この作品は、先日の絵茶で、
「月夜の闇」のカナンさんとなり茶らしきものをやったログに加筆したものです
よって、表記揺れなどがありますが気にしないでください
どっちがどっちかは……聞かれたら答えますけど多分分かるんじゃないですかね?



一応R指定ですがエロいかと言われると微妙です
やってます
ずっぽりです
でもエロくない

と言うかそれ以上に、
「古泉が気持ち悪いレベルのどMな変態」
「キョンがツン全開の暴言吐きまくり+どSで軽く鬼畜(しかもガチっぽい)」
というところに注意してください
正直後ろから刺されても文句言えない酷い設定(ガクブル


そんなんでもいいんだぜっていう勇者はどうぞー

















































M×S恋愛ノススメ



どこがどうと挙げてやるのは難しいのだが、古泉はどことなく癇に障る男である。
やけにこっちを見ているくせに、俺と目が合うと慌てて目をそらすし、訳が分からんところで席を立ち、どこかに消えたりする。
今日もそうだった。
不意に、
「あの、すみません。ゲームの途中ですが少し失礼します」
と言って立ち上がった古泉に、俺は何事かと思い、
「なんだ?」
と軽く睨むようにして言ったのだが、
「いえ、……その、アレです」
と古泉は言葉を濁す。
「は? あれ? あれじゃ分からん。というかだな、お前とそんな指示語だけで会話が成り立つと思うか?」
どこぞの熟年夫婦じゃあるまいし。
…自分で言っといて気色が悪くなった。
「ですから…」
古泉は声を潜めながら俺の耳に唇を寄せ、
「催しものです」
…言ったら悪いかも知れんが、顔を赤く染めるな。
気色悪い。
一体なんだというんだ。
「はぁ?」
顔をしかめながら、
「デパートの催事場で何かやってたか?」
と言ってやると、
「ち、違いますっ!」
古泉はとうとう声を荒げたが、ハルヒたちがいる手前それではまずいとでも思ったのか、慌てた様子で、
「と、とにかく、着いてこないでくださいね」
と部室を出て行った。
「……なんだありゃ。ついてくるなって………」
唖然とした俺だったのだが、ふと、妙なことを思いついた。
それとも、気がついたと言うべきだろうか。
常日頃の気色悪い言動。
さっきの意味不明な発言。
それからあの赤い顔。
「……まさか、」
と思いながらも、俺は立ち上がり、
「悪い、俺もちょっと行って来る」
とハルヒに言い残して部室を出た。
向かう先は、手近な男子トイレである。
「おいこら古泉」
ドアを開けるなりそう呼ばわると、
「ン……」
と鼻に掛かった声が聞こえた。
ついでに、くちゅりという妙にねばっこい音も。
……既に嫌な予感しかしない。
「……って、ええぇ!?なんで来ちゃうんですか!?」
と叫ぶ声が返って来たのは、一番奥の個室だった。
「そこか」
俺は苛立ちのままにドアを蹴り、
「開けろ、この変態!」
と怒鳴ってやる。
狭い室内に響き渡るくらいの音量に、古泉が情けない声で、
「うぁ、そんなに怒鳴らないでくださいよ」
と言うが、どこか水っぽい嫌な物音は止まらずに聞こえ続けてくる。
「開けろって言ってんだろ! 気色悪い音立ててるんじゃねーよ!」
怒鳴りながら、もう一度ドアを蹴ってやると、
「あ、開けますから……その、責任取ってくださいよ」
と言いながら古泉はドアを開けた。
案の定だ。
綺麗な顔した変質者は、蓋をしたままの洋式便器に座って、顔に似合わずでかくてグロイものを勃たせていた。
それに顔をしかめた俺は間違っちゃいないだろう。
「はぁ? 責任? ふっざけんなよ! てめぇが勝手に盛り上がっといてなに言ってんだ?」
「だって、貴方が悪いんです。あんな鋭い目で僕を睨むから」
そう言って嬉しそうに顔を隠す理由がさっぱり分からん。
