春 望


国の都は破壊尽くされてしまったが、山や河は元の姿をとどめている。

時はまさに春で町には草や木が青々と茂っている。

戦乱の時勢に遭遇して花を見ても涙を禁じえないし

家族との別れを恨みに思って鳥の鳴き声にも心が不安になる。

のろしの火は長い間上げ続けられており

たまに届く家からの便りはかけがえの無いものになっている。

しらが頭をかけば髪は薄く短くなり

もはや冠をとめるピンもとまらないようになってきている。

HOMEへ戻る