石井の椿さんは女神様で、久米の八幡様は男神様で、ある日どうしたわけか、この二神が仲たがいをされた。互いにおもしろくない思いをしていたある日、八幡様は何か気にさわったのか、大きな石を差し上げて椿様めがけて投げつけられた。
ところが八幡様の力がちょっと足らないと見え、椿様まで届かずに久米との中間の越智町に落ちてしまった。
今は、三島神社の常夜燈の台石になっているという。
「椿神社」「椿さん」の愛称で呼ばれている伊豫豆比古命(いよずひこのみこと)神社は、開運縁起・商売繁昌の神様として広く知られている。『御祭神とされる伊豫豆比古命と伊豫豆比売命の二神がこの地に御船を寄せ給いし時に、翁神(地主神)が纜を岩頭に繋いでお迎えした。
二神は殖産の業を興し、当地繁栄の素地を創られた』と伝えられている。