第25回 『遺伝子』
 34年前の柮作「古城再現」に今なお私自身思い入れが深いのは、わが体内に潜む遺伝子そのものの働きによるものなのか。
 四百年以上むかし、わが大先祖二神牛之助若年のころ、二階より転落、足に障害を持つこととなり、武士を廃して鍔打ちを業となし、「松前引け」の折には開市された松山城下に移り、今の松山城とも馴れ親しんだのでは。
 このたび、同フィルムのナレーション改変に当たっては、四百年の昔、城下の人々が如何なる感慨をもって当時、築城風景を見守ったか、または朝夕、どのような思いをもって山頂の城郭を望み眺めたか。
 そうした感慨を込め、至らぬながら詩想を練り、語彙を探り求めて綴ってみた。
 昔むかしのご先祖さまの遺伝子が何らかのインスピレーションをお与えくださることを願いながら。
上田雅一のシネマなページ