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第7週「おらのママに歴史あり」第37回〜第42回 演出:梶原登城

あまちゃん(再放送)第37回 2015H27/5/18(月)

今週は梶原登城ディレクター。この人は面白い上に、安定感もあるなぁ。

ドラマは先週のアバンから始まる。忠兵衛がアキの誕生会で春子の過去を暴いてしまう。実は春子はアイドルになりたくて家出したのだった。楽しかったアキの誕生会は緊迫した空気に包まれた。
そして春子は開き直る。田舎の人は自分を腫れ物のように扱う。だから癒えない…と逆ギレ状態www。アキの誕生会を台無しにしたのは、実は忠兵衛ではないよ。春子だよ。でも春子はそう考えてない。自分は被害者だと思っている笑。

しかし何より温かいのは(または田舎の暑苦しさは)、そういうある種の我が儘な自我を隠さない乱暴者の春子を、なんやかや 言っても来た三陸の面々は受け入れている事だ。春子は今でもやんちゃなまま。周りは大人の対応をしている。いいよね。♪あったかいンだからぁ!そう、春子 は未だにモラトリアムなのだ。

そ れに春子は「めんこくて、歌上手くて、人気モンだったもん」(by美寿々)。逆に言うと、春子の歌のチカラはそれほどであったという事だ。実際、春子は地 元では恐い物なしの、のど自慢のコンテスト荒しだった。忠兵衛は春子の歌が好きでたまらない。それほどのチカラがあれば春子が勘違いするもの無理は無い。

問題は春子が「頑(かたく)な」な事だ。春子は周りの温かさに気付かない。しかしこの頑なさが物語をドライブするエンジンの一部となる。



春子はアイドルを毛嫌いしているが、もちろん、それは裏返しの感情である。てかキョンキョンさんはそもそも「なんてたってアイドル」だもんね笑。笑うよね。

にしても朝、正宗に毒づいて激しく蹴って叩き起こす春子。何かのプレイとしては最高である笑。

アキが春子の歌を一度も聞いたことないという事実と共に、アキとユイの「母親はラップするか?」論にはワラタ。
さて、ユイは春子の過去について、春子の元・担任の功からいろいろと情報を仕入れる。「ゲスなの頂戴、頂戴〜」(by東京編の春子)状態で生き生きしている。「ユイ…恐ろしい子(by「ガラスの仮面」)www。てか功、グッドジョブ!www。

漁協ではカラオケ用に買ったカセットテープのカラオケマシンが発掘される。このマシンは後で活躍する。

いろいろ考えて眠れず、眠れないまま徹夜してしまい、今度は逆に寝過ぎてしまうアキ。急いで登校。アキの寝癖の髪がクソ可愛い。

朝飯時の天野家。シレッとして天野家に居座る正宗は、囲炉裏の余熱があるので夜、寝る時も寒くないとか、フリースは暖かいとか力説する。そう、北三陸は暖 かいのである。春子に対しても暖かい。それを暗喩しているのだ。にしてもシレッとした正宗最高である。「マンハッタン・ラブストーリー」のイボリーを思い 出すなぁ。

忠兵衛が定期健診を受ける伏線あり。



北三陸はこれから寒くなる。「寒さ対策してんじゃねーよ(by春子)の後の、種市の半裸シーンキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!爆。若いとフ リースも要らないし、「アキと種市は熱っつつ!熱っつつ!」(byいっそん)なくらい若者は熱い(暑い)のだ笑。見事な対比演出である笑。←どこが笑。

そして「おめぇ、いい身体しているな」(byいっそん)の種市は後日、「きょうは会社休みます。」で、そのいい身体を綾瀬はるかに食われるのである笑。←一部ウソwww。

本日の名言=「うるせーデブ(いっそん)だなぁ」(byアキ)

ユイは続・ゲスネタとして、春子がかつてオーディションを受けた事がある事をアキに教えに来る。そして若春子の部屋に、その時のオーディション写真があるのではないか?とアキをそそのかす。「ユイ…恐ろしい子(by「ガラスの仮面」)www。

急いで自宅(天野家の若春子部屋)に戻って写真を探すアキ。「何、探してんてのぉ〜?もしかしてこれぇ〜?」と春子がキタ━━━━━(゚∀゚) ━━━━━!!!!。んで続く…。くくくぅ!どうなるんだぁあああ!早く!明日よ!来いっっっ!←もう何十回も見返しているのに「おら、ドキドキがとまん ねぇ」!


あまちゃん(再放送)第38回 2015H27/5/19(火)

春子の部屋で、春子がアイドル・オーディション用に撮った宣材写真を探すアキ。するとその背後には春子が!怒られる!とビビるアキ。しかし春子はケロとしている。

第23回と同じパターンである。あまちゃんには「♪寄せては返す波のように」(by潮騒のメモリー)同じパターンが何度も出現する。これが心地よい効果を生み出すのだ。

第23回でも、春子の隠し部屋にやってきた春子自身は、自分のかつての部屋で饒舌になった。今回も同様である。この部屋ではみんな饒舌になり、本音をいい、安らぎ、そして何かしらの決断をする。女子の本音の交差点だ。

ここで大事なのは春子がアイドルを目指したという自分の“暗黒史”に対して、春子自身がやはり「葛藤しなかった」点にある。アキの誕生会で、あれほど、怒って、いかにもこの暗黒史は春子にとって、辛いもので、一通り葛藤するか?…と思ったら、まったくしなかった。がはは。
普通のドラマなら、この暗黒史の葛藤を使って10話くらい作るぞ。でもクドカンは葛藤しない。いつものようにサラッと流した。誕生会での怒りはナンだったのか?がはは。若春子部屋の癒やし効果か?