「睨まれておっ勃てるって、…ほんっと、お前は変態だよ」
ケッと吐き捨てて、古泉の髪を引っ掴み、顔を上げさせてやる。
「…気色悪い顔。赤くなってんじゃねぇよ」
「あっ、痛いです。引っ張らないでくださ…ぁ」
「痛いなら萎えさせてみろよ。余計に硬くしやがって…」
いっそ握り潰してやろうかと思いつつ、そう唸ると、
「無理です。貴方が来たことで止まらなくなってしまいました。……お願いします。貴方のを舐めさせてください!!」
古泉はそう言って躊躇うこともなく、旧館の古びて汚れのこびりついたような床に膝をつき、俺の腰にまとわりついてきやがった。
「っ、やめろ! 気色悪い!」
反射的に、手近な位置にあった古泉の顎を蹴り上げちまったが、正当防衛として認められるはずだ。
「痛っ…」
と声を上げながらも、ゴキブリ並みに気色悪くてしぶとい変態は俺を離そうとせず、
「やです。舐めさせてくれるまで離れません。蹴ろうが殴ろうが好きにしてください!」
「離れろって言ってんだろうが! 気持ち悪いんだよ! 触んな!!」精一杯に怒鳴り散らし、なんとか引き剥がそうと古泉の手を掴んだところで、うかつにも隙が生じたらしい。
古泉は俺の股間に顔を擦り付けるようにして、
「お願いします。絶対気持ちよくしますから。それでいけなかったら、好きなだけ殴ってください」
と顔を輝かさんばかりにしながら言う。
本気で気色悪いなこいつ。
俺はそいつをなんとか引き剥がそうと躍起になりながら、
「嫌なこった。殴ったって、お前、興奮するだけだろ。無駄にキラキラすんな、余計気持ち悪い」
「ああ、もっと言ってください。……貴方の声だけで、ふは…我慢できなくなります」
その興奮しきった声と言ったらないね。
もし聞いていた人間がいたとしても、まさか古泉の声だとは思わなかっただろう。
俺はぞっとしながら、
「きっしょ…!」
と吐き捨てたものの、このまままとわりつかれ、どうにかされるのは勘弁してもらいたい。
よって、百万歩は譲って、
「…声だけでいいなら、声だけで勝手にイきゃいいだろ。本当は止めるつもりで来たが、俺にどうかされるくらいならまだそっちのがマシだ」
とげんなりしているのを隠しもせずに言ったってのに、変態は聞く耳を持ち合わせちゃいなかった。
「ああああ、駄目です。我慢できません!!」
と言って俺の脚をすくったかと思うと、強引に便器に座らせる。
「うぉっ!?」
思わず声を上げた俺の脚を押さえ込みながら、股間に顔を埋め、ふんふんと鼻を鳴らす。
「すごく興奮する香りがします」
とうっとりした声で宣う。
誰かこいつをなんとかしてくれ。
「やめんか…っ!」
なんとか引き剥がそうと抵抗する俺の手を取って、古泉はべろりと舌を這わせた。
やめてくれ、鳥肌が立つ。
「キョン君は甘くて美味しいですね」
と楽しそうに言い、
「きっとどこを舐めても極上の味なんでしょうね」
などと気の狂ったことを言いながら、ベルトを外してきやがった。
「ぎゃっ…!」
色気もへったくれもない声を上げて、俺は古泉の手を振り解き、
「やめろ! 本気で気色悪い…!!」
「とか言いながらキョン君のここ、ちょっと固くなってます。僕とおそろいですね」
笑顔で楽しそうに言うんじゃねぇ。
「やめ…っ!」
可哀想かと思って遠慮しているような余裕はない。
俺は迷うことなく、古泉の股間を狙って蹴り上げた。
確かな手ごたえ。
これで動けなくなるはず。
…と思った俺は甘かった。
「ぅあ…っ、ちょ…今のでちょっといっちゃいました。お返しです」
ぎゅうっと下着の上から強く握られ、
「痛いくらいが気持ちいいんですよね」
「うぁっ、…っ、へんた…! お前と、一緒にすんな…!!」
「ひどいです。それじゃあ、僕だけがヘンタイみたいじゃないですか」
変態の分際で不満げに言いながら、ぎゅうぎゅうとそこを押し潰しにかかる。
だから痛いっつうの!
