは…」 「目くらましをかけておいたら心配ないだろうと思うんだが」 「…ああ、そんな手がありましたっけ」 失念していました、と笑う古泉に俺がほっとしているってことを、こいつは分かってるのかね? 自分でそうしたいと思って始めたことだが、修行というか勉強というか分からんなりにも、向こうに通い始めてから、俺の出来ることは随分変わったと思う。 敏捷さや体感のことだけでなく、目くらましなんかの簡単な術が使えるようになったことは結構大きい。 それは人間とはあまりに違うことだ。 しかし、古泉はだからと言って俺を特別視しようとしない。 俺の力に頼ろうということもしない。 俺に何かオプションがついたけれど、普段は意識しない程度のオプションでしかないという、その程度の扱いなのだ。 そのことが嬉しい。 古泉が変な欲にかられたりするような奴でないことも、俺を異端視でもして逃げてくような奴でもなかったということも、嬉しくてならない。 だから、俺も普段はただの高校生らしくしていられるし、今日のように力を使う時にもそれをあまり躊躇わなくて済む。 「今日は特別な日なんだし、いいだろ?」 なんて甘い理由で力を使おうとするあたり、俺も本当に妖精らしくなってきてるもんだと呆れもするのだが、 「そうですね。あなたとデートが出来るなら」 という古泉の答えに、喜色で顔が緩む。 「こいずみ」 ひらがな表記でもまだ足りないくらいの甘えた声で呼び、至近距離でその綺麗な瞳を覗き込みながら、 「…好きだ」 と告げる。 瞳に映った自分の間抜け面を見ないようにするまでもなく、古泉が目を細めて見えなくなる。 「僕も、あなたが好きですよ。…大好きです。愛してます」 そう言ってもう一度キスをしてくれておいて、古泉はそっと俺を離し、 「出かけるなら、これくらいにしておきましょう。…離せなくなりますから」 「そうだな」 と俺も笑って頷き、 「デートから帰ったら、いくらでも…な」 「ええ、喜んで」 くすくすとどこか悪巧みでもするように笑いあいながら、俺たちは支度を整える。 「自分で出来ますよ」 と言う古泉に、 「俺がしたいんだよ」 と甘えたことを言いながら、コートを着せ、マフラーを巻いてやって、それから仕上げに目くらましをかける。 「それじゃ、出かけるか」 「これって、僕たちのことを認識出来なくなる術…なんですよね?」 「ああ。見えてはいるんだが、俺たちだって分からなくなるんだ。見たってことも、目をそらした瞬間に分からなくなるし、注視しようって気もなくなる。そういう術で、簡単なものだが、人間には結構効果的だな」 「じゃあ例えば僕とあなたが手を繋いでいても不思議に思う人は誰もいないってことですね」 「ああ」 「それどころか、キスをしても?」 「…っ、て、お前は何を企んでるんだ…!」 びっくりして赤くなった俺に、古泉は悪戯っぽく笑って、 「我慢出来なくなったらどうしようかと思いまして。…どうなんです?」 「……一応、大丈夫なはずだが…」 「不安がありますか?」 「…いや、多分平気だ。なんの違和感も感じさせないはずだからな」 「ああ、つまり、ただの男女のカップルに見えるってことでしょうか」 「そういう風に思われることもあるだろうな」 そうじゃなくて犬猫並みの存在感のなさになるかも知れんが。 「では、安心ですね」 どきりとさせるようなことをいつもと変わらない笑顔で言って、古泉はさりげなく俺の手を取った。 「それでは、行きましょうか。…念願のデートに」 「…ばか」 くすぐったいんだよ、と毒づけば、古泉は優しく、 「素直に喜んでくださっていいんですよ?」 「もう、いいから、早く行くぞ」 これ以上話していても埒が明かない。 俺は強引に古泉の手を引いて、部屋を出た。 