富田狸通
狸公八相
後援者指導者であり不時の災いを避ける為に
朝の備えと夜の護りを物誇っている
四方八方に注意の眼を配りよく物事を見極め
また総てを正しく見る事を物語っている
向上心と世は広く愛想良く付き合い
面通をつぶさない事を物語っている
徳利 飲食の恵みを感謝し我利を離れ徳と利益と丸八のしるしは
飲食八分は長命を物語っている
神に通じ人道を守り総て信用を重んじ
経済の発展を物語っている
大度量と満足明朗と気力に富み
不動万難解決を物語っている
金袋 身につく金銭を自由自在に大きく広く活用し
天真野趣よくものを生ずる事を物語っている
終わりは大きく身を立て八利九利上手に
物事を処理し不要の要を物誇っている
蘭 洞 道 人   東京神田「柳森神社」立札
狸礼賛
腹の大なるは度量也
目の丸きは明朗也
毛の深きは○○也
尻尾の太きは胆玉也
鼓を打つは感謝也
富 田 狸 通 「狸のれん」より


富 田 狸 通 翁描く
狸の十哲学
一、眼の細きは 慈愛深きをあらわす
二、毛深きは 精強く情こまやかなるをあらわす
三、腹太さは 豪快と寛容をあらわす
四、徳利は 憂を払い人と親しむをあらわす
五、丸八印あるは 末広がりの発展をあらわす
六、通帳持つは 勤勉貯蓄をあらわす
七、尻尾太きは 恥を知るは勇者に近しをあらわす
入、金袋は 大金持ちをあらわす
九、笠破れたるは 質素にして志高きをあらわす
十、鼓打つは 感謝の心をあらわす
水琴窟主人申す  内子町「母家」立札
酒買狸の由来
タヌキが晴天雨天にかかわらず、常に
笠を かぶっているのは、用心深さを表す
ふぐりが でかいのは、大金持ちで、みみっちく隠しだてしない。
通帳は みそか払いの
借用を証明し、
徳利は 世の中が徳だけでなく、利も大切であることを教え、
太鼓腹は 腹に一物もなく善良そのもの、
尻尾が ふさふさ広がっているのは、将来の大成を約束する。
よって天下の商人たらんものは
これを飾って範とすべきであろう。
高 浜 虚 子
今泉忠明薯「狐狸学入門」より
狸公八相縁喜
木更津の浄土真宗本願寺派「証城寺」

思わざる悪事災難避けるため用心常に身をまもる笠
 何事も前後左右に気を配り正しく見つむることを忘れめ
世は広く互いに愛想よく暮らし真を以って努めはげまん
徳利 恵まれし飲食のみにこと足利て徳はひそかに我につけん
世渡りは先ず信用が第一ぞ活動常に四通八達
物事は常に落ちつきさりながら決断力の大胆をもて
金袋 金銭の実は自由自在なる運用をなせ
なに事も終りは大きくしっかりと身を立てるこそ真の幸福