「とにかく女といふものは」ふくらうがなきます
かたむいた月の ふくろうとして
ぎゃあとなけば ほうとなくふくらうの夜で
暗さ、ふくろうはなく
傾いた月の ふくろうとして
恋のふくらうの 冴えかへるかな
恋のふくらうの 鳴きさかるだけの月
冴えかへる月の ふくらうとわたし
死ねないでゐる ふるつくふうふう
ふくらうがふくらうに 月の冴えかへる |
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旅の月夜のふくろう啼くか
月あかりの ふくらうの啼きうつる
月がのぼれば ふくらううたひはじめた
月がまろくて 恋のふくらう
ふくらうがよびかける 声をきいてゐる
ごこかでラヂオが ふくろうがうたふ
春の夜のふくろうとして二声三声は啼いて
火の番 そこから遠ざかるふくらう
昼はみそさざい 夜はふくらうの月が出た
ふくろうないて ここが私が生まれたところ |