六浦地蔵さんの話(中島)

 中島は、むかし風早島とも呼ばれ風の強い所で、毎年のように海を通る船が度々転覆遭難し、何人もの人が亡くなっていた。長師にある「真福寺」の第16代に和尚さん=実誉祐真法師は、海の事故が多いのを悲しみ島の人々に呼びかけて浄財を集め、六体のお地蔵さんを作り、海の事故が減るようにと6カ所の浦(海辺の村)に建立した。これから後、祐真法師は、春と秋のお彼岸に島の人達の幸せと安全を願って六つの浦を尋ねお地蔵さんに祈願して廻っていた。何時の頃からか島の人々も祐真法師について六浦の地蔵参りが始ったという。やがて、六浦の地蔵参りは《島まわり》と呼ばれ、春のお彼岸に行われるようになったという。

 六地蔵=熊田の墓地・吉木と畑里のお墓・大浦の札場・小浜のお堂・長師の真福寺


 

        (地図)松山市 中島