目くらましをかけるのは初めてのことじゃないが、なんとも妙な気分になった。 「自分が透明人間になったみたいな気がしてきますね」 というのは古泉の言だが、全くその通りだ。 擦れ違う人間はおろか、エレベータで乗り合わせた人さえ、俺たちがいることに気がつきやしない。 いることは分かっているはずなのだが、本当にそうなのか確かめたくなるくらい、向こうはこちらに無関心だ。 だが、そういう研究は今後機会があればということにしよう。 今は、古泉とのデートを楽しみたい。 しかし、 「デートって言っても、大したことが出来るわけじゃないんだよな」 ヘタに誰かに話しかけると目くらましの精度が落ちるから、うかつに人と話さない方がいい。 となると、店に入ってお茶をすることも出来なくなるし、映画を観るなんてデートらしいことも出来ない。 仕方がないので寒空の下、公園を散歩するくらいだ。 途中、自販機で買ったホットコーヒーを交互に回し飲みしながら俺がぼやけば、 「それでも僕は楽しいですよ」 と古泉は本当に嬉しそうに笑って言ってくれた。 気遣って嘘を吐いてくれているというような様子は微塵もない。 「あなたと手を繋いで街を歩けて、これ以上何を望めって言うんです?」 どこか冗談めかして軽く言ってくれるのも好きだと思う。 そうして、そんな風に思ったら止まらないところなんかは、俺は本当にお袋に似ちまったんだと思う。 気が付いたら公園の草むらに古泉を押し倒してキスしていた。 「結局あなたからなんですか?」 とからかうように笑う古泉に、 「うるさい」 と噛み付くようなキスをする俺の目は完全に据わってるに違いない。 「お前が出掛けにあんなこと言うから悪いんだろ」 それとも、 「嫌か…? こんなところじゃ」 古泉はおそらく、すぐに否定しようとしてくれたんだと思う。 しかしそれを寸前で思い止まって、 「……誰にも気づかれませんかね」 と理性の強度が足りない俺に代わって案じてくれる。 「気になるなら、周囲にもうひとつ結界でも張ってやる。そうすりゃ、音も全部遮断出来るから、気づかれん」 「ではそうしてもらえますか? 間違っても、誰かにあなたの媚態を見せたくないんです。…それは僕だけの特権、でしょう?」 「ん……」 分かった、と頷いて、俺は口の中で小さく呪文を唱え、結界を張る。 「これでよし」 俺がそう呟いた瞬間、天地が逆転した。 さっきまで下にあったはずの古泉の顔が上にあり、その手が俺を地面に押さえ付けるように強く触れてくる。 「古泉…?」 戸惑いながら見上げれば、 「すみません、実は我慢していたのはあなただけじゃないんですよ」 苦笑まじりに言った唇が俺の首筋に食らいつく。 「……っん! あ……、こい、ずみ…」 ぞくんと体を震わせながら、俺は古泉にすがりつく。 触れるだけでも気持ちいいのに、もっと欲しいと思う浅ましさを笑うまい。 そう思って当然に決まってる。 体だけじゃなく、心も、何もかもが欲しい。 俺のものにしてしまいたい。 だから、いいだろ。 熱くて、早く欲しくて、自分から服を脱ごうとした俺の手をやんわりと止めて、古泉は笑う。 「僕にさせてください」 「けど…」 「僕がしたいんです」 からかうように、俺の言葉を真似る古泉に笑いながら、 「じゃあ、早く脱がせてくれ…」 と囁けば、するりとジャケットを脱がされ、Tシャツをまくり上げられる。 「ん…、もう、全部脱がしちまっていいから……」 「本当に寒くないんですか?」 心配そうに見つめてくる古泉に、 「ああ。それに、これから熱くなるんだろ?」 揶揄するような言葉を返せば、 「あなたには本当に勝てませんね」 とキスをされ、シャツを抜き取られた。 素肌に触れる冷たい風が、いっそ気持ちいいくらいだ。 「お前は脱がなくていいぞ。