そればかりかアキが引くほど、饒舌で明るく機嫌良くアイドル論について語る春子。「あまちゃん」というタイトルからして「海女さんのドラマ」だと思ってい た視聴者が軽い違和感を覚えるのもこの辺りかな。あれ?もしかしてアキは東京に行ってアイドルになるのか?そーいう視聴者の予想も含めてワクワクさせる ぜ。(てか番宣とかHP見てりゃ東京編がある事はわかっているが笑。)

春子のしゃべくりに勢いかかかる。そして梨明日でなぜかシレッとして皿洗いしている正宗。ワロス。



さて、ここで重要な発見があった。夏ばっぱと春子とアキの名前の由来である。大発見である。

春子が語る「えーとね。聖子ちゃんのデビューが80年の“春”。んで、百恵ちゃんの引退が80年の“秋”。つまり80年の“夏”こそが、二大アイドルがダブって存在した、アイドル黄金期なわけよ。ママにとっては中二の夏ね」

なるほどっっっ!そー言う事かあ!ストンと腑に落ちた。ゾクゾクしてきた。ゾクゾクして「なんだ、おめぇ、風邪が?」(by弥生)状態である笑。
いかにも80年代アイドル大好きのクドカンらしいね。この名前の由来説はネット上にもあまりないハズ。新発見である。大発見である。ずぶん、ノーベル賞ものの大発見だな笑。ワクワクしてきた。ずぶん、すごくね???

しかも春子にとっては“中二”の夏である。そう「14歳」だ。エヴァンゲリオンなどを含めて、数多くの作品に登場する14歳。やはり色んな意味で人生にとって大事な時期なのだ。そーいや、すぶんにも覚えがあるでがんす!
もちろんネットスラングの“中二病”や“厨房”にも通じる“痛い”年頃でもある。

ああ!青い春子…いや青い春って甘酸っぱいのね!ああ、そうか!「甘酸っぱい」から「あまちゃん」なのか爆!

あとすぶん的には当時のアイドルにはあまり思い入れはないけど、またまた出すけど押井守監督の「ビューティフル・ドリーマー」が公開されたのか1984年 という点にも何かを感ずるなぁ。ずぶん的には公開当時に「ビューティフル・ドリーマー」を見たわけではない。実はエヴァンゲリオンより後に見たかもしれな い。でも「ビューティフル・ドリーマー」に映り込んでいた80年代日本の空気感、特に“モラトリアム感”を、あまちゃんには強く感じてしまう。

今、クリエーター的な仕事をしている人で、押井守さんの作品を見てない人はいないだろう。押井守さんは国内、海外を問わず同業者にファンが多い。クドカンも当然「ビューティフル・ドリーマー」は見ているだろう。これについては後述したい。

また第1回で書いたように、ずぶんにとって、あまちゃんは「はまったのはエヴァンゲリオン以来。魂を抜かれたのはビューティフル・ドリーマー以来」なのだ。



さて、やはり騒動となった「ぶりっ子と聖子ちゃん」の件(くだり)が大胆にカットされている。つまりBS再放送版は、DVD/BR版と同じって事ね。と言 う事は後の大吉の歌うヴァン・ヘイレン の「JUMP」も無いのかぁ。←と思ったら、こちらはカットされていなかった。DVD/BR版とは違い、(多分)本放送版と同じであった。

春子の語る聖子ちゃんのぶりっ子論については、まぁどーでもいいや笑。

それより春子の「聖子ちゃんに夢中になって応援していると、自分も元気になる。それがアイドルの条件」が良かった。要はアキの事やんか笑。

春子は聖子ちゃんカットにして、写真撮って、オーディションに送りまくって、落ちまくった。春子は「その時点で気づけよって感じ。“痛い”よねぇ」と自虐 して言う。これは挫折のように見えるが、春子の歌の実力は、劇中では折り紙付き。北三陸の人達も、太巻もその実力は認めていた。でも春子はデビューでき ず、アイドルにはなれなかった。その理由は今後、徐々に明かされていく。



健康診断から戻った忠兵衛は、酒も飲まずにやや深刻な表情。わかりやすい伏線である。てかこの再放送時点では蟹江さんは鬼籍に入られていた。合掌…。



スナック・梨明日では、正宗を囲んで、大吉、吉田、菅原の男どもが田舎のヤンキーみたいに、やたらけんか腰の口調で正宗にグイグイ迫るwww。なんで、みんな唐突にやたら乱暴な口調になったのか?
それはカウンターの定位置に花菱会の幹部・中田がいるからですよ爆。クソワロタ!この関連性に気付くヤツはいるのか?当の中田はニコニコしてお湯割り飲んでいるし…爆。

