第35回 『アニメ』
 昨今は目覚ましいばかりのアニメ映画ばやりでカシマシイ。
 私の場合は、8mmフィルムではあるが30何年以前に何本か作り上げた、その技法はさまざまであって、マスプロのごときセル描画手法ではなかった。
 至って素人じみたもので、粘土細工か、切り絵か、マッチ軸による手作業によるキャラクターを登場させたもの。それらを動かせては、カメラのシャッターを一齣ひとこま送るという手作業撮影。
 なかでも「シネカリ・グラフ」なる技法は、カメラを用いず、8mmフィルムそのものに針で引っかき描く。ルーベで拡大した膜面にじか描画するのだから針先は意のごとくにならず、稚拙で突飛極まる絵柄となる。この場合それが狙いであるが。
 途中何度となく投げ出しそうになる、しかし「成果やいかに」の愉しみと期待感がその作業を支え、持続させたのであった。
 このワザの創始者カナダのマクレーンさんもこの様なジレンマーに苛まれたのでは。
 このたび1964年制作の「けむり」をリバイバル上映することになった。
 ちなみに同作品は、1966年アニメーション・フェスティバル、1967年美術文化で入賞したことを申し添えておく。
上田雅一のシネマなページ