寒いだろうからな」 「すみません」 「謝ることじゃないだろ」 くっくっと喉を鳴らして笑いながら俺は古泉を抱き寄せ、 「…胸、触ってくれるか……?」 と出来る限りの媚びた声で囁く。 「いくらだって」 そう答えてくれるのは嬉しいが、 「…頼むから、やり過ぎるなよ。あんまりされると逆につら…っ、ひぁん…っ!」 いきなり乳首を吸われ、びくんと体が震える。 「難しいですね。…あなたの反応があまりに可愛らしいからつい、もっと見ていたくなってしまうんですよ」 そんなことを言いながらも、唾液で滑ったそれを指先で弄ばれ、痺れるような感覚が走る。 「っ、ぁ…、んん…! それ……っ…」 「嫌じゃないですよね? …もっとしてほしいんですか?」 「ん…ぁ、し、て……ぇ……」 蕩けきったような声でねだって、自分から古泉の頭を抱え込むように抱き締める。 舌先で舐められ、濡れたところに息を吹きかけられるとひやりとして、それさえ快感になる。 形を確かめるようにやんわりと撫でられ、舌を絡められる、いっそもどかしいほどの快感も。 少し痛むほどに歯を立てられ、引っ張られた時の寒気が来るほどの快感も。 それが本当に気持ちよくて、嬉しいのは、それが古泉によって与えられるからだと思う。 同じようにされたところで、相手が古泉でなければこうならないと思うのは、恋愛に溺れたが故の盲目的発言ではないと、妙な確信に満ちていた。 俺が妖精の血を引き、力を持っていることと関係があるのかは分からないが、やろうと思えば心を閉ざすことだって出来ることは、前にも言ったと思う。 そうして自分の力が発動しないように抑えることが、以前の俺のやり方だった。 今ではよっぽどでない限り抑えられるようになっていて、そうして心を閉ざすような真似はしていないが、それでも出来なくなったわけじゃない。 だから、もし何かあって、他の誰かにこんなことをされるようなことがあっても、俺は間違いなく何も感じないだろう。 古泉だからこんなに感じる。 もっと感じたいと思える。 古泉だから楽しい。 それが分かっているから、俺は感じていることを隠したりしない。 自分からねだることだって出来る。 それは、それを古泉が嫌がらないと知っているからでもあるか。 「あっ、ぁ、…っん、古泉……も、いい、から…、下、して……」 古泉の頭を抱いていた手を離し、そうねだりながら自ら脚を開く。 たったそれだけのことを、古泉がいつも喜んでくれることを俺も知っている。 「ええ」 頷いて、古泉は体を浮かし、俺の脚を更に大きく割り開き――何故か、動きを止めた。 「古泉……? 何…焦らして……」 「…えぇと、焦らしたいわけじゃなかったんですけど……ひとつ、お伺いしてもいいですか」 「は? なんだよ」 せっかく盛り上がってたのに、とむくれながら俺が少し上体を起こすと、古泉はまじまじと人の脚の間を見つめながら、 「…見覚えのない器官が増えてるんですけど」 と神妙に言ったが、訳が分からん。 「はぁ?」 「ですから、」 と言った古泉が、手を滑らせ、後ろに触れる。 「んん…っ」 「ここは分かりますよね」 「分かるに、決まってんだろ……っ…」 もっとちゃんと触って欲しくて疼いてるそこから、古泉は何故か上に指を滑らせ、 「…では、ここはなんでしょう?」 とそこに指を埋め……って、え、 「えええええ!?」 「鏡でもあればあなたにも見えたと思うんですけど、僕が見たところ、どう見ても女性器なんですよね。確か先日はなかったと思うんですけど、先日は分裂したあなただったから違うんでしょうか」 「そういう問題じゃないと思うが…、なんで……」 「あなたにも分かりません?」 「分かるか! ……って、……あー…」 「…心当たりがありました?」 「…少しな」 思わずため息が出た。 