※花菱会の幹部・中田とは…北野武さんの映画「アウトレイジ・ビヨンド」(2012年)で勉さんこと塩見三省さんが演じていたヤクザ。死ぬほど恐い笑。

にしても正宗。袖が浜ではアキに対して厳しい父親…かと思ったら、実はおちゃらけで、今はシレッとしている。しかし武道の心得もあり、なかなか興味深い人物である。

まぁこう言っては身も蓋もないが、今回の正宗の劇中の役割は、北三陸の面々に春子の過去をしゃべらせる事。「しゃべりたくてうずうずしてたンだ」(by大吉)のように、男のおしゃべり共は怒濤のこどくに春子の過去についてしゃべり倒す。ワロス。

春子が架空のオーディション番組「君でもスターだよ!」のために録音してダビングしておいたカセットテープが発掘される。「君でもスターだよ!」の元ネタ はホントにあった「君こそスターだ!」というオーディション番組である。1973年〜1980年までフジテレビ系列で放送されたとのこと。

さて春子がいざ!テープを再生しようとすると…夏ばっぱのナレで「残念!時間切れです。15分って短いですねぇ。と言うわげで明日、ちゃんと聴きましょう…」爆。
たいがい「そんなに自由か!?」(byいっそん)な夏ばっぱのナレには、文字通り「慣れ」たつもりだったけど、これには脱力・爆笑した!あははは!


あまちゃん(再放送)第39回 2015H27/5/20(水)

さあ!お楽しみ!昨日の続き。いよいよ若春子が吹き込んだデモテープが再生される。

春子は、このデモテープの宅録に際して、第37回に出てきた「漁協のハチトラの機械、持ち込んでぇ」と言っているが、あの機械はハチトラ(8トラック=エイトトラック)とコンパクト・カセットが両方使えるマシンだ。そんなのあったのね。知らなかった。

てか、久し振りにハチトラという言葉を聞いたよ笑。「ハチクロ」とか「ハチロク」かと思ったよ笑。
てか、NHKでハチトラというセリフが言えるということはハチトラは商標じゃないのね笑。
てか、宅録とは…春子もなかなかやるじゃん!当時はライン録りにしようにもミキサーなんか入手困難だったンだろうなぁ笑。

昔の若春子部屋での宅録シーン。ホントは聖子ちゃんの曲がよかったらしいけど、そのカラオケが無かったらしい。若春子が選 んだ曲は村下孝蔵さんの「初恋」という曲らしい。デモテープはダビングして大吉にも渡されていた。この「初恋」というタイトルで大吉が勘違いした。大吉、 相変わらず愛すべきバカである笑。

さて、若春子が歌うどっっっ!って時の丁度良いギャグ・タイミングで夏ばっぱが乱入してくるwww!手にはお玉。典型的な演出に吹いた。また乱入と同時に自動的に音楽が止まる。すげーっ!自動停止か?ってか…それは演出上のウソなので言わない約束www。

それよか、超絶面白いのは夏ばっぱのセリフだ。若春子に対して昼飯は何にするのか?を尋ねる

「春子ぉ!塩ラーメンと味噌ラーメン、どっちにする?」

これには朝から超絶吹いた。夏ばっぱと言えば「醤油ラーメン」に決まっているじゃん。宮本信子さんは、夫・伊丹十三さんが監督した大傑作映画「タンポポ」 で、美味しい醤油ラーメンを作る事に、あれほど腐心したではないか!なのに「塩と味噌、どっちだ?」と言い、醤油ラーメンを言わないのである。クドカン、 面白いよ、クドカン!こーいう細かいネタ、大好物です笑。

宅録中に何度も夏ばっぱに乱入されて切れた若春子は「塩ラーメン」と言い放つ。あははは。まさに“塩対応”だ!

さてこの時、再生された若春子歌声は、実際は小泉さんが歌っており、意外にいけていた。やはり春子は歌が上手い設定なのだ。いや設定とか、意外には失礼やなwww。上手いのだよ。ヨロシク!夜露死苦!「愛羅武勇」「舞蹴蛇苦尊」



スナック・梨明日でもこのテープがラジカセで再生される。上手な演出だね。
テープが伸びないように冷蔵庫で保管するというトリビアも話されたけど、そんな事で効果あるのか?笑。未使用の写真フィルムを冷蔵庫で保管すると言うのは聞いたことがあるが…。まーこれはどーでもいい笑。



海藻…いや回想シーン。若春子が「君スタ!」のテープ審査に受かったと若・大吉に報告。通知ハガキには「東京NYBSテレビ」に集合との事。“N”TV と、“N”ET(現:テレビ朝日)と、T“BS”と、フジ“テレビ”と、“東京”12チャンネルが混ざっているご様子www。
あれ?NHKは?当時のNHKにオーディション番組「君でもスターだよ!」的に番組はなかっただろうからねぇ。と言う事は東京NYBSテレビは民法という設定ですな。

そして若春子役の有村架純さんか大活躍する海藻…いや回想シーンキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!。本放送の、この頃には、もうみんなググりまくって「かすみん」こと有村架純さんの名前を覚えていたよね。とにかく有村架純さんの演技が良かった。
そして「SPEC」の「雅(みやび)ちゃん」もかすみんだった事を知って驚愕したハズである笑。「え゛っ!雅ちゃんの中の人だったのか?気付かなかった。 聖子ちゃんカットのカツラのせいかなぁ?女は化けるなぁ」と感動したハズである笑。堤幸彦監督もきっとニヤリっとしたハズである笑。