それに何より、
「じ、っさい、変態は、お前だけ、だろうがっ…!」
「そんな…だって、貴方がいるから僕はこんなになってしまうんですよ」
そう言いながら古泉は出しっぱなしの自分のものを俺の靴に擦り付けてきやがったので、
「見たくねぇよ! しまえ!!」
と遠慮なく蹴り飛ばした。
ついでに、いやなものを触っちまったので、汚れ共々古泉のズボンに擦り付けてやったのだが、
「ゃ、そこは駄目です。…あぁん」
と変態を悶絶させる効果しかなかった。
びくびくと腰をのけぞらせつつも、俺のズボンを脱がせにかかるのはなんなんだ。
「ぎゃ!! ぬ、脱がせんな…! つうか喘ぐな! キモイ!!!」
と叫ぶ俺にも関わらず、
「わ。今日はピンクのパンツなんですね。可愛いです」
と喜色満面で言う古泉に、
「ぴ、ピンクって、っ、ちょっとラインに入ってるだけだろ…! 常識的にはグレーって言うんだそれは!!」
…って、俺は何を言ってるんだろうな。
我ながら、混乱していたとしか思えん。
「可愛いなー。食べたくなっちゃいますね…」
あむあむと下着の上から食まれ、ぞっとした。
その大半は嫌悪感なのだが、嫌悪感による悪寒と快感というのは案外近いものであり、ぞっとしたはずの俺の喉からは、
「ひっ…、ぃ…あ…!!」
と声が出た。
「んむんむ、ふぁんふぁん、かひゃくなってひまひた」
聞き取れない声で楽しげな報告をする変態に、抵抗してやりたい。
してやりたいのだが、ものをくわえられている状態でそれをすると、食いちぎられる危険性がある。
「や…っ、やめろ…!」
と声を上げるのが精一杯だ。
ぷはっとやっとそれを口から出した古泉は、
「わ、もうこんなに大きくなってます。気持ちよくなってもらえてよかったです」
と喜んでいるが、
「っ、調子にのんな!!」
と俺が遠慮なく腹に蹴りを叩き込むと流石に、
「うぐっ…」
短く呻いてドアの前に倒れこんだ。
ぴくりとも動かない。
はぁ、と息を吐きながら、俺は唸る。
「くそ…っ、どうするかな…」
この変態をどう始末すればいいかとも思うのだが、それ以上に問題は、不本意ながらもあの変態のそこそこの舌技で、中途半端に昂ぶらされた息子である。
これを何とかしないとここから出ようにも出られない。
どうしたもんか、と見下ろした時点で、俺は油断していたということなのだろう。
いきなり背後から羽交い絞めにされ、
「フフフ、最後まできっちり頂きます」
と囁かれた。
「うぁっ!? こ、古泉…!?」
生きてたのか。
死んだフリとは姑息な。
「パンツを下ろしてしまうのは勿体無いので、すそから失礼します」
変態らしく訳の分からん理屈を口にしながら、その言葉通り、太腿をたどり、すそから手を侵入させてくる。
「やめろ…っ!」
くそ、後ろから羽交い絞めにされてちゃ、ろくに抵抗も出来ん…!
俺が苛立っていることが分からないわけでもないだろうに、
「わぁ、柔らかいお尻ですね。叩いたらすぐに赤くなっちゃいそうです」
と不穏なことを楽しそうに言いやがる。
「叩…っ!? おまっ、自分がされて嬉しいからって人にしようとすんなよ!? 俺は痛いのは御免だからな!? つか、揉むなぁ…!」
「痛いの気持ちいいじゃないですか」
とちょっと落ち込んだように言っておいて、
「気持ちいいのが好きなら、こっちも好きですよね」
と無遠慮にも強引に指を押し入れてきた。
何一つ滑りもないそれが、気持ちいいはずなどない。
むしろ、滅茶苦茶痛い。
「いっ…!? やめ…っ、本気でやめろ! この、変態……!!」
「お尻の穴弄られるの気持ちいいですよね。すぐにいっちゃいそうですか?」
んなわけねーだろ!
「痛い、って、言ってんだろうが! この呆け!! ローションもなんもなしで、んなとこにつっこまれたって、痛いだけなんだよ!!」
「そうなんですかっ!? 意外にデリケートなんですね…あ、そうだ」
とさもいいことでも思いついたかのように言った古泉に、俺は嫌な予感しかしない。
そもそも、
「意外に、って……」
お前な、と呆れることも出来ない俺の耳に、なにやらごそごそと不穏な物音が聞こえてくる。
「てめ……今度は何を企んでんだ…」
と俺が聞いた瞬間だった。
「ん、もぅ、ちょ…ぁ」
やけに艶っぽい声がしたかと思うと、俺の太腿になにやら生温かいものがかけられた。
「っ! おまっ、ま、まま、まさか…!」
引きつりながらも、振り向いて確認することは出来ない。
そんな恐ろしい真似、出来るか!