そういえば、何かの講義の時にそんなことを言っていたような気がする。 妖精ってのは案外性別が安定してないもんだったりするとか、特にうちの一族は純粋に同じ一族と婚姻した例の方が少ないような変り種で、あれこれ混血してる分どこでどんな血が入ってるんだかさっぱり分からんとかで、複雑だとか。 そう、それもあって、お袋もおっさんも、やろうと思えば異性にだってなれるみたいな話をしてたんだが……。 「…なんでそんなところだけ」 自分のことながら呆れて呟いたのだが、 「完全に女性になりたかったんですか?」 と聞かれ、戸惑った。 「…さて、どうだろうね」 それは勿論なりたくなかった訳じゃない。 堂々とデート出来ないことを考えると、なんで俺は男に生まれちまったのかと思うこともあったが、だからって男を捨てたいってほどでもなかったと思う。 …もしかして、そんな風に中途半端だったからかね。 「あるいは、変化する途中ということなんでしょうか」 そう呟きながら、古泉は埋めた指を軽く動かした。 「…っ……!」 ぞくんと俺の体が震えたのを見て取ってか、古泉は小さく囁く。 「どうします? こちらでしてみますか? それとも、いつも通りの方がよろしいでしょうか」 「…わ、かんな……っ、でも、それ……! …っぁン…!」 「もしかして、こちらの方が気持ちいいんですか?」 からかうでなく、確かめるために古泉が俺を見つめながらそんなことを聞いてくるが、まるきり言葉責めだろそれじゃ! 「やっ、…っ、ちが、ぅ、が……、よく、なる…気がして……」 「ああ、それはいいですね」 にやりでなくにこりと古泉は柔らかく微笑んだのだが、それはとてもじゃないが優しいとは言いかねるような笑い方だった。 「いえ、ね」 その笑みのまま、古泉は指を更に深くへ進めた。 「ひっ…ぁ…!」 「常々、残念に思っていたんですよ。あなたと初めてした時の記憶があまり残っていないことを」 言いながら、古泉は探るように指を動かす。 「は…? …っ、ぃ、やぁ…っ、そこ…!」 気持ちいいのか痛いのか分からない感覚に震えながら声を上げれば、そこをじわじわと刺激される。 「初めてのあなたが、どんな反応をしたのか、どんな風に快感を覚えていったのか、…本当なら何もかも全て覚えておきたいようなことなのに、うかうかとあなたの術中に陥り、よく見る淫夢のひとつだと思ってしまった愚かな僕は、ろくに覚えてないんですよね。だから、」 言葉を強調するように、古泉がぐっとそこを押し上げると、涙が出そうなくらいの快感に下肢が緊張する。 「…やぁ…っ! それ、強い…ぃ……!」 「全部、見せて、僕の記憶に留めさせてください。初めての感覚に戸惑うあなたの姿も、快楽に酔うあなたの姿も、何もかも全て……」 「ば、かぁ……!」 咽び泣く俺をなだめるように、優しいキスを落としながらも、弱い場所を繰り返し押し上げる動きは変わらない。 「ひっ、…ひぅ…、う…!」 「泣かないで…」 「だ、ったら、やめ……」 「それは聞けませんよ」 それに、と古泉はそこにもう一本指をくぐらせ、 「こんなに欲しがってるじゃないですか」 とそこを開いた。 「やあぁ…!」 「凄く濡れて、熱くなってますよ」 掻き混ぜられたそこが立てた、にちゃりといういやらしい音まで聞こえた。 それが更に興奮を煽る。 「も、そこばっか……」 「嫌? …でも、少しずつ声色が変わってきてますよ」 それが嘘か本当かは分からない。 ただ、古泉があまりにしつこくするせいで、押し上げられ続けた場所はひりつくように熱くなっていたし、そこから込み上げてくるものは間違いなく快感に変わりつつあった。 「ふ…っ、ぁ、あ…っ……!」 溢れた先走りが腹を濡らし、滑り落ちて行くことさえ、快感になり、体が震える。 