| 第38回 『80年ぶりの出会い』 |
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| このたび30年前に制作した8mm映画「けむり」を再見して、妙なことを感知した。 |
| 「シネカリグラフ」と呼称されるアニメは、カメラは用いず8mmフィルムの膜面を針ペンで削って、一齣ひとこま画像を描く「手作業映画」のこと。 |
| (このことはについては「アニメ」の章で述べたが) |
| 「けむり」は煙害という公害問題を扱った短篇、画面に登場するのが工場の煙であり、汽車ぽっぽのけむりである。 |
| 揺れ動き、たなびき、たゆたう煙はすべて風の悪戯のなせるワザであって「けむり」のなせる業ではない。 |
| 描かれた山川も、走る機関車も、すべてが実に稚拙なのは、極微な8mmというスペースの特異さによる描きにくさゆえに起因する。 |
| このアニメ映画「けむり」には、不思議な『符合』がひそんでいた。 |
| それは80年ぶりのめぐり合いというか、作者自身が小学2年生時代に工作でつくった「汽車ぽっぽ」の切り絵と、後年描いたものとが同じ絵柄なのだ。その証拠品が奇跡的にも残されていたのである。 |
| 幼児の描いた切り絵と、酷似した老齢期制作のアニメ画の思いもかけぬ「めぐりあい」。 |
| 「三つ子の魂」なんとやらか、はたまた年寄の「手すさび」の原点発見とや言わん。 |
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| 小学2年生のころの手工作品「汽車ぽっぽ」 |