「これで痛くなくなりますね」
嬉々とした声で宣い、
「本当はきついままの中に入れたかったんですけどハジメテですし、我慢します」
その言葉に、血の気が引いた。
「あ、ほか…っ!」
「貴方が言ったんですよ? 滑りがあればやっていいんですよね?」
「やっていいなんて一っ言も言ってねえ!!! 勝手に捏造すんな! この変態!!」
「貴方だってこんなに勃起してるじゃないですか……ここでやめるとすっごくつらいんですよ? はっ、まさか貴方も放置プレイがお好みで」
驚いたように言う古泉に、
「ちっげぇ!!! だから俺まで変態にすんな! これはっ、その、なんだ、…生理現象だ! 触られりゃ、サルでも反応するだろ!」
というか、俺もってなんだ、俺もって。
お前が放置プレイが好きなら喜んでそうしてやるぞ。
放置したまま戻るつもりはないがな。
「僕、もう限界なんです。ほら、いったばっかりなのにもうこんな」
と硬くなったものを下着の上からこすり付けられ、
「っひ!」
と引きつった声が上がる。
「入れてもいいですよね。っていうか、もう入れますっ」
身勝手にもそう言った男は、下着をずりおろし、ろくに慣らしもしていない場所に強引に挿入してきやがった。
「ひっ、い、入れるなぁ…!!」
涙目になりかかりながら言ったがもう遅い。
「もう、はい…って、ます。はぁ、はぁ…すっごく狭くて…。しめつけられます」
と古泉は楽しそうだが、俺は苦しいばかりだ。
「っく……ぅぅ……。い、……った……」
呻きながらなんとか逃れようと身を捩れば、
「ぁ。動いちゃ…入り口のところが擦れて、痛っ、気持ちいい、です」
と馬鹿な盛り犬みたいにぐいぐいと押し込められる。
そうして、俺はぶちキレた。
「っ、ぐ、だ、……っぁああ、もう、我慢ならん!」
「ぅあっ、あ、何を!?」
驚く古泉にかまわず、
「いっぺん抜け!」
と言いながら、むしろこっちから抜いてやった。
「…っ、こんな、中途半端なので気持ちいいわけねぇだろ」
「ひゃぁ。あ、そんなに乱暴にしたらいっちゃうじゃないですか」
「うるせぇ! お前が喋ると萎えるから黙ってろ!」
と睨みつけると、流石に古泉が口を閉じた。
「…っ、くそ、何で俺がこんな……」
俺は文句を言いながらも、仕方なしに古泉のものに指を絡め、軽く扱いてやる。
それだけで、手はぬるぬるのべとべとだ。
気色悪い。
「貴方がそんなだから僕は…」
とうわ言のように呟いていた古泉だったが、流石にやばいのか、
「ちょっ、うわ…そんなにしたら…」
と焦った声を上げるので、
「黙れって言っただろ。少なくとも、そのご面相に似合わんようながっかりなことは言うな」
と釘を刺し、根元を堰き止める。
「イったりするなよ」
「ゥゥン……ぁ、ひぅ、ぁぁん」
喘ぐ古泉の声は聞かないようにしながら、
「…後、いくらレイプにしても、ろくに用意もなしに突っ込むな。…切れただろ」
ずきずきと痛むそこに手をやり、古泉の溢れさせたもので滑る指先を潜らせる。
「…っ……く…」
そうして、少しでもきつさをやわらげようとしながら、
「……っふ…ぁ…」
と息を吐く俺を執念深く見つめながら、
「はぁはぁ、今度…は、ちゃんと準備します、から…」
古泉はそう言って俺のものを擦ろうとするので、
「っ、さわ、んな…!」
「だって、自分のに届かないから」
だからって俺のものを触ろうとすんな!
