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講師からのメッセージ |
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原文(台本)は江戸時代物なので読みにくいのですが、漢字混じり文に書き改めましたので比較的分かりやすくなりました。窪野では芝居小屋の再建話が出ており、一遍ものを上演したいのだがというお申し出がありました。ご一緒に楽しみましょう。 |
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前段で芝居の系譜として五大説教に触れます。ご存知の【山椒大夫】【刈萱】【信徳丸】「愛護丸】【小栗判官】【信太妻】です。又一遍関連芸能として【謡曲誓願寺】【謡曲遊行柳】【謡曲一遍上人】を紹介します。後段は【京道場遊行念仏(みやこのどうじょうみぎょうねんぶつ)】をご一緒に読んでいきます。 |
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【「京道場遊行念仏(一へん上人記)」あらすじ】 |
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第一幕 |
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昔 武蔵国に「越前庄道広」なる武将が居り総領(小二郎)と二人の娘(豊姫、小夜姫)を儲けた。御台が亡くなり後妻(命婦院)を迎えたが、道広も亡くなった。父の死後小二郎は出家した。 |
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縁あって姉姫(豊姫)は相模国の右門之介と婚約が整い、右門之介から尺八「滝川」を贈られる。妹姫(小夜姫)は代官大友兵庫の妻お清の実弟花房左京と結婚を誓約する。 |
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代官兵庫邸で家中一同を招いての祝宴の席で御台命婦院と実弟大井太郎左衛門が組んで御家乗っ取りを図る。代官兵庫の一子竹松の命と引き換えに乗っ取りに加担することを約し、妻お清は旧君への忠義立てを申し立て離婚となる。太郎左衛門から小夜姫の殺害を命じられた兵庫は、小夜姫を連れて脱出を図る。加担はあくまで偽りであった。 |
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第二幕 |
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兵庫と小夜姫は山中に落ち延び、ここで女房お清と竹松と再会する。お清は復縁を懇請するが拒絶し小夜姫を先に落ち延びさせる。太郎左衛門から小夜姫殺害の下命を受けた花房左京、右京兄弟も追いつく。 |
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夫婦、兄弟姉妹、親子のしがらみと葛藤の中で先君・御家への忠義立てで小夜姫の身代わりにお清の首を証拠として命婦院と太郎左衛門の元に届ける。 |
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第三幕 |
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出家した小二郎は藤沢の一遍上人と呼ばれている。右門之介は藤沢道場で修行中であるが音信不通の豊姫が忘れられない。豊姫は遊行に出掛ける上人に出会い供養を依頼し、瀧に飛び込もうと、死を前にして尺八を奏で右門之介と再会を果たす。「瀬を早み岩にせかるゝ滝川の割れても末に会わんとぞ思う」が成就する。 |
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代官兵庫や小夜姫と左京も藤沢道場に辿り着いたところに追っ手が押し寄せ防戦する。上人は偶々右京に出会い、急ぎ藤沢に戻り一族が再会する。大井太郎左衛門は葬式に事寄せ藤沢道場に立ち入り一族の壊滅を図るが、右京、左京、兵庫の手により殺される。(めでたしめでたし) |