昔々のこと、足を痛めた白鷺が毎日毎日舞い下りて、岩の間から流れ出る湯に浸していた。やがて傷は癒えて、飛び立って行くのを村人が見て手を浸すと温かく温泉であった。これが道後温泉の発見とされる。道後温泉駅の近くの放生園(ほうじょうえん)という小公園の一角に鷺石が据えられている。このように、白鷲は道後温泉のシンボルの一つともなっており、道後温泉本館の周囲の柵にも白鷲をモチーフとした意匠がある。鷺谷という地名もある。
この伝説は、江戸時代の宝永七(1710)年に刊行された『予陽郡郷俚諺集』という本にも収められている。
道後温泉駅前 放生園 鷺石 |