「貴方がそうしてるところを見てるだけでも十分感じちゃいます」
とか言うな。
本気で気持ち悪い。
「へん、たい…っ」
「ああ、キョン君の痴態でいっちゃいそうです」
「っ、イくなよ…!」
「いきたいです……いかせてください、お願いします」
ひとりで盛り上がり、そして哀願してくる古泉に、俺は思いきり眉を寄せながら、
「…っだ、から……、ひとりで勝手にイくなっつってるんだろうが…!」
と物凄い譲歩を見せてやったってのに、
「じゃ、じゃあ一緒に…今度はゆっくりしますから。痛くないように…頑張ります」
と言った古泉は不服気である。
思い切り睨みつけて、
「……文句があるのか?」
と問えば、怯えつつも嬉しそうに、
「ないです」
なんて返事を寄越す。
「くたばれ、この、変態…っ」
「死ぬときは、貴方の上で、腹上死が…ぁいいです」
「死んでも御免こうむる」
そう言い切って、俺はまだ狭い中から指を引き抜いた。
「……で? このまま俺がお前に跨りゃ満足なのか?」
想像するだけで吐き気がしそうだが、古泉が黙ってりゃマシだろう。
そう思いながら聞いた俺に、古泉は大真面目な顔で、
「できれば跨って挿入後、その足で乳首をぐりぐりいたぶってほしいです」
「頼むから本気で死んでくれ。つうか、頭でも打ったら多少マシになるんじゃないかお前。試していいか?」
「貴方に殴られるのですか!」
嬉しそうに言うな、変態。
「…やめた」
殴る気も失せる、見事な変態っぷりだよ。
俺はよっこいせと立ち上がり、古泉の腰に跨るような形で膝をついた。
「え!?」
残念そうに声を上げる古泉を軽く睨み、
「お前なんか殴って手を傷めるのが勿体無い。それに、今は、こっちが先だろ…」
と言いながら、腰を落とし、先端を食い込ませた。
「っ…く……ぅ……」
無駄にでかい、つうか、やっぱり痛い。
くそ、やっぱり無理するんじゃなかったか?
「ぁ。すご…ぃ。どんどん入って…はぅ」
「ぁ、ぅ……っ! ん、お前が、喘ぐ、な……気持ち悪くて萎えそう、だ…っ……」
じわじわと腰を落としながら俺が言うと、
「らって…ぁあん、はぁはぁ、もっと、ゆっくりぃ」
「おぇ…」
マジで吐きそうだ。
気持ち悪いにもほどがあるだろ、こいつ。
「ゆっくりなんて、やってられ、っか…。脚がもたん…」
というか、こいつの反応が気持ち悪すぎて早く終らせたかった俺は、そのまま一息に腰を落とした。
「…っく、ふぁ…!」
流石に衝撃が強く、体が震えた。
と思ったら、
「はぁぁぁっ!あ、あっ」
と声を上げて古泉が吐き出した。
てめ、早すぎるんだよ。
これで何度目だ?
少なくとも四度くらいはイってるだろ。
「すみません、また、はぁ、いっちゃいました」
言わなくても腹の中に出されりゃ分かる。
「っ、この、早漏野郎!」
苛立ちに任せて叫ぶが、古泉は聞いちゃいねぇ。
「も、らめ…れす。いきすぎて、頭がボーっとしましゅ」
「く、そ……腹ン中気持ち悪……」
俺はむかむかしながら、
「…ほんっと、残念だなお前は。せっかく綺麗な顔に産んでもらっといて、実はどMで変態で、しかも早漏かよ。ファンの女子が知ったら泣くな」
と思う様暴言を吐きながら、考え込む。
さて、どうしたもんかね。
このままじゃ収まりがつかんし、かと言ってこいつに手伝わせるのも癪だ。
というか役に立つとも思えん。
誰か呼べそうなやつでもいたか?
