かっぱ塚(エンコ塚)の話

松山市北梅本町に『北池』がある。この『北池』のかっぱにまつわる話。

 昔、小野郷梅本の里に、牛をたくさん飼っている百姓がいた。百姓は、『北池』の土手に牛を繋いで草を食べさせていた。
 ある日、この池に棲んでいる河童が草を食べている牛にいたずらをしようと、牛の尻尾を掴んで池の中へ引きずり込もうとした。しかし牛は驚いて飛び跳ねたので、河童は岸にはね上げられてしまった。

 岸に跳ね上げられた河童を百姓が見つけて、牛の背中に縛り付けて連れて帰り見せ物にした。しかし河童が池に帰してくれと頼むので、哀れに思った百姓は帰してやることにしたが、池に帰る前日に死んでしまった。

 村人達は、死んは河童を哀れに思い霊安かれと河童の棲んでいた池の中に埋め、石を積み重ねて「かっぱ塚」を造ったという。

 このかっぱ塚は、エンコ塚とも呼ばれており、今でも池の水の少なくなる時期には見る事もできるという。


     (地図)松山市北梅本町 北池