若・夏ばっぱの服装が“蛾”みたいな模様なので、きっとブティック「今野」で買ったのだろう笑。

若・夏ばっぱは「下らねぇ!」と通知ハガキを投げ捨てる。
つまりレイヤー1はこうなっている→若・夏ばっぱの表面的な演技を見れば、夏ばっぱは春子が上京してアイドルになる事に反対しているように見える。現実の世の親達もそうだろう。そして春子もズッと夏には反対されてきたと思っている。

しかしレイヤー2は違う→夏は、ハガキを投げ捨てた瞬間…いや春子がアイドルとやらを目指し始めたであろう、もっと幼少の頃から、夏は、もうとうに春子の 才能を認めて、暗に応援しているのである。もちろん昔気質の人だし、親というものは試練を与えたがるものだから、表面的には反対してみせたのだ。

その証拠に若春子が北鉄に乗って家出した時、若・夏ばっぱは若春子止めるために追いかけたりせず、北鉄が通過する浜で大漁旗を振って若春子を応援したではないか。

劇は続く。若・夏ばっぱと対峙する若春子。若春子がポロリと漏らしてしまう。「大丈夫だよ。10週(勝ち抜く)なんて無理だから」

若・夏ばっぱの表情が変わる。

若・夏ばっぱ「本気か、遊びか、聞いてンだ。1回、2回勝ってどうすんだ。0か10しかねぇどっちだ?0か10か?」
若春子「…10です」
若・夏ばっぱ「わかった。ほんなら、行ってよし」

若・夏ばっぱ、超絶男前である。カッケーっ!惚れたぜ!男達は遠洋に漁に出てほぼ年中いない。浜の女たちは男親の役割もこなすのだ。

問題はこの後だ。

若・夏ばっぱの考えはこうなのである→『来る者は拒まず、去る者は追わず…だ。春子は自分が守る。自分が責任を負う。だから自分に黙って、家出でもいいからここから逃げろ!自分はそれを見逃す。去る者は追わない。そして東京で夢を掴め!』

でも春子はこう捉えた『さっき夏は東京行きを認めてくれたのに、北三陸の市長まで自宅に来て、自分が海女になる事を要求された。それに対して夏は自分を守ってくれなかったではないか。手のひらを返した。話しが違う。腹が立った。もう出て行け…って事だと思った』

これがボタンの掛け違いである。アキの言う「ママと夏ばっぱ、何かあったの?」である。そして「あまちゃん」に頻出する素晴らしい「レイヤー構造(二重性または通奏低音)」だ。

若・夏ばっぱは若春子が出て行くことを見逃すつもりだから、あえて若春子に何も言わなかったのだ。しかし若春子は、それを「母は肝心な時には何も言ってくれなかった」と捉えた。逆である。肝心な時だから夏は何も言わなかったのに…。

またこの時、若・夏の言った「悪いようにはしねぇから」は、上京した後にも若・太巻の口癖として若春子を苦しめた。「悪いようにはしないって、悪いヤツが 言うセリフだよね」(by喫茶「アイドル」のマスター甲斐)だけど、この時の若・夏の言った「悪いようにはしねぇから」も、後の若・太巻の「悪いようには しないから」も、ホントに春子のためを思って言っていた事である事が、後になってから、やっとわかるのである。

「親と太巻の悪いようにはしないからと冷酒は後で効く」…のである笑。←アホか。

ああ!あまちゃん!よく出来ているなぁ!

春子は、座敷わらしであるアキ様に、当時の夏の気持ちはどうだったか?と神託を求める。
座敷わらしであるアキ様の御託宣はこうだ→「わがんね」爆っっっ!
春子「あんた、都合悪くなると訛るよねぇ」
そう、アキ様に座敷わらしが特に降臨した時は訛るのである笑。←ホントかよ!www

そして座敷わらしアキ様は何も託宣しないのである。
何故ならアキはただの“触媒”だからだ。
アキ自身は何もしない。成長もしない。
周りが動くのだ。

ああ!あまちゃん!よく出来ているなぁ!

あと家出した若春子が、北鉄の車内で若・大吉にしゃべりかけられるのは後に重要な伏線となる。そして若・勉さんが、また重要な目撃者となるのだ。

最後に春子が夏ばっぱに「お腹空いた。何か作ってよ」と甘えて、夏ばっぱが「ラーメンでも作るっぺ」となる。これで冒頭のラーメンと繋がるのである。あはは。

ああ!あまちゃん!よく出来ているなぁ!