考え込む俺を、古泉はまだどこか夢見心地みたいな調子でぎゅっと抱き締めてきた。
「貴方が・・・いてくれるなら……見捨てないでくれるなら、ふぁ、何もいら、ないです。ちゃんと、最後までしますから…ね?」
「最後まで…?」
あれだけ出しといて、まだやれるつもりかよ。
怪訝な顔をする俺を、古泉は強引に床に押し倒し、奥深くまで犯した。
「っく……」
「はっ、僕で気持ちよくなって」
腹を密着させた状態で乱暴に揺すられ、気持ちいいどころか気分が悪くなりそうだ。
「っん、ぐ…っ、こ、ら…っ! 古泉…!!」
なんとか止めようと肩を掴むが、古泉は聞かない。
「足りない? ならもっと強くします! くっぅ」
となお強く突き上げようとするが、んなもん、痛いだけだ。
「ッちが! 逆だ…っ、逆…! このばか…っ! と、まれ…!」
殴っても効かないのは変態だからなのか。
「ぁあっん、ふぁぁ」
と喘ぎ続ける古泉を、
「こ、んの…っ、へたくそ!!」
と罵ってその肩口に思い切り噛み付いてやった。
「ぃっっ、駄目ですってば…」
そう言って、古泉は顔を近づけてきたが、
「話を聞けよ!」
「!!!」
驚いた顔をする古泉に、中途半端なところで動かれても困ると、俺は先に宣言する。
「いいか? 最後までちゃんとよく聞けよ?」
「ふぁ、い?」
「お前がこれまで一体どういう性体験を経てきたのか知らんし、おぞましいものを垣間見ることになりそうだからあえて聞きたくはないが、それにしたって何でお前はそう独り善がりなセックスしか出来んのだ。お前がそういうことしかされたことがないっていうなら、世の中のためにも一生ネコでいろ。俺は掘ってやらんがな」
「……っ」
びっくりした顔で黙り込んだ古泉に、俺は畳み掛けるように、
「準備はしない、話は聞かない、相手の都合もお構いナシで押し捲るだけのセックスなんかして、誰がお前と付き合ってられるっつうんだ? 俺だったら死んでもごめんだ。おまけに、早漏でしかもそんなへたくそってなんなんだ? いや、早漏は許す。人それぞれ色々事情もあるだろうから仕方ない面もあるだろう。だがな、」
俺は思い切り古泉を睨んだ。
そうだ、これだけは言っておきたい。
「へたくそってのはなんだへたくそってのは! 言っておくがな、セックスがへたくそってことはつまり、お前は相手の反応なんてお構いなしで、自分勝手に快楽を貪ってるだけだってことだぞ。そんなもんは、セックスなんて言わん。ただの自慰でしかない。そんなことをしたいなら、空気の入った嫁でも買って来い」
古泉はすっかり泣きそうな顔になっていたが、当然俺は同情する気になどならなかった。
なるはずなどない。
そのはずだった。
「ひとつ…言わせてください」
「あぁ?」
「ぼ、僕は貴方だけです!!」
一瞬、何の話かと思った。
「………は?」
唖然とする俺の前で、古泉は真っ赤な顔で震えている。
「俺だけ…って、えぇと……?」
「経験なんてありませんし、……不慣れな点は本当に申し訳ないと思います。自分勝手に判断して貴方を傷つけてしまったことも…今更ですが後悔しています。けど、僕が他の誰かとこんなことをしたという誤解だけは解いてください!」
さっきの俺の話を聞いて突っ込むべきところがそこでいいのかとか、言ってやりたくはあったのだが、それ以上に気になることがある。
「……つまり、」
俺は背中を冷や汗が流れるのを感じながら、
「…初めて、だと」
「僕が詰られたり蹴られたり、セックスしたいと思ったのはこの世でただ一人貴方だけです」
「いや、セックスになじるだの蹴られるだのがセットなあたり本気でお前は大丈夫なのかと思うんだが、とにかく、ええと、……あー………悪かった、な。無茶苦茶言っちまって」
初めてのセックスであそこまでなじられちゃ、トラウマもんだろ。
思わず同情…というか、本当に悪いと思った俺に、
「いえ、僕こそ……本で仕入れた知識を頼りにしてしまったので」
と反省する古泉に、嫌な予感がまたした。
「……本?」
「え、ええ。森さんから面白いと譲ってもらった本です。ちょっぴり大人向けでしたけど、こういう知識が僕には必要だって…」
「………あのな、古泉、それ、マンガだったりしなかったか?」
「いえ、小説ですよ。ただ、文庫本というには大きく、ハードカバーより小さなものでしたが」
