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ソドム【Sodom】の業火   日本天文学会特別会員 西岡 千頭

 「ソドムの人は悪くしてエホバの前に大いなる罪人なりき」(創世記 3章13節より)

 「硫黄と火とをエホバの所より即ち天よりソドムとゴモラに降らしめ、その町と低地と低地の居民および地に生きるところの物をことごとく滅ぼしたまえり」(創世記 19章24〜25節より)

 上記は旧約聖書からの抄録ですが、ソドムとは死海の南にあった町で、町の住民は罪のため神の火によって焼き滅ぼされたと伝えられています。この町の人たちが犯した罪とはいったい何でしょうか?

 ある日の夕方、二人の旅人がロトの家に宿泊しました。ロトは心の正しい篤信の人でした。その夜、町の男たちは老若そろって四方からロトの家を包囲し、ロトを呼び出し、「宿泊している男二人を我々に渡せ」と迫りました。彼らは集団で旅人を犯そうというのです。

 因みに英語のソドミイ(sodomy)とは男性の同性愛のことで、男色または鶏姦・獣姦と邦訳されています。

 ロトの家の旅人は、実はエホバから遣わされた天使だったのです。当時のソドムやゴモラの人々の性の倫理は頽廃の極に達していました。

 地球上における今世紀最大の事件は原子爆弾の発明とエイズの流行です。何となれば、この二つはいずれも放置すれば全人類が滅亡するからです。数千年の昔、神は人間の性の乱れに対し警告を発していますが、その一つが「ソドムの業火」だったのです。

 青少年にコンドームを無料配布すれば、エイズの蔓延が防げるなどと軽々しく考えてはいけません。それは青少年に消火器を持たせ、燃え盛る燎原の火の中で、好きに遊べと言うようなものです。

 避妊具や性病予防の方法の普及している昨今にもかかわらず、不本意な妊娠や出産が激増し、性病患者が激増しているのは、ひとえに、性の何たるかを知らず、性を遊戯化しているからです。

 「性」は「生」そのものであり、人間の生き方を規定するものです。単なる衛生知識として「性」を教えるのではなく、「愛の本質」としての「性」、人間の生きる姿勢としての「性」を自覚させる教育こそが今、必要とされています。

 「エイズ」は20世紀の「ソドムの業火」です。