最後の最後に、忠兵衛が漁師を辞める宣言が飛び出す。BGMは宮沢賢治作詞作曲の「星めぐりの歌」の大友良英さんアレンジによるインスト曲である。しんみり。
これは言うまでも無く明日以降の伏線。忠兵衛に何か重大な病気がある事が、暗示されるが、特に悪化する事もなかった。後の夏ばっぱの心臓の手術も含めて、この辺りのアッサリ具合は、あまちゃんではもうお馴染みの「葛藤しない」世界なのである。


あまちゃん(再放送)第40回 2015H27/5/21(木)

忠兵衛は漁協に寄って、皆に引退前言。「星めぐりの歌」のインスト曲がかかる。組合長は忠兵衛に「たった一度の人生だけすな」と言 う。組合長はたった一人の息子を海の事故で亡くしている。んでしみんりしたら、すぐに反転させるのがクドカン。白ババアとこ花巻が、忠兵衛が引退したら 「んだんだ。ゴルフでもサーフィンでもヒップホップでもやったらいい!」には吹いた。



喫茶・リアスでは正宗がシレッと春子の作ったナポリタン?かミートソースを食っている。値段は800円と高め笑。第22回で出てきた春子とアキが食べたパスタをやっと正宗も食べられたのね笑。これで元の家族に戻れるか?てかこれはリアスの単なるメニューやな。

それらしいデザインで作れた架空の北三陸の求人誌「TOWN JOB 北三陸版」。カネが掛かっているなぁ。では細かく見て行こう。求人誌内「特集1の未経験者スペシャル」のページにあった求人は、缶詰工場の「岩手 魚魚丸水産加工グループ」や「(株)北三総合サービス」などが載っていた。魚魚丸水ってナンだよ!笑。後の東京編に出て来る「さかなクン」の伏線か?笑

求人誌の薄さが何か悲しさを誘うど笑。

にしても、いろいろ全方位的にコンプライアンスにうるさそうなNHKなのに、正宗のセリフの「缶詰工場のような単純作業でも月20万円は保証します…とか」とか大丈夫か?笑。

あとほぼ食い切ったハズの正宗のスパゲティが最後に一口分、残っていたのは演出上の都合だぞ。あと正宗さんよ。口の周りのソースを拭いておかないと、面接に落ちるど笑。

いろいろそれなりに突っ込みどころのある、あまちゃんだけど、細かく突っ込むのは落語の世界観にいちいち文句を言うようなもので野暮なんだけど、正宗のこの転職については、やはり突っ込みたい笑。

まず東京・世田谷の「持ち家」のマンションはどーすんだ?

そして何より、正宗はタクシードライバーの中でもエリートの「個人タクシー」だ。個人タクシーは、なかなかなれない職業の一つらしいぞ。しかも東京の…。その地位を捨てて、北三陸という田舎で、雇われタクシー運転手になるのは、ちょっと無理があるぞ笑。がはは。



まぁとにかく正宗は北三陸のタクシー会社の面接に行ってしまう。てか、昨夜、大吉は正宗にけんか腰のアウトレイジ風だったのに、正宗は大吉に対してもシレッとしている。まさに色んな意味で“鉄のハート”だ笑。

そして大吉と春子の会話。大吉が春子に、春子の過去を、正宗にしゃべったと言ってしまう。あんなに頑(かたく)なだったのに春子は「いいよ、別に」とやはりクドカンは「葛藤」しないぞ笑。春子もアキに過去のことをしゃべったとアッサリ告白。

そして大吉の朝令暮改www。
春子「田舎の女子高生が、アイドルになりたって…東京に行ったら、そりゃ笑われるよね」
大吉「いや、おら笑ってねぇど」
確かに笑ってはないが、大吉は春子にアイドルなんて夢みたいな話し、言ってんでねぇ…とか言っていたハズ。がはは。適当な会話で春子に阿(おもね)ってしてしまう大吉。ヘタレだ笑。またこーいうブレ方が愛おしい。さすがクドカン。



学校ではアキとユイの会話。ユイは春子がアイドルの道を歩み始めたアキに嫉妬しているのでないか?と言う。確かに当時はそんな見方もしていたね。しかし、この見方をここで出す事で、逆にストーリーとしては、嫉妬などと言うそんな単純な事ではない…と言う事を暗示している。

そして見所の一つ。ユイの「ユニット名」ブレイン・ストーミング・キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!。と言ってもユイの一方的な提案のみだけどね笑。ユイの提案はまずはイチオシの…

「JJガールズ」

続いて…

「AMMA」
「ウニ娘」
「ウニクロ」
「ウニやっこ」

一通りワラタ!にしても惜しい!「ウニ娘。」にして欲しかった笑。

そしてユイは決めポーズも披露する。しかし種市に「それ“J”じゃなくて“し”だべ」と言われる。吹いた!「C.C.ガールズ」かっ!
この時もだけど、ダンスも含めて橋下愛さんの身体能力というか、身体で何かを表すチカラ、ポージングはなかなかのものだと感じた。橋下さんが作った「し」の形かキレイだった。能年さんより断然、キレイ。



そして忠兵衛の面接先の架空のスーパー「サンディマート」。残業代を残尿など、一通りの賑やかし。
忠兵衛は面接に夏ばっぱに一緒についてきてもらう。もちろん、これには理由がある。夏ばっぱは「スーパーの女」だからだ爆。細かいよねぇ。伊丹十三リスペクトだよねぇ。



喫茶・リアスではアキとユイの内緒の会議。春子が耳ダンボ状態で聞いている。アキはガキなので、単純に種市の事やコイバナをユイに相談。しかし手練手管のユイは、アキの東京の実家のツテを頼って上京計画を立てる。

そしてこう吐くのだ→「なんなら(上京後に)一緒にアイドル目指そうよ」。ついでかよ!アキも踏み台なのね。「ユイ…恐ろしい子(by「ガラスの仮面」)がはは。



成り行きで天野家は大家族状態に。最後に春子は「パチンコ行ってくる」と、またパチンコをディスって今日はおしまい。あー楽しかった!