「………古泉、お前は俺と違って成績もいいし、まさかそんなことをするとは思わんのだが、……創作物を参考にした……とは、言わんだろうな? ちゃんとした、マニュアルとか…性教育の本とか…だよ、な…?」
古泉は何を言われたのか分かっていない顔で首を傾げつつ、
「ちゃんとの基準が僕には…いろいろ種類はありましたね。首輪とかロープとか蝋燭とか」
「……ちなみにタイトルは?」
「僕のお気に入りは 新米女教師の調教 という学園ものの小説です。けっこう生々しくてお勧めですよ」
「お前はアホかあああああああ!!!!」
思わず絶叫した。
「なんでそんな創作物のしかもなんでそんなハードそうな官能小説を参考にしたりするんだ!!! 保健の教科書でも読んで来い!!!」
「え、でも……すごく登場人物が気持ちよさそうで…参考にしたんですけど…」
おろおろとそんなことを口にする古泉に、
「そりゃ、創作物だからだ」
きっぱりと言ってやる。
ついでに、
「現実と混同するな」
とも断言してやる。
なんかもう、疲れた。
疲れたっつうか、
「…だああ、もう、萎えた。完璧に萎えた」
俺は古泉を押し退けて、一方的に古泉のものを抜いた。
「あ、ちょっ」
不満そうな声を上げる古泉に、俺はため息を吐きながら、
「…古泉、そもそも俺はお前が俺をどう思ってるのかさえ知らんのだが? それでいいならいいで俺は構わんし、実際そんなもんだろうと思ったから聞かなかったんだ。が、どうもそういうことじゃないらしいな?」
「え!? あ…待って、もしかして……ずっと待っててくれたんですか!?」
期待するように言ったところ悪いが、
「待ってねぇ。体だけでいいならいいで俺は構わん。が、お前は違うんじゃないのか?」
初めてでしかも、教材が恐ろしく間違ってたなら特に。
「……貴方は、身体だけの方が楽なんですか? 僕の気持ちが重いからと逃げたりしませんか?」
不安げに言う古泉に、軽々しくそんなことはないと言ってやれるような度胸は俺にもない。
「…あー……どうだろうな?」
かりかりと頭掻きつつ、考える。
「…お前が徹底的にマゾヒストで、あまりにもへたくそなままなら、正直体だけってのも勘弁してもらいたいが……改善の余地はあるのか?」
「僕は身体だけなんて耐えられません。貴方の全部が欲しいんです。その為ならどんな努力だってします」
「…あんまり気持ち悪いこと言ってたら、遠慮なく蹴るぞ?」
それでもいいか、と見つめれば、
「え」
と喜色を浮かべられる。
「きもい」
反射的に足が出た。
がっと蹴り上げられた古泉が、ぐはっと呻きながら、
「……貴方、何か格闘技でも?」
と腹を抱えながら聞いてくるのへ、
「いや、格闘技なんかはしてないが……まあ、昔色々とな」
と答えておいてから、そういう話じゃないと頭を振る。
「…っと、悪い。俺も人のこと言えんな。これでも、手が早いほうなんだ。普段は抑えてるんだが……お前には、どうも緊張感が緩むのかね」
「きっと貴方にはSの気性があるのでしょう。…!! SとMで僕らの相性はぴったりです」
「悦るな」
とまた反射で蹴り飛ばすと、流石の変態も限界が近いのか、
「あ、そろそろ…意識が…」
とふらつく。
俺はそれを見ながら、
「……そうやって、ズタボロになって、いいのか?」
と聞いた。
「俺は、いつもそうやって失敗してきた。…好きになると、親しくなると、つい手が出るんだ。それで、…振られる。お前は……そうやって、ズタボロになってもいいっていうのか?」
「構いません!」
いっそ気持ち悪いくらいの素早さで古泉は答えた。
俺が思わず眉を寄せても気にせず、
「むしろ大歓迎です!」
と俺の両手をぎゅっと握り締めてくるので、
「だからキモイ!」
ついつい放った蹴りが、今度こそクリティカルヒットしたらしい。
床に倒れこんだ古泉はぴくりとも動かない。
「…って、あれ? 古泉!?」
返事がない。
やりすぎた。
引きつりながらも俺はとにかくなんとかしようと奔走する破目になり、つまりはえらく苦労することになった。
正直なところ、俺がこいつの望むようにしてやったところで、この変態が少しでも改善されるとは思わない。
むしろ、どんどん悪化しそうですらある。
それなのに、だ。
俺は、この素直すぎる馬鹿のために、ちゃんとしたセックスのやり方なんてものを実地で指導してやってもいいかな、なんて思っちまっているのだ。