第84回 くらしきの川
古風な町並みが揺れ動く、橋上の人影が揺らぎ千切れる,大八車が川筋をゆく。
いつに変わらぬ昔ながらの倉敷の風情。四十三年前の佇まいが今によみがえる。
昭和三十七年の雨模様の一日、8ミリカメラを天地あべこべに構えて撮った「くらしきの川」。
川面に映った町屋の佇まいが,水の揺らぎで揺れる。それは昔のままに,思い出を繰り返し繰り返し物語り続けているように。
この後もこの映像詩は同じ語り口を忘れる事はないであろう。
古くて新しい町の記録は、そこに住まう人々にとっても貴重な財産である。
上田雅一のシネマなページ