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| 第88回 催涙映画 |
| その昔、「母もの」とか、「お涙頂戴」とか言ったたぐいの「催涙映画」が女性一般の「紅涙」を絞り、社会的なブ‐ムを呼んでいたが、事もあろうに、我が手になる映画作品が、見る人をして泣かせたとは。 |
| つい先だっての、倉敷映写会の席で観客の一人が、観覧中に頬を涙で濡らされていたと、会場に詰めていた市の職員の方が見届けていて報告してくれた。 |
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| それは画面に現れるその昔の町並みのたたずまいに、懐かしさゆえ涙されたのであろう。 |
| 作者たる私としては、そこまで計算し、思い計って撮った訳ではないのである。 |
| それはにはこの記録フィルムが、ながの歳月のあいだ、その映像を温存しつづけていたことと、その涙した人の感受性故によるものであるに違いないのである。 |
| 上田雅一のシネマなページ |