あまちゃん(再放送)第41回 2015H27/5/22(金)

昨日に続いて春子がパチンコをディスって始まる笑。春子はパチンコ店へ。

喫茶・リアス。夏ばっぱがカウンターに。そしていつものメンバー。…とプラスワンの異物。画面には映っているのだが、視聴者は最初は気付かない。こーいう のってよくある手法だけど、録画して何度も見られる事を前提とした演出だよねぇ。今時のテレビドラマ演出の考え方だよねぇ。

画面左(下手=しもて)で黙々とナポリタンっぽいスパゲティを食う吉田副駅長。スタジオの強い照明のせいか?麺が乾燥してしまい、パサパサで、なんちゅうか、逆に味が想像できて、ジャンクで美味そう笑。
食べ物をちゃんと描くドラマ、映画、アニメってだいたい名作やね。あと、ここ最近の流れではナポリタンっぽいスパゲティ…パスタを食うと言う事は、天野家 の仲間入りのプチ・イニシエーションになっていたが(←こじつけやな笑)吉田は天野家の家族なのか?がはは。まぁ仲間ではあるわなぁ。

てか、このパスタはナポリタンやな。なぜならもっと後のシーンでヤンキーに退化…いや進化したユイが食うのがリアスのナポリタンだからだ。その時、勉さん は粉チーズまでかけてあげていた。そのシーンの前に春子は「ナポリタンはあばずれの食べ物」と喝破している。「カレーは飲み物」以来の名言だ笑。まぁ天野 家も吉田も“マイルドあばずれ”みたいなもんだからね笑。…てか「あばずれ」って死語じゃね?

にしてもリアスでのいつものメンバー。相変わらず、そこに居ない人の悪口全開で(・∀・)イイ!。今、そこにいない正宗の「イラッ」とする感じを弥生がズ バリ形容する→「あの黒川って男。悪いヤツではないんだけど、なんかイラッとするサムシングがあるんだよなぁ」。今回の騒音ババア弥生は“ズバリ言う”役 である。

一通りどす黒い会話の花が咲いた後、やっと勉さんの横にいる謎の男について、かつ枝が突っ込む。今回のメガネ会計ババアかつ枝は“突っ込む”役である。
もちろん彼らは、その謎の男に今の今まで気付いてなかったのではない。とうに気付いていたけど「いじらなかった」だけだ笑。

「いじられない」キャラは存在しないか、存在価値がない。これは「お笑い」の世界の鉄の掟である笑。あまちゃんはもちろん「お笑い」の世界でもある。てかクドカンや「大人計画」が「お笑い」に親和性が高いからね。

リアスのでどす黒い会話はいわば突っ込みのための長い前振りだったのだ。その前振りのネタにされたのが黒川正宗。謎の男と同様に外来者である。つまり外来者への興味と警戒である。

正宗は皆に散々、噂される事でいじられるが、どうにかコミュニティーに入れてもらえた感じだ。てか正宗はズカズカとコミュニティーに突っ込んで来たけどね笑。
と言う事は逆に言うと、この謎の男はまだ謎のまま。少なくも今回はコミュニティーにやっと接触した段階である事を表している。てかセリフで全部、しゃべっ ているけどね。がはは。今回の弥生は“ズバリ言う”役である。その男に対して「怪しすぃ!」と言い放つのだから、暗喩もクソもないわな笑。あまちゃんには メタファーもあるが、直球もある。直球であっても、堂々勝負。そして面白いのだから仕方ない!がはは。

少なくとも「いぢって」くれただけ謎の男には僥倖だったろう笑。

謎の男…そう「ミズタク(水口琢磨)」キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!である。

本放送当時は、ん?と軽い違和感しかなかったミズタク登場だったけど、後でとんでもない食わせ物だとわかる。シレッとした正宗が、今回のイジリーネタであったように、やっと皆にいじられたミズタクもまたシレッとしているのである。

キャラクター、ストーリー、タイミング…投入されるべくして投入された異分子・ニューカマーのミズタク。これこそまさに波乱の予感!



忠兵衛は愛妻弁当と、外洋での厳しい釣りに比べたらなんとも生ぬるい朝釣り。どーてみても“グローバル・フィッシャーマン”(by忠兵衛の自称)の仕事で はない笑。春子にも、いかにもスーパーマーケットに不似合いな忠兵衛が目撃されてしまう。対して夏ばっぱは温泉旅行の計画。マイホームパパ…いやジジイに なってしまったのか?忠兵衛さんよ!

