第89回 思い出シ- ン
1956年1月1日付けの日記帳,「早暁3時起床、そこは朝日八幡神社社務所、コタツのうえで茶漬けを頂く」。と歳旦儀式を撮りはじめる。
火打ち石松明(たいまつ)に点火、田内 宮司が釣瓶(つるべ)若水(わかみず)をくみ上げる。
照明のライトが消えた。ヒュ -ズが飛んだのだ。
レンズ絞り開放のF:1.1で,松明(たいまつ)が唯一の照明。
若水を汲む 朝日八幡神社 田内 宮司
半世紀近くも以前に回した過去の失敗を今、確認しようとは。
当時ご存命中の関係者の希望もあって、オリジナルフィルムは呈上したままであった。
(ご家族のかたも失念したままであった。)
ここにも忘れ去られていた映像が生き返り、蘇らんとしている記憶があった。
炬燵コタツ
 床をきって炉を設け、上にやぐらを置き、蒲団をかけて暖をとるもの。
 床を切らずにやぐらの中に火を入れた置き炬燵もある。
火打石ひうちいし
 石英の一種。玉髄に似て不透明、灰白色・黒色・褐色で、これに鉄片を打ち合せれば火を発する。
松明たいまつ
  松のやにの多い部分または竹・葦などを束ね、これに火を点じて屋外の照明用としたもの。
つるべ釣瓶
 縄や竿の先につけて井戸の水を汲み上げる桶。
わかみず若水
 元日の朝に初めて汲む水。一年の邪気を除くという。
ヒューズ フューズ
 電気回路に挿入し、過大な電流が流れると溶けて、回路を遮断する可溶合金片。
レンズ絞り
 カメラなどの光学系において光束を制限する穴。レンズから入ってくる光の量を調節する装置。
上田雅一のシネマなページ