第42回 『因果は巡る小車の・・・』
 因果は巡る小車の・・・
そのような「めぐり合わせ」に遭遇した。
 財団法人 美術院(旧名称 国宝修理所)から『仏像修理50年』なるご本が届けられた。なぜにかかる書籍が私ごときに送り届いたかと申せば、昭和37年(40年前)、西山は大宝寺の阿弥陀如来像修理で、美術院から西村公朝所長が来られた折、特に許可をいただいて撮影、さらには映画のナレーションまで所長さんにお願いしたご縁があったからだ。
 同書の年譜には明治34年の項に『木造阿弥陀如来像 一躯 大宝寺』とあり、尚『木造 一遍上人立像 一躯 道後湯の町 寶厳寺』とある。
 奇しくも12年前、この一遍お木像を「遊行の美術展」に仮出展の際、私が台座裏の墨書を撮影していたのが右の字句と写真(下)である
『明治三十四年春国宝になり同年六月保存修繕のため其の筋より下賜金あり翌三十五年三月日本美術院技師出張修繕着手同月二十四日竣工奉安置』
当時の関係者の名がつづく。
こちらの寶厳寺の一遍さまでもご縁がつながる事となる。
 40年前『秘仏修復』を撮影制作したおりには、西村所長のもとで仏像台座を彫っていた小野寺久幸さんは、先年の東大寺仁王像修復の大仕事を美術院所長として成し遂げられた。
上田雅一のシネマなページ