夜、死んだ魚のような目をした忠兵衛が、自宅で鮮度の落ちたマグロのように横になっていると、アキがやってきて「英語を教えてくれ」と言う。忠兵衛は英語は得意と吹聴。「見るか?カナダからの手紙」。アキは即座に「見ない」。ワロタ。

※「カナダからの手紙」は1978年にヒットした歌謡曲である。「カナダからの手紙」は後のあまちゃん東京編で、架空のアイドル・グループ「アメ横女学園 芸能コース」の持ち歌のひとつ「ペンフレンドはバンクーバー」へと変化するのである。アメ女の持ち歌は他にヒットした「暦の上ではディセンバー」誰も聞い たことのない「涙目セプテンバー」「空回りオクトーバー」「肌寒いノベンバー」「宇宙船リメンバー」「せつなさはアンバー」などがある。クソワロタ。

さてアキを交えて夏ばっぱは忠兵衛抜きで忠兵衛との温泉旅行計画を練る。アキは主人公なのに今日は存在感薄いが、このシーンで忠兵衛と夏ばっぱの温泉旅行 に「アギもいぐ!アギもいぐ!アギもいぐ!」となぜか3回アピールする。にしても話し方やノリがJCレベルだ。可愛いを通り越してガキっぽい。大丈夫か? こいづ?と思ってしまう笑。ま、座敷わらしだからしゃーないけどね笑。

そこへサンディマートの主任から電話が入る。
主任は「…いや店は平気ですよ。店は…。でも歳も歳ですし、万が一の事があったと思って…」と言う。ホントは迷惑しているのだが、忠兵衛の歳の事を心配しているふフリをしているのが、いかにも現代社会の会社の主任っぽい。がはは。

アキが心配してパチンコ中の春子に電話。共に画面の右を向く姿勢で電話している。イマジナリーラインを破綻させて不安感を煽る。そして春子が忠兵衛をパチ ンコ店の店内で見つけると、アキとのイマジナリーラインは修正される。細かい事だけど、ちゃんと演出してるなぁ…と感心した。



天野家で忠兵衛を囲んで話し合い。何故か大吉もいる笑。またも柱時計が1回ポーン!と鳴る。もう時計の事はいいや笑。結局、忠兵衛はスーパーの仕事を辞める事に。

かつ枝は夏ばっぱに「(忠兵衛に)少し休んでもらったどうだい?無理して稼ぎされなくても、蓄えはあんだべ?」と言う。朝ドラのフォーマットかもしれない し、他の朝ドラを見たことないのでわからないけど、あまちゃんには貧乏とかゼニカネの話しがほぼ出て来ないよねぇ。生臭い「カネの話し」はほぼスルーなの だ。「ウニはゼニ」とは言っているが、それだってホントにガツガツはしていない。

今日は忠兵衛がまたも遠洋船に乗る事を決断しておしまい。

楽しかった大家族ごっこだったけど、ここで人数が1人減る事に。

明日も楽しみ!ミズタクはどうなる?


あまちゃん(再放送)第42回 2015H27/5/23(土)

忠兵衛がまた沖に出る事を決意。珍しく夏ばっぱがしんみりしてる。ちょっとだけウェット演出。ここで忠兵衛と夏の“夫婦愛”を描いたわけやね。と言う事は…問題は春子と正宗の“夫婦愛”って事だよね。それが浮き彫りになった。

うまく行っている「忠兵衛と夏」対「春子と正宗」。あまちゃんに頻出する「対比構造」である。いいねぇ!この対比!たまらん!

そして「忠兵衛と夏」をジッとニコニコして見ているだけの座敷わらしのアキ様…。アキは問題のない「忠兵衛と夏」を寛解しなかったが、問題のある「春子と正宗」の寛解のお手本を見つけたようだ。←ホントか?笑。

あと忠兵衛の口から微妙に森高千里さんの「私がオバさんになっても」の変化球が出てきたような…笑。



そして「いつものバカみでぇな感じ」(byアキ・ナレ)に戻った楽しい場面。忠兵衛の送別会開始っっっ!

大吉は制服のまま参加。なぜか、いっそんも参加しとるやん笑。そしてシレッとして「天野家」の方に属して、忠兵衛に「今後とも天野家を暖かく見守ってやってください」と紹介される正宗。正宗は黒川家やんか!しかもそれに誰も突っ込まない!今回は春子でさえ…だ!がははは。
前回「いじられない」キャラは存在しないか、存在価値がない」と書いたけど…そうはならないのが、シレッとした正宗なのでした笑。

送別会の中休み。リアスの外で忠兵衛とアキとユイの会話。

下手(しもて)にいた忠兵衛は、上手(かみて)に移動して語る。定石だ。いいねぇ!
忠兵衛は語る「マグロは魚類。カモメは鳥類。おら、人類」
アキ「カッケー」

記憶には残ったが、恐ろしく中身のない会話だ爆。でも(・∀・)イイ!。

ここで大事なのはドラマの外にある事象だ。言うまでも無く、忠兵衛役の蟹江敬三さんは超一流の俳優さんだ。能年さんと橋本さんにとっては大先輩。このシーンでは能年さんと橋本さんは、現実の俳優として、蟹江さんからいろいろ学ぶ事も多かっただろう。

そして同時に「このシーンでは能年さんと橋本さんは、現実の俳優として、いろいろ学ぶ事も多かっただろう」と“視聴者”も思うのだよ。なんか凄くね?こ れって“一体感”じゃね?普通のように見えるけど大切なシーン。他のドラマではなかなか感じる事の出来ない瞬間かもしれない。

制作者達が血まなこで出したいと思ってても、なかなか出来ない“視聴者との一体感”。そんな素晴らしい“一体感”を出してしまうなんて…さすが“クドカン”だ。そう!これは“クド感”なのだ!

