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十五郎が倒れました。 |
あの元気な「十五郎」が突然倒れました。 |
平成18年7月19日早朝。 |
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朝の散歩の時間、私が傍に寄っても、何時もの様に、尻尾を振って寄って来ないのです。 |
伏せのまま、虚ろな目で私を見上げるだけなのです。 |
手を差し伸べても無気力な放心状態です。 |
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これは尋常ではない・・・、異常を感じて、居間の窓を開けて入れてやろうと・・・。 |
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すると突然立ち上がり、自力で部屋によじ登りました。 |
50cm位の高さです。 |
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普段はピョンと飛び上がるのですが、這い上がると言うより攀じ登ると言った感じでした。 |
しかし、伏せのままで、 |
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食べません。 |
飲みません。 |
歩けません。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 |
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もうだめだ!!! |
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お墓は何処にする? |
庭にお墓をつくる。 |
庭に埋める。 |
ペット霊園の電話番号は? |
東京の娘は葬式には帰ると言う。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 |
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なんと気の早い、慌て者でしょう。 |
先のことばかり心配して・・・。 |
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そうだ。 |
好物のカステラなら食べるだろう。 |
当たりでした。 |
少しずつですがカステラを食べ始めました。 |
口元の水も、立ち上がって飲み始めました。 |
それにしても5日間、飲まず食わず。 |
伏せのまま動かずでしたが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 |
よろけながらも立ち上がり、座るようになりました。 |
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奇跡です。 |
素晴らしい動物の自然治癒力です。 |
驚きました。 |
本当に驚きました。 |
まさに奇跡と言うほかありません。 |
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何の病気だろう。 |
色々調べてみたが判らない。 |
フィラリア? |
知人の話だと舌が紫色になるそうですが、全くそんな気配はありません。 |
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頭を左に傾げながらゆっくり歩けるようになりました。 |
しかし、左には回れますが、右には回れません。 |
飲み水に一つまみの塩を入れました。 |
好物のアンパンを少しずつ食べる様になりました。 |
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大変なのは便です。 |
はじめはウン子もシッコもなし。 |
少しずつ食べる様になって飲む様になって、歩けるようになってからが大変です。 |
新聞紙とオムツシート(吸い取り紙)を持って十五郎の後を追いかけながら拭き取りです。 |
消臭スプレイもかけて回ります。 |
家中が消臭剤です。 |
絨毯のシミを洗剤で洗うように拭き取ります。 |
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夜はエアコンと扇風機で室温を28度にキープしました。 |
夜中に起きて薄明かりで様子を見ました。 |
可愛い顔で寝ている十五郎を見て、また寝ます。 |
一ヶ月以上こんな状況が続きました。 |
寝不足でかなりこちらも疲れました。 |
けれど、病気の十五郎に比べれば・・・弱音は禁物。 |
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オシッコがしたくなると外に出たがる様になりました。 |
闘牛の勢子よろしく、ハイハイ オシッコ オシッコ と声をかけながら廊下を十五郎と一緒に駆け足です。 |
ウン子も同じです。 |
赤ん坊と同じです。 |
ウン子 ウン子 と掛け声で外に誘導します。 |
半ば楽しみながら世話をしました。 |
でなきゃー出来ません。よね。 |
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闘病生活2ヶ月余り。 |
自分から庭に出て排便出来るようになりました。 |
中8外2位で段々慣らしました。 |
しばらくすると十五郎は庭を歩き回る様になりました。 |
散歩にも行く様になりました。 |
山道は避けて平地を選び、ゆっくりゆっくり歩きました。 |
少し左に傾き加減で・・・。 |
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植木屋さん ソコノケで 私が3mの三脚に登って 刈り込んだ松の老木が自慢です |
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あれから半年。 |
少しずつ、少しずつですが回復してきました。 |
素晴らしい自然治癒力で完全に回復。 |
以前より元気になった位です。 |
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中に入りたくて窓ガラス越しにビクター犬よろしく、首を左にちょっと傾けて中を覗いています。 |
一日数回中に入れてやります。 |
病気のときと同じ場所で座ったり、寝たり、伏せたりしています。 |
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あれから半年。 |
以前と変わったのは・・・ |
朝、明るくなると起きて、静かに座って私の起きるのを、待っている事です。 |
以前は、朝暗い内から散歩と食事の要求でした。1 1 1。(これワン ワン ワンです) |
made in Germany のLED LENSER 1035054 を買い込んで、胸に吊るして、真っ暗い山道を散歩していたのですが・・・。 |
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時々、朝が遅くなりました。 |
朝7時がきても7時半がきても寝ています。 |
私が廊下のガラス戸を開けても寝ています。 |
縁側に踏み出すとヤット目を覚まし、起き上がり、寝惚けた顔で見上げます。 |
食事の缶詰めを見せても寝惚け顔のままです。 |
食器に缶詰めを出し始めるとイソイソト近寄って食事を始めます。 |
何しろ72歳ですから・・・・。 |
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以前と変わらないのは |
散歩が大好きな事です。 |
一日2回朝と夕方、雨の日も風の日も雪の日も・・・。 |
十五郎も私も元気で居られるのは朝夕の散歩だと思います。 |
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十五郎は間もなく12月25日に満14歳になる超高齢犬です。 |
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人間の歳に換算すると72歳だそうです。 |
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十五郎は来年ドッグイヤーの76歳。モンキーイヤー(申年)の私も来年は75歳。 |
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猪突猛進で頑張ります。 |
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追伸 |
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老犬の冬支度 |
犬は寒さに強いと言われますが、さすがの犬も年を重ねると寒さは堪えます。 |
厚めの毛布、風避けなど防寒に気を使ってやらないと・・・。 |
かえって、屋内で飼うと寒さの抵抗力が低下するそうで、 |
外に出る時には十分な防寒をしないと老犬には良くないそうです。 |
我が家は外犬です。野性的です。 |
何故か、時々空を仰いで 「狼吼え」 をします。 |
満月の夜ではありません。 |
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うゎううーーーーーーーーーん・・・・・・・・。 |
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