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山岡均
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新天体の多くは今もなお、天文愛好家、アマチュア天文家が発見している。1975年はくちょう座新星も、高校生が見つけた !親子で新天体探しをするのも楽しそうだ。
本書の主な内容
序章 新天体ってどんなもの? 第1章 いろいろな新天体 第2章 葺星は天空の放浪者 第3章 小惑星は地球の小さな仲間 第4章 突然現われる新星と超新星 終章 新天体の現実と夢 資料編 星を見るための6ヵ条 天体情報サイト 日本人が発見した新天体のリストなど
 日本人は、新天体が好きな民族なのかもしれない。「何とかと畳は新しいほうがいい」ということわざもある。江戸っ子は、句(しゅん)の走りの初鰹(はつがつお)に大枚(たいまい)をはたく。とかく新しいもの好きなのは、国民性もあるのだろう。
 日本は地理的にも、新天体発見にとって非常に重要な位置にある。日本の東には、地球一周の3分の1をも占める太平洋があるからだ。アメリカ西海岸で、西の地平線下に沈んだ天体を次に観測できるのは、ハワイ諸島を除けば、日本の位置になる。この位置は、まず変わることがないから、日本はいつまでも新天体発見の中心地と
なることが期待されるのだ。
 私が新天体の魅力に取りつかれたひとつのきっかけは、書物だ。講談社ブルーバックスという理数系の新書シリーズの中に、サイモン・ミットンが書いた「超新星の謎」というものがある。中学生のときに読んだこの本が、今も研究室の本棚にあるところからして、私を超新星をはじめとする新天体への道に誘い込んだ張本人(張本本?) のひとり(1冊)であるに違いない。私が書いた拙著がそこまでの影響を与えるものとなるがどうか、もしそうなっても全面的に責任を負うことはできないが、多少なりとも読者のヒントになれば幸いである。
 なお、文章中では、先達の方々も含め、お名前については基本的に敬称を略させていただいた。「ハレーは」とか「ガリレオは」というときには敬称がないのに、日本人にだけ敬称をつけるというのも変だ、という思いがある。非礼をお許しいただきたい。
 本書では、口絵や本文の写真をはじめとする各所で、多数のアマチュア天文家の方々に大いに助力をいただいた。一人ひとりのお名前を挙げてお礼を述べるのが筋だけれども、紙幅がない。ひとまとめにして恐縮ではあるが、協力していただいたすべての方々に、この場を借りて深く感謝する。
梅雨の晴れ間の福岡にて  山岡 均