あまちゃんでは事程左様にいろんな事がミックスされて怒濤のように進む。視聴者も巻き込んで…。しかも面白いっ!こんなドラマってあったけ?

※うっすらとした記憶では、いわゆる“久世光彦ドラマ”が、同じニオイを発していたような…。うん、そうかもしれない。改めて久世光彦ドラマを見たくなった。



しかも、あまちゃんが凄いのは、先のファースト・インパクトに続けて、すぐさま次のサード・インパクトが襲いかかってくる点にある。平日の朝から…。これはNHKの仕掛けた“面白テロ”かっ!爆。

「春子がカラオケを歌うのである。」

ずぶんは小泉今日子さんのアイドル時代には暗い。しかし小泉今日子さんがアイドルだった事は人並みに知っている笑。

ここでもクドカンが仕掛けたラビリンスが炸裂する。

このシーンでは先の忠兵衛とアキとユイのシーン以上に、現実と虚構が交錯しまくるのだ。押井守さん並に…。

大切なのはここで小泉さんは春子ではなく、歌手・キョンキョンとして歌っている点だ。劇中ではフィクションを演じる小泉さんが春子を演じているが、ここで は春子がキョンキョンとして、本物の元アイドルとして歌を披露するのだ。しかもそれは素である(素のように感じさせる)。しかしそれは、あくまでも、あま ちゃんというフィクションの一部なのだ。なんか凄くね?なんか凄くね?なんか凄くね?←大事な事なので三度、言いました笑。

こーいった現実と虚構が交錯は後の東京編でも起きる。橋幸夫さんの起用がそれである。なんか凄くね?

そーいう演出を指示したのか、またはそーいう瞬間を画面に抜いたのか、例えば、尾美としのりさん(正宗)や、杉本哲太さん(大吉)など、アイドル全盛時代 の小泉今日子さんを知る人達は、素でキョンキョンの歌に聴き入っていたではないか。まさに現実と虚構が交錯しまくっている。こーいうのって楽しいね。きっ と現場もすごく楽しかったのだろう。演者も本気で楽しんでいたのだろう。そしてその楽しさのエネルギーは視聴者にもビンビン伝わるのだ。

能年玲奈さん(アキ)と橋本愛さん(ユイ)世代も、チラリと、素で、女優・小泉今日子さんの別の顔(アイドル)を見て感動しているのが伝わってくる。

夏ばっぱだけはここではビジネスライク(演技中)で、一見するとムスッとした表情している。

さてここでいつもの講釈ですよ笑。レイヤー1では夏ばっぱのこの表情は「夏ばっぱは今でも春子の家出とかアイドル志向を快く思っていない」と感じさせる造りになっている。
しかしレイヤー2は違う。「夏ばっぱは反省しているのだ。あん時、春子を黙認して送り出して、こっそり応援したつもりが、何故、春子の不興をかったのか?」と悩んでいるのだ。

その証拠に、夏ばっぱは後のアキのアイドル化に反対ではなかったし、むしろ応援していた。また後のシーンで夏ばっぱと春子は“あん時”の件で和解するではないか。

クド感…クドカンがすごいのは、事々左様にこーいった「レイヤー構造(二重性または通奏低音)」が仕込んであって、ツラーと見ても普通に面白いのが当たり前で、じっくり見るといろいろ発見があってなお面白い作劇世界を造った事だ。これって天才じゃね?
いやいや、普通に面白い…と言っても喜ぶ脚本家はいないな笑。クドカンは“異常に面白い”のだwww。



さて春子は「1番だけね」と言いながらフルコーラスで「潮騒のメモリー」を初披露www。再放送の時点では散々、聞きまくって、カラオケで自分も歌った後だけど、本放送の時の、この曲の違和感たるやハンパなかったのを思い出す。

なんちゅうか…最初は、歌詞はおふざけだし、コミックソングに聞こえた。意図的だろうけど、古くさい感じをワザと出したような、妙な感じが凄かった。

しかし、このおふざけっぽい歌詞。特に「三途の川のマーメイド」が最後の最後で、あんな風に変容するとは…その変容に感動したのは間違いない。「潮騒のメ モリー」の歌詞もクドカンが書いたとのことだけど、どんだけクドカンは凄いのだうろか。クドカンは“異常に面白い”のだwww。

同時にNHKの本気も見た笑。こりゃビジネスだね。後に「潮騒のメモリー」のCDをリリースするのでは?と思ったけど、実際に出た。結構、売れたらしい。
また、ずぶんは「紅白で潮騒のメモリーが歌われる」と本放送当時、皆に予言して失笑されたが…実際に紅白で歌われたではないか!すぶんの予想以上の出来で!

朝ドラ発の架空の曲のリリースとか紅白出場は初めてでないらしいけど、NHKの「ビジネス感、ハンパない」(元ネタは「小林感」)でしたねぇ。その証拠に春子は「大漁旗」の前で歌っているではないか。←こじつけ笑。

あと主人公と思われるアキは今日も活躍せず笑。