体ごと心もどこかへ行ってしまいそうで、思わず握り締めた草の冷たさに、少しだけ意識が戻る。 それで、戻ったそれをどう使うかと言うと、 「もう…っ、いいから…入れろよばかぁ…!」 なんて使い方なんだから、本当に俺はどうしようもない。 「いいんですか? こっちでしてしまって。何の準備もありませんよ?」 という言葉さえ、意地悪なのかなんなのか分からなくなる。 ただもう、堪えられなくて、 「こんな、なっちまったってことは、お前が欲しいってことだろ…っ」 縋りついてねだることしか出来ない。 「女になれたら、って、何度も思った…! そうしたら、お前ともっと堂々と付き合えただろうし、お前を拘束することだって出来るって…っ……。お前が欲しい。お前のこと、ずっと、独占したい…! それに、」 泣きじゃくりながら、俺は古泉を抱き締める。 「…お前の子供、産みたい……」 「……」 古泉は黙りこくって俺を見つめていた。 表情が読み取れないのは、俺がこんな興奮した状態だからだと思いたい。 引かれたりしたんでないならいい。 万が一の可能性を考えてびくつく俺に、古泉は優しく笑って俺を抱き締め返してくれた。 「…最高の殺し文句ですね」 甘い囁きに心が震える。 「あなたが産んでくれるんですか」 「そ、うだ…他の誰にもやらない。俺だけに、産ませろよ…」 「ええ、喜んで。…あなたも、僕以外の誰の子供も産まないでくださいよ。いえ、孕むことも、その前にそういう行為をすることだって、許しません。僕はこう見えても、独占欲は強いんです」 「だ、ったら、態度で示せよ…」 そう言った俺に、古泉はそっとキスをしてくれた。 それだけでも、胸の中が熱くなる。 暖かくなる。 愛しいという思いで満たされる。 どこか夢心地になった俺の耳をくすぐるのは、古泉がズボンの前を開く音だ。 「…いいんですね?」 確かめながら押し当てられた熱に、受け入れるために出来た場所が反応するのが分かる。 それを早く飲み込もうとして震えるのも、その熱にさえ感じていることも。 「ん…、孕ませて……っ…」 ぐちゅりと音を立てながら、熱塊を貪るように飲み込む。 俺の体だって随分と熱いはずなのに、それ以上の熱に腰が揺れた。 「あっ…ぁ、んんぁ……!」 「痛みませんか?」 案じるように聞いてくる古泉に、俺は首を振る。 「…気持ち、いぃ、から……」 もっと、と言うまでもなく、微笑した古泉が更にそれを進めてくる。 それを深くに飲み込んで、奥の突き当たりをゴツ、と押されて体が仰け反った。 「ぃあ…っ! やっ…それ……な…」 「体の構造が違いますからね。…痛くありません?」 「いた、く、な……っ…、けど、それ…っ!」 「…気持ちいい?」 こくこくと頷く俺に、古泉は優しく、 「僕もです。…熱くて柔らかくて、そのくせ吸い付くようで…堪りませんね。この、奥の感触も」 「ひぁっ、アッ、あ…!」 大きく腰を使われ、一番奥を何度も突き上げられて、視界が白く染まりそうになる。 まだ、いや、もっと、感じたいのに。 「あなたの全てを征服しているような気持ちがしますよ」 なんて囁く古泉が悪い。 「っ、ぁ、あぁぁぁ――…っ!!」 びくっと震えた体が更に大きく痙攣し、俺は自分の腹を真っ白に染めた。 同時に、中がぎゅうっと締まり、 「っく…」 と古泉が呻く。 そうして中に溢れた奔流に、また軽く体が達したような気がした。 震える体の中はさっきよりも大きく膨らみ、古泉の精を逃すまいと飲み込む。 本能的なものか、俺自身、無意識のうちに古泉の体を手足の全てで抱き締め、離すまいとしがみつく。 呼吸も荒くて苦しいくらいだってのに、そんな中でも俺は、馬鹿げたことを考える。 このまま、女になれるだろうか、と。 …なりたい、